令和6年12月19日 参議院法務委員会 古庄玄知議員による質問

袴田事件再審無罪判決に対する法務大臣の認識

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  • 古庄玄知
     次の質問、この前、再審無罪判決が出た袴田事件について、何度もこの委員会で聞かれておりますが、またこの点についてお伺いしたいと思います。
     まず、事件の概要を簡単に説明しますと、昭和四十一年、一九六六年の六月三十日の夜に発生しました。みそ製造販売会社社長の一家四人が殺されて、お金が奪われ、放火をされたという事件です。住居侵入、強盗殺人、放火事件と、こういう事件です。
     第一審の静岡地裁、一九六八年に死刑判決を言い渡しました。いろいろ証拠はあるんですけれども、その中で一番の決め手となったのは、みそだるに衣類が五点入っていたと。その五点の衣類が袴田被告人のものであるということで、それが決め手になったというふうに言われております。
     袴田被告人は控訴して上告したんですけれども、一九八〇年に死刑判決が確定いたしました。その後、ずっと再審請求したんですが、再審決定がずっとなされずに、二〇一四年に静岡地裁で再審決定がなされると同時に、その頃、同じ頃、袴田さんが釈放されたということになっております。死刑判決が一九八〇年ですから、二〇一四年というと三十四年後に身柄を解かれたと、そういう流れですね。
     その再審決定というのは非常に基準が厳しくて、もう無罪判決が間違いないような、そういう状況じゃなければ再審決定は出ないと、そういう法の立て付けになっていますが、再審決定を出した根拠として、一年以上をみそ漬けにされた衣類に血痕の赤い色が残っているのはおかしいと。証拠として出された衣類五点は赤い色がまだ残っていた、これはおかしいんじゃないかと。いろんな専門家なんかの意見を聞いても、もう一年以上もみそに漬けられた衣類にまだ血痕の赤が残っているのがおかしいと、だから、この衣類五点は有罪の証拠としてはおかしいんじゃないかということで、これは信用するに値しないということで再審決定が静岡地裁で出されました。
     その後、検察官の方がその決定に対して抗告をして、その抗告に対して二〇二三年に東京高裁で抗告棄却というか再審再度決定というか、九年七か月後に再審をいよいよ本当にやるよという判決が出されました。
     それから再審の審理が始まるんですけれども、これは一番最初の死刑判決からもう四十年以上経過していると、そういう時間的経過がありました。静岡地裁で再審の裁判がなされて、今年の九月二十六日に静岡地裁は無罪判決を出したと、そういう流れになります。
     その再審無罪判決の中に、この五点の衣類、みそ漬けにされた五点の衣類については実質的に捏造されたものであると。要は、捜査機関がこの証拠を、うその証拠を作って、これが袴田被告人の殺害当時に着ていた衣類に間違いないと、そういううその証拠を捜査機関が作ったと、こういうふうに、再審一審判決の静岡地裁はそういうふうに判決文の中で書いています。
     それに対して、その判決が出た後に検察庁の検事総長が令和六年十月八日に検事総長談話というのを出しています。これについてはまた後でお伺いしますが。
     まず、法務大臣にお伺いいたしますが、この袴田さんの再審事件、無罪判決が出ましたが、この無罪判決が出たということを知って、警察や検察が間違っていたと、自分たちが間違っていたというふうに考えたのか、再審無罪判決を出した静岡地裁の方が間違っているんだと思ったのか、この点はいかがでしょう。
  • 国務大臣(鈴木馨祐君)
     大変恐縮ではございますが、今のお尋ねについて、やはりこういう個別の事件に係る裁判所の判断に関わる事柄ということで、法務大臣としてということでございますので、この場で所感を述べることは差し控えさせていただきたいと思います。
  • 古庄玄知君
     そういうお答えがたくさん出てくるんじゃないかなと思っていましたが、そうすると……(発言する者あり)済みません、先生、ちょっと。通告事項にはないんですけれども、個別の案件に関わる事柄については答えられないという、その答えられないという理論的な根拠を教えてください。
  • 国務大臣(鈴木馨祐君)
