【ニュースレター】vol.30を配信しました!

11月7日は今西事件シンポジウムへ!

 控訴審のポイントに加えて、今西貴大さんと学生ボランティアの交流など、充実した内容になっています。学生と一緒にえん罪問題について考えてみませんか。ぜひお誘い合わせの上、会場にお越しください!

 今西事件シンポジウム 

――今西貴大さんが経験してきたこと、私たちが取り組んできたこと――

■日時 2024年11月7日木曜日 18時~20時(開場17時45分)
■場所 AP大阪駅前内 APホールII
〒530-0001 大阪府大阪市北区梅田1-12-1 東京建物梅田ビルB1F
*JR大阪駅から徒歩2分
*アクセスはこちらから

■要お申込み、参加無料
お申込み、お問合せはこちらから

■プログラム
1.はじめの挨拶
2.IPJ/IPJ学生ボランティアの活動内容について
3.今西事件の概要
4.対談
 川﨑拓也氏(弁護団主任弁護人、IPJ理事)
 今西貴大氏
 コーディネート 赤澤竜也氏(ジャーナリスト)
5.IPJ学生ボランティアと今西事件
6. 支援者からの挨拶
 菅家英昭氏(今西貴大さんを支援する会代表)など
7.弁護団から支援のお願いと御礼
 川﨑拓也氏、秋田真志氏、西川満喜氏、湯浅彩香氏、川﨑英明氏
8.ご挨拶:今西貴大氏
9.おわりの挨拶

■シンポジウムの趣旨
 本シンポジウムは、今西貴大さんが経験してきたことや今西さんご自身のお人柄について、より多くの皆さんに伝えるため、イノセンス・プロジェクト・ジャパン(IPJ)の学生ボランティアが企画しました。IPJ学生ボランティアは、えん罪事件について勉強しており、えん罪の問題を広く知っていただくためにイベントを企画するなどの活動をしています。今西事件について、本シンポジウムの他、中高生や一般市民に事件について知ってもらうためのワークショップを開催するなどしました。
 また、今西さんとの面会を、勾留されていた時から保釈された現在も数多く行っています。これを機に私たちIPJ学生ボランティアの取り組みについても知っていただければ幸いです。

■今西事件とは?
 今西事件とは、今西貴大さんが2歳の長女に対して自宅で何らかの暴行を加え、死なせたなどとして起訴され、第一審が懲役12年を言い渡した事件です。今西さんは一貫して無実を主張しており、大阪高裁で控訴審が行われています。
 今西さんは約5年半もの間大阪拘置所に身体拘束されていましたが、5月に控訴審が結審した後、7月26日に保釈が決定しました。11月28日には、大阪高裁で判決の予定です。

 IPJは2022年4月から今西事件を支援しています。今西事件についての詳細はこちらから

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主催:イノセンス・プロジェクト・ジャパン(IPJ)学生ボランティア
共催:一般財団法人イノセンス・プロジェクト・ジャパン(IPJ)、SBS検証プロジェクト、 今西貴大さんを支援する会、 日本国民救援会、KONANプレミア :多分野の力を集結して “えん罪救済”に取り組むプロジェクト

 

IPJ活動報告

 (1)支援事件が増えました!

新規申込件数:6件(9月)

審査中件数 :29件

現在支援件数:5件

 10月の審査会議で、新たに1件支援開始決定をしました。被害者とされる方の死因が、他殺によるものか、あるいは自然死なのかが主な争点の事案です。

 法医学者の先生からご意見を頂き、審査会議で議論を重ねた上で、支援開始決定に至りました。科学者の知見がなければ、えん罪が見過ごされていたかもしれません。

 今後は、イノセンス・プロジェクト・ジャパンのメンバーが中心となって弁護団を結成し、再審請求、そして再審無罪に向けて弁護活動を本格的にスタートさせます。現在支援中の事件と同様、雪冤を果たすべく邁進して参ります。引き続きのご支援、よろしくお願いいたします。


(2)「世界えん罪の日」チャレンジ

  10月2日の「世界えん罪の日」を記念して、IPJサポーターを10日で10人増やすことを目指してチャレンジを行いました。10人という目標には届きませんでしたが、応援コメントもいただき大いに励まされました。新たにサポーターになってくださった方、本当にありがとうございます!また、SNSなどで拡散してくださった方々、ありがとうございました!

