2026年6月13日(土)、大阪・梅田ヨドバシカメラ前、および大阪弁護士会館にて、えん罪救済と再審法改正を訴える2つの大きなイベントが開催されました。
午前中の街頭アクション、そして午後のシンポジウムにお越しくださった皆さま、足を止めて耳を傾けてくださった皆さまに、心より御礼申し上げます。当日の熱い現地の様子をレポートいたします。
1.ノーモア!えん罪 変えよう!再審法 6.13 ウメダアクション
午前は、大阪梅田駅近くのヨドバシカメラ前にて、再審法改正に関心のある方々が全国から集結し、街頭での宣伝活動を行いました。急な時間変更があったにもかかわらず、多くの方が足を止めてくださいました。
今回は、日本のえん罪救済活動を牽引してきた「レジェンド」とも言える当事者やご家族が集結。これから参議院で審議が始まる「再審法(裁判をやり直すための法律)改正」に向け、「二度とえん罪の悲劇を生まないために、そして今も苦しむ当事者を救済できる法律にしてほしい」と力強く訴えました。
■力強いラップと当事者たちの訴え
大阪でえん罪被害に遭い300日間勾留された経験を持つSUN-DYUさんのパワフルなラップでイベントが幕を開け、一気に会場の熱気が高まりました。
続いて、袴田事件の当事者家族である袴田ひで子さん、福井事件の当事者の前川彰司さん、日野町事件の当事者家族である阪原弘次さんらがマイクを握り、それぞれの言葉で再審法改正の必要性を切実に訴えました。なお、イベント前半の司会はIPJ理事の川崎拓也が務めました。

■甲南大学IPJ学生ボランティアの活躍
街頭アクションには、甲南大学のIPJ学生ボランティア18名も参加しました。
メンバーはIPJのバナー(横断幕)を掲げて周囲へアピールしたほか、マイクを握ってインタビューに応じ、えん罪救済への熱い意気込みを語りました。登壇したメンバーの中には、今年入学したばかりの1年生の姿も。これからの活動に向けたフレッシュで力強い決意表明に、周囲からは温かい拍手が送られました。

多くの市民の皆さまが足を止め、熱心に耳を傾けてくださったことが大変励みになりました。公正な再審制度を実現するために、これからも皆さまと共に声を上げ続けてまいります。

2. 午後:シンポジウム「えん罪救済のための再審法をめざして」
[主催:シリウスの反証 × イノセンス・プロジェクト・ジャパン × 大阪弁護士会]
午後は大阪弁護士会館に場所を移し、会場が満席のなか、シンポジウム「えん罪救済のための再審法をめざして」が開催されました。
えん罪は過去の問題ではなく、今なお誰にでも起こり得る現実です。本企画では、IPJをモデルに制作され、2026年1月にWOWOWで放送されたドラマ『シリウスの反証』を手がかりに、えん罪の現実と再審制度の課題を可視化し、法改正の現状とさらなる改正の必要性を市民の皆さまとともに考えました。
【第1部】再審法改正の現在地と当事者の声
冒頭、元法制審議会委員の鴨志田祐美弁護士(IPJメンバー)から、前日に衆議院で可決された法案の重大な問題点が指摘されました。①証拠開示をめぐる規定が不十分であること、②開示された証拠の目的外使用禁止規定があり事後的な検証が阻害されること、③再審開始決定への検察官の抗告がいまなお例外的に認められてしまっていること、などが挙げられます。
この危機的な状況を受け、午前中に引き続き参加された袴田さん、前川さん、阪原さんからも「真にえん罪被害者を救うための法改正を」と切実な訴えがありました。これに応える形で、本企画に参加した泉房穂・参議院議員より、参議院での法案修正に向けた具体的な論点を挙げながら、力強い意気込みが語られました。
【第2部】ドラマ『シリウスの反証』とえん罪救済
ドラマの一部上映に続き、甲南大学IPJ学生ボランティア3回生の立岩ちさと、小林駿斗が、同作の監督を務めた松本優作さんへインタビューを行いました。松本監督からドラマやえん罪、再審法改正に込めた思いが和やかな雰囲気の中で引き出され、会場全体が深く引き込まれました。

その後、IPJ事務局長である笹倉香奈教授(甲南大学)より、アメリカから世界へ広がるイノセンス運動の歴史や、日本におけるIPJのこれまでの歩みと個別事件救済の困難さ、そして「人質司法」といった制度改革の課題についての講演が行われました。
【第3部】トークセッション:なぜ救えないのか、どうすれば救えるのか
最後は、大阪弁護士会再審法改正実現本部を率いる秋田真志弁護士(IPJメンバー)をコーディネーターに迎え、松本監督、原作者の作家・大門剛明先生、鴨志田弁護士、笹倉によるパネルディスカッションが行われました。
- 原作やドラマの取材過程、撮影秘話
- 現在のえん罪救済における困難さ
- ドラマでも描かれた「科学的証拠」や「取調べ・自白」の問題点
- 証拠開示のあり方と、今後の再審法改正に向けた展望
など、多角的な視点から熱い議論が交わされ、今後のより良い再審法改正への共通の意気込みを会場にいる全員で共有しました。

「無実の人間が罰せられるなんて、絶対にあってはいけません。冤罪がゼロの世界。それが私の目指す未来です!」 (『シリウスの反証』第1話より)
今回のイベントには、IPJメンバーや多数の学生ボランティアも参加し、一丸となって声を届けた一日となりました。
えん罪のない公正な司法制度を実現するためには、市民の皆さま一人ひとりの関心と声が最大の原動力になります。今後とも、再審法改正の動向へのご関心、そしてイノセンス・プロジェクト・ジャパンの活動へのご支援を、どうぞよろしくお願いいたします。
[IPJ事務局長・笹倉香奈]