     個別のことについて私どもとして何かしらコメントをするということについて申し上げると……(発言する者あり)
  • 委員長(若松謙維君)
     議事の妨げになりますので、発言者以外は御静粛に願います。(発言する者あり)それを今議論しておりますから、是非御協力をお願いいたします。
  • 国務大臣(鈴木馨祐君)
     そういったことでございますので、やはりその司法権ということで申し上げれば、やはり様々ほかのことにいろいろな影響が出かねないということで、答弁は差し控えさせていただくということでございます。
  • 古庄玄知君
     根拠としてよく分からなかったのですが、それは何という法律の第何条に書いてあるんですか。
  • 政府参考人(森本宏君)
     個別の事件について差し控える理由ということについて法律にどういうふうに規定されているかということでございますが、直接的な規定としまして我々が通常根拠にしていますのは、刑訴法の四十七条の解釈から、裁判所に不当な影響を与えないようにということで、公判前には証拠の内容を明らかにしていけないという規定に基づいて、その趣旨から答弁させていただいているのが通常でございます。
  • 古庄玄知君
     刑訴法四十七条、すぐぽっと出てこないんですが、公判前でしょう。だから、まだ現に裁判を現在進行形のときは個別のその事件に関してはお答えできないというのはそれは分かります。だけれども、この袴田事件はもう終わったし、検察の方ももう控訴いたしませんというふうにもう終局した事件ですから、公判に影響は全く与えないと思うんですよ。
     だから、答えができないときに逃げるために個別の案件、個別の案件というそういう文言、表現を使っていますけれども、それは全く法律上の根拠がないんじゃないかなというふうに私は考えますので、その辺、もしそれと違う理論的なあるいは法律上の根拠があるんであれば明確に言ってください。
  • 政府参考人(森本宏君)
     確定判決が出たものについて申しますれば、仮に刑事事件の確定判決、刑事事件の判決が確定したといたしましても、個別事件に関しまして、検察当局が自ら明らかにしている事項を超えて、法務省あるいは法務大臣が検察官の捜査・公判活動を擁護したり、逆に批判したりということをすることになれば、同種事案への影響があるなど、準司法官とされる検察の活動に影響を及ぼそうとしている、ひいては司法権の独立の観点からも問題があり得るとの指摘につながりかねないため、慎重な対応が必要であるというふうに考えております。(発言する者あり)
  • 古庄玄知君
     ちょっと、鈴木先生、済みません。
     いやいや、確定判決の内容について云々かんぬんというよりも、法務大臣がそれを、検察が間違っていたと思ったのか、それとも判決が間違ったと思ったのかという、その気持ちを聞いているわけですから、判決の細かいところのこの部分が違うとか正しいんだとか、そんなことを全然聞いているわけじゃないので、それは全く当たらないと思いますので、法務大臣、もう一度回答をお願いします。
  • 委員長(若松謙維君)
     質問者の趣旨を体して最大の答弁をお願いいたします。
  • 国務大臣(鈴木馨祐君)
     今、刑事局長からもございましたけれども、やはり本件、そういった意味においては、他の様々な案件への影響もある話でございます。
     法務大臣としてというところで、そういったことでこの本件について、これが今御質問でいえば、無罪判決を知って、検察、警察が間違っていると思ったのか、あるいは無罪判決が間違っていると思ったのか、そういったところについての所感であったり、あるいはそういったことについてのコメントということについては差し控えさせていただきたいと思います。(発言する者あり)
  • 委員長(若松謙維君)
     今のは発言ですか。発言する場合は手を挙げてください。
  • 古庄玄知君
     済みません。
     法務大臣の今のお答えできないという理由は、先ほど、個別の案件に影響するというそれと、法律、刑訴法四十七条ですか、公判前については云々かんぬんと、そういう趣旨とはかなり離れていると思うので、回答を拒絶する理由にはならないと思いますので、できれば委員長の方から回答するように御指導いただきたいと思います。
  • 委員長(若松謙維君)
     今の質問者の趣旨をしっかり理解して答弁をお願いいたします。
