

イノセンス・プロジェクト・ジャパン(えん罪救済センター)は、刑事事件の「えん罪」の被害者を支援し救済すること、そして、えん罪事件の再検証を通じて公正・公平な司法を実現することを目指しています。
アメリカで1990年代に始まり、全世界に広がりつつある「イノセンス・プロジェクト」の活動を参考にして、司法実務家、法学者、心理学者、情報科学者、一般市民などの有志により2016年4月1日に設立されました。

イノセンス・プロジェクトとは
「イノセンス・プロジェクト」は、DNA鑑定などの科学鑑定や自白・供述の検証によって刑事事件における「えん罪」を晴らすための民間の活動で、1990年代にアメリカで始まりました。
ロースクールや弁護士事務所を拠点に、全米に60以上の団体があります。
アメリカではこれまでに、イノセンス・プロジェクトなどの取組みによって3000人以上の「えん罪」が晴れています。また、375人(死刑確定者21人含む)は、DNA型鑑定で無実が証明されました。
犯人でないのに犯人とされてしまう「えん罪」が起こる原因には、間違った目撃証言や、毛髪鑑定などの科学的証拠の誤り、取調べで嘘の自白をさせられることなどがあります。
イノセンス・プロジェクトの活動から明らかになったえん罪原因の究明を背景に、アメリカ連邦政府は2004年、死刑や拘禁刑が確定した人にDNA鑑定を受ける権利を認めたり、証拠を保存・保管する制度などを定めた「無実者保護法」を制定しました。
その後も、アメリカの各州で、捜査手法が改善されたり、死刑が廃止されたりする動きが進んでいます。最近では、えん罪を究明する部門を設けて、えん罪事件の調査に取り組む検察庁も増えています。
イノセンス・プロジェクトの活動は、アジア、ヨーロッパや中南米など世界中に広がっています。
そして、イノセンス・プロジェクトの日本版として立ち上がったのが、私たちの団体です。
イノセンス・プロジェクト・ジャパンは、被告人・(元)受刑者・ご家族・支援者・(元)弁護人などから支援の申し込みを受けて、DNA型鑑定などの科学鑑定により、「えん罪」であることを明らかにできるかどうかを検討します。この検討の中で、構成メンバーの科学者や法学者への相談、弁護士の間での議論を経て、支援基準に合致していれば、支援決定を行います。その後、協力する科学者のネットワークを利用して、協力科学者に依頼をしたり、専門家を紹介したり、鑑定に関するアドバイスをします。ケースによっては、構成メンバーの弁護士が再審請求等を行うこともあります。 なお、支援にあたって報酬は受け取りません。イノセンス・プロジェクト・ジャパンは、えん罪事件の当事者と弁護人を、無償で支援します。

お知らせ
-
ニュースレター
ニュースレターvol.4を配信しました!
🌸今号の目次は以下の通りです🌸 1. 一刻も早く袴田巌さんの再審無罪判決を!2. 3月3日シンポジウム&今西事件最新情報3. IPJ活動報告4. 学生ボランティアの活動5. IPJ法人化へ […] - 控訴審の状況
それでも冤罪はなくならない~連続無罪判決後「揺さぶられっこ症候群(SBS)問題は終わったか?」
2023年3月3日、今西事件を題材にシンポジウム「それでも冤罪はなくならない~連続無罪判決後「揺さぶられっこ症候群(SBS)問題は終わったか?」を共催いたしました。 シンポジウムを終えて、今西貴大さんよりお手紙を預かりま […] - 学生ボランティア
【学生ボランティア(龍谷大学)】大学広報誌で活動が取り上げられました
龍谷大学では毎年9月と3月に、大学広報誌「龍谷」を発行しています。その最新号2023 No.95で、IPJ学生ボランティアが取材を受けました。龍谷IPJの成り立ちから今後の活動目標まで、4ページに渡る記事になっています。 […] - 学生ボランティア
【学生ボランティア(甲南大学)】裁判傍聴レポート
IPJの学生ボランティアは、春休みも傍聴に行ったり勉強会をしたり、学びを深めています。今回は甲南大学から、裁判傍聴のレポートです! 甲南大学・学生ボランティアです! 私たちは2月に大阪地方裁判所へ行き、裁判傍聴を行いまし […] - お知らせ
一刻も早く袴田巌さんの再審無罪判決を!
2023年3月13日に東京高裁は袴田巌さんの事件について再審開始を維持する決定を言い渡しました。3月20日が特別抗告の期限でしたが、東京高等検察庁は特別抗告を断念し、静岡地裁の再審開始決定(2014年3月27日)が確定し […]