 えん罪救済のための活動は、皆様からの寄付によって支えられています。支援事件が増えたことで、専門家に事件への協力を依頼する機会も増えることが予想されます。充実したえん罪救済活動のために、どうぞ皆様の力をお貸しください。IPJへのご支援方法には、いつでも寄付できる 一時寄付と、クレジットで継続的に寄付ができる マンスリーサポートがございます。

 

人質司法データベースを公開!

 「ひとごとじゃないよ!人質司法プロジェクト」のホームページで、国会質問、関連する新聞社の社説記事等を閲覧できるデータベースを作成・公開しました。データベースは、「国会質問」、「人質司法等の刑事司法問題に関する社説」、「刑事施設等における死亡例」、「その他」に分かれています。

 このうち国会質問は、第213回通常国会の議事録から人質司法等の刑事司法問題に関連する質問と回答をピックアップし、データベース化したものです。会期直前には大川原化工機事件での検察と警察庁の捜査を違法として東京地裁が賠償命令を出し、また会期中にも、様々な検察不祥事等の報道がされたりしたこともあり、同国会では人質司法等に関連する質問が活発になされました。

 本データベースはそれらを、「否認事件における長期の身体拘束」、「取調べの録音・録画」、「取調べへの弁護人の立会・接見」、「勾留施設における処遇等」、「再審手続等」、「大川原化工機事件」、「その他」に分類しています。リンクからは質問のテキストと国会議事録に簡単にアクセスすることができます。データベース公開に際して、第213回通常国会でどのような質疑がなされたのかを振り返る記事も作成しました。人質司法の実態や、保釈の原則が歪められていることなど、各質問の内容を見る際のポイントが分かりやすくまとまっています。ぜひご一読ください!

 人質司法についてもっと知りたい方、そしてメディアや研究に携わる方々にも広くご活用いただけるよう、今後さらにデータベースを充実させる予定です。どうぞご期待ください。

人質司法の事例を集めた「人質司法サバイバー・ストーリー」
保釈が認められるまで248日が経過した山岸忍さんのストーリーや、無実を訴えたまま命を失った相嶋静夫さんのストーリーなど、7人の方の実体験を紹介しています。2023年11月に開催した「人質司法サバイバー国会」の動画と合わせてご覧ください。

新コラム、連載開始!

  IPJは、海外のイノセンス活動だけでなく、様々な国や地域の刑事司法制度を紹介しています。2023年には、IPJメンバーの平岡義博によるコラム「韓国の科学捜査がすごい!」を5回に渡って連載しました。また、2024年の連続セミナー第2回「法科学と鑑定制度」では、平岡が韓国・台湾・日本の法科学の最前線をお伝えしました。

 今月から連載を開始した新コラムでは、韓国の捜査体制について、2024年夏の調査旅行をもとに平岡がご報告します。第1回は「ソウル特別市警察庁捜査局」です。写真も盛りだくさんのコラム、本文はここから

学生ボランティア活動報告

 刑事施設参観や勉強会など、充実した夏休みを過ごした学生ボランティアからの活動報告です!

(1)京都女子大学

【京都拘置所参観】京都女子大学IPJ学生ボランティアは8月27日に京都拘置所を参観しました。

 刑務官の方から施設構成や支援についての話を伺った後、拘置所内の見学をさせていただきました。京都拘置所では住職の方による講話など京都ならではの取り組みもされています。

 拘置所は適切な収容生活を確保し、受刑者に対して改善更生と社会復帰を図るための処遇を行う非常に重要な役割を担っています。実際に訪れることでその様子を知ると共に様々な気づきを得ることができました。>全文はここから

 【和歌山刑務所参観】9月10日には、和歌山刑務所を参観しました。

 刑務官の方からのお話のあと