  • 国務大臣(鈴木馨祐君)
     大変繰り返しになって恐縮ですけれども、やはりそういった意味において、私の、法務大臣という立場でこちらに立っておりますので、その立場からそういったことについての所感、コメントということで申し上げることは、申し訳ありませんが、差し控えさせていただきたいと思っております。

袴田事件に関する総長談話

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  • 古庄玄知君
     では、次の質問に移らせていただきますが、先ほど言ったように、今年の十月八日に検事総長談話という談話が出されているんですけれども、これについてどう思いますかという質問をしようとしたんですが、そうすると、これも同じ回答ですかね。
  • 国務大臣(鈴木馨祐君)
     申し訳ありませんが、同じ答弁ということになってしまいます。
  • 古庄玄知君
     回答いただけないということなんですが、一応この検事総長の談話の概略を申し上げますと、令和五年に東京高裁が再審開始決定をしたけれども、これは間違いだと、被告人、すなわち袴田さんが犯人であることの立証は可能であると、再審公判では有罪立証を行うんだと、こういうふうに東京高裁の決定の後、言っているわけです。
     その後、静岡地裁での再審無罪判決が出た後、静岡地裁が、五点の衣類について、一年以上みそ漬けにされた場合にその血痕は赤みを失って黒褐色化するものと認められると断定したことについては大きな疑念を抱かざるを得ないと、特に捜査機関の捏造だというふうに裁判が判決の中で断じたことには強い不満を抱かざるを得ないと、したがって到底承服できないと、この静岡の判決には到底承服できないと。だけど、だけど、袴田さんに対しては、相当長期間、法的地位が不安定な状況に置かれたことに思いを致し、袴田さんがかわいそうだから今回は控訴を取りやめてやるわと、こういう趣旨の検事総長談話が出たということは御認識ください。

袴田事件に関する検証

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  • 古庄玄知君
     次の質問に行きます。
     この静岡地裁で無罪判決が出たんですけれども、法務省として、まあ無罪判決が出るというのは検察官にとっては物すごく不名誉なことです。何が悪くて無罪になったのか、そういう検討を法務省として行ったことがあるでしょうか、あるいは現在行い中でしょうか。
  • 政府参考人(森本宏君)
     先生、この件に関してということでよろしゅうございますでしょうか。お尋ねの袴田さんの事件に関してという趣旨でよろしければ。
     その趣旨であれば、今現在、当該事件につきましては、最高検察庁において所要の検討を進めている最中であるというふうに承知しております。
  • 古庄玄知君
     その所要の検討というのがいまいちよく分からないんですが、具体的にそのプロジェクトチームか何かをつくってそこに検討させるとか、あるいは第三者、裁判所とか弁護士とかを入れて具体的に検討させるとか、そういう具体的な作業、検証作業は行っているんでしょうか。
  • 政府参考人(森本宏君)
     済みません、私の発音が悪かったのかもしれませんが、所要の検証を進めているところで、今検証作業中でございまして、最高検察庁において、最高検察庁の中で体制を組みまして検証作業を進めているということでございます。

袴田事件の検察論告要旨を判決前に特定の国会議員に配布した件

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  • 古庄玄知君
     この袴田事件の再審裁判の論告、弁論がなされたのが今年の五月二十二日です。その数日後に、恐らく二、三日後だと思うんですけれども、法務省の方から私の事務所に論告要旨(読み上げ用)というやつと、論告要旨と表題のある補助資料というのが届けられたんですが、まず資料一を御覧ください。
     論告要旨(読み上げ用)と、これ三枚しかありませんが、下のページ数を見てもらえば分かるように、五十九枚の厚さがある論告要旨(読み上げ用)ですが、これは法廷で読み上げたときに用いた書類ということでよろしいですか、局長。
  • 政府参考人(森本宏君)
     お尋ねの論告要旨(読み上げ用)となっているものにつきましては、当該事件の再審公判において検察官が読み上げたものにつきまして、静岡地検において関係者の氏名等を仮名に処理した上で論告期日終了後に報道機関に公表したものと同じものであるというふうに承知しております。
  • 古庄玄知君
     資料の二を御覧ください。
     これも論告要旨と書いていて、これも下のページ数を見ると一番最後が六十九ページになっていますので六十九枚厚さがあるんですが、これについても論告のときに裁判所に提出した書類ということでよろしいですか。
  • 政府参考人(森本宏君)
     お尋ねの資料につきましても、検察官が裁判所に提出したものにつきまして、先ほどと同様でございますが、静岡地検において関係者の氏名等を仮名処理した上で論告期日終了後に報道機関に公表したものと同じ資料でございます。
  • 古庄玄知君
     資料二の論告要旨ですけれども、これは何のために作った書類になるんですか。
  • 政府参考人(森本宏君)
     論告要旨の方でございますか、先生。補助資料の方でよろしゅうございますね。
     御指摘の資料につきましては、検察官が論告要旨を読み上げるに際しまして、裁判官にその内容を正確に理解していただくために作成したものであるというふうに承知しております。
  • 古庄玄知君
     これ、私が見ると、カラーで作られていて、論点はここです、これに対する検察官の主張はこうです、これに対する弁護人の主張はこうです、だけど証拠はこういうのがあります、だから弁護人の主張は間違いです、検察官の主張が正しいんです、大体そういう論調で作られている書類なんですけれども、そういう論調であるということは間違いないですか。
  • 政府参考人(森本宏君)
     お尋ねの補助資料は、論告の要旨をパワーポイントにまとめたものでございまして、先生御指摘のとおり、検察官の主張及び弁護人の主張に対する検察官の反論等が、公判において証拠として取り調べられた写真などとともに記載されていると、そういう性質のものでございます。
  • 古庄玄知君
     今の資料一と資料二、これは国会議員の誰のところに届けたんでしょうか。
     それともう一点。また、どうしてその国会議員に届けたのか、何らかの基準があるのか、その配付先について何かの基準があるのか、その辺についてお答えください。
  • 政府参考人(森本宏君)
     まず、配付先の国会議員の先生方のお名前につきましては、これは相手方のあることでございますので、お答えを差し控えさせていただくことを御理解いただきたいというふうに思っております。
     法務省刑事局といたしましては検察に関することを所管しておりまして、特に国会との関係におきましては、検察当局の活動内容について責任を持って御説明する立場にあるため、検察当局が公表した資料につきましては、その内容を正確にお知りいただくために、必要に応じ、通常でも御質問にお答えしたり資料を提供するなどの対応をしているところ、今般もその対応の一環として行ったということでございます。
  • 古庄玄知君
     先ほどの五月二十二日が論告、弁論の日ですから、それ以降は弁護側の弁論要旨も検察庁とすれば入手していましたね。
     そこに、資料には出していないんですが、弁論要旨、全部で二百七十二枚の分厚い弁論要旨があるんです。その両方の、論告要旨と弁論要旨両方手元にあるのに、弁論要旨は全く渡さずに論告要旨だけを届けた、これはどういう意図に基づいてそういうことをやったんですか。
  • 政府参考人(森本宏君)
     弁論要旨は、弁護人が作成して裁判所に提出される書面でありますところ、法務当局といたしましては、一般に、弁護人の主張の内容を対外的に正確に説明すべき立場にはございません。また、先ほど申しましたが、静岡地検においては、仮名処理した上で、この範囲内であれば公表するということを組織的に決めて、それで公表したものでございますので、弁護人の先生がどこまで例えばそれをどういうふうに明らかにされるかということは、法務当局として一義的に分かるものではございません。そういったことから……(発言する者あり)
  • 委員長(若松謙維君)
     御静粛に願います。
  • 政府参考人(森本宏君)
     弁論要旨を配付することはしなかったものでございます。
  • 古庄玄知君
     裁判というのは、局長もう十分御存じだと思うんですが、検察の言い分があって、弁護側の言い分があって、両方見た上で裁判官が判断すると、これが裁判の基本的な構造ですよね。そうすると、一方的な言い分だけ見て、はい、これが正しいんだよと言われたときに、それをもらった人は、ああ、そっちが正しいんだなというふうに思ってしまう可能性が高いので、その公平性とか公正性という観点からかなり問題があるんじゃないかなというふうに思いますが、この点について、公平性とか公正性の点から問題があるかどうかについて、まず大臣の見解をお伺いします。
  • 国務大臣(鈴木馨祐君)
     今般の対応につきましては、刑事局において検察に関することを所管をしているということから、あくまで検察の活動内容について正確に御理解をいただくために行ったということであります。当然のことながら、検察当局の主張内容が正しいということを示すために提供したというものではないと承知をしております。
     そして、刑事局長からも申し上げましたけれども、弁論要旨ということでは、これは弁護人の方が作成をし裁判所に提出をする書類でございますので、法務当局、これは一般に弁護人の主張内容を対外的に正確に説明するという立場にはございませんし、それが適当であるとも思われないということから、法務当局として弁論要旨を配付することはしなかったということであります。そして、そういったことで、検察当局の主張である論告要旨のみを配付をしてその主張内容が正しいことを示そうとしたものではなかったということでありますので、その公平性ということでという御質問でありますけれども、そういったことには当たらないと承知をしております。
     ただ、その一方で、今回の対応をめぐって様々な御意見や御批判いただいていることも承知をしております。こういったことも踏まえまして、これから検察の活動、これを正しく皆様方に御理解をいただくためにどのような方法を取ることが適切、適当であるのかということにつきまして、より慎重に今後検討をさせていきたいと思っております。
  • 古庄玄知君
     この袴田事件というのは個別の案件ですよね。しかも、まだ判決が出る前のそういう時点において、検察官の主張である、一方的な主張である論告要旨を持ってきて、弁論要旨を持ってこなかったと。
     こういう場合は、個別の案件だけど、私たちの主張はこうだからこれを読んでくれというふうにやってよろしいんですか。その、個別の案件だから答えないという基準と、個別の案件にもかかわらず、しかもまだ判決が出る前のかっかかっか火が燃え盛っている状況で、そういう論告要旨だけを持ってきてこれを読んでくれと。その場合は、個別の案件だから持っていけませんということは法務省は言わないんですか、検察庁は。
  • 政府参考人(森本宏君)
     通常、個別の案件に関して差し控えるとかお答えできないというふうに述べている場合につきましては、その個別事件における捜査の具体的な内容あるいは証拠の内容など、検察当局においても公表していない事項というものを聞かれた場合には、それについては差し控えるという対応を取っております。
     他方で、それは、関係者の名誉、プライバシーへの影響や、今後の捜査の、公判への支障が生じるおそれがあるということで、明らかになっていないものについては、お答えを差し控えるという対応を取らせていただいております。
     他方、刑事局、法務省刑事局は検察に関することを所管しており、先ほども若干申し上げましたが、国会との関係におきましては、検察当局の活動内容について責任を持って御説明する立場にあるため、検察当局が公表した内容、これについては必要に応じて御質問に応じたり資料を提供するなどの対応をしているということでございまして、そうした考え方から今回は配付させていただいたというものでございます。
  • 古庄玄知君
     局長、それは二枚舌と言われますよ。私はあえて言わないですけれども。

検察の度重なる不祥事と検察庁改革の可能性

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  • 古庄玄知君
     ちょっと済みません、ちょっと時間の関係で、通告事項の大きな五番、通告事項の大きな五番だけ最後に聞かせていただきます。
     伊藤栄樹元検事総長ですね、巨悪を眠らせるな、被害者とともに泣け、国民にうそをつくな、こういうふうな言葉を発せられておりますし、また、秋霜烈日という検察官のバッジ、これは、強い者であろうと立ち向かえと、弱い者はいじめるなという、こういう意味だと思うんですけれども、この頃、検察に様々、検察において様々な不祥事が発生しているというふうに思います。
     二〇〇九年に厚生省の村木さんが証拠を捏造されました、大阪地検特捜部。それで「検察の理念」というのができましたが、私読みましたけれども、そこに書いているのは至極当然なことで、こんなことを今更書く必要があるほどそんなに今までの組織というのは良くなかったのかなと逆にびっくりしたぐらいです。
     さらに、その村木さんの事件の後、この証拠の捏造、この袴田さん事件でも証拠の捏造というふうに判決で言われております。
     それから、東京高検の黒川検事長がコロナのときに賭けマージャンしたというのもありました。
     それから、河井元法務大臣の選挙違反。これで、河井大臣を捕まえて、河井大臣と奥さんを捕まえて、地方議員百人は全く、不処分にしたと。これが検察審査会で問題があるというふうになって、これも問題化しております。
     それから、大川原化工機事件。これも、身柄をずっと何か月も取って、最後の最後、起訴しないと、こういうこと。
     それから、挙げ句の果てが、北川健太郎大阪地検検事、酔って部下の検事に準強姦を働いたと。
     もうこの一連の流れを見ると、検察庁というのは物すごい劣化しているんじゃないかなと。我々の頃は、検察官がそんなことをするわけがないと、そういうふうなのが国民が意識していた、私も一時期、伊藤栄樹さんに憧れた時期ありましたけれども、検察官がそんなことをするわけがないと思っていました、かつては。だけど、この頃は、検察官ならそのくらいのことはすると、そういうふうな評価に今だんだんだんだん落ちていってしまっていると。
     そうなると、国民の信用が、検察庁に対する国民の信用が失墜していく、そうすると国民が捜査に協力しないと、協力してくれないから無理な捜査や証拠の捏造や自白の強要などをして何としてでも有罪を取ろうというふうに考えると、そういう悪循環。そうすると、やっぱり最終的に治安が悪化して、国民に大きな影響を与えてしまうんじゃないかなというふうに思って、検察官個人個人の悪口を言うつもりはないんですけれども、検察庁としての、この組織としてかなり今劣化しているんじゃないかなというふうに、この業界に長年身を置いてきた私からはそういうふうに見えるので、この点について、法務大臣の方で、この検察庁改革というか、こういうのをやる気概があるのか、あるいはその辺についてどうするつもりなのか、大臣に御意見お伺いします。
  • 国務大臣(鈴木馨祐君)
     今先生御指摘のように、検察の活動、これは国民の皆様方からの信頼、これが不可欠であります。そういった中で、検察の活動に対して、最近、今御指摘のこと等々、様々な御指摘、厳しい御指摘をいただいているということ、私としても承知をしているところであります。
     今お話をされました「検察の理念」、これは平成二十三年の九月に、個々の検察官に自らの使命、役割を再認識をさせ、日々の職務の指針とするための基本規程となるものとして検察当局自らが策定をしたものであります。
     こうした理念の策定に至った経緯はもちろんのこと、この内容を踏まえると、やっぱりいま一度、検察の活動一つ一つにおいて、「検察の理念」、この中身が具現化されていくことが極めて大事だと思っております。
     そうした中で、組織内での議論、検討、これ当然大事でありますし、この「検察の理念」を踏まえた職務の遂行、これは徹底をされる気風をきちんと検察官一人一人が自ら保ち続ける努力、これ極めて大事であろうと思いますし、もちろんこれは組織としても同様であろうと思います。
     そういった中で、私としても、こういった厳しい御指摘を踏まえまして、検察の活動、これについても、きちんとそうした気風が保たれるような形となるように私としてもしっかりと注力をしていきたいと思っております。
  • 古庄玄知君
     済みません、ありがとうございました。
     ちょっと時間前ですけど、これで終わらせたいと思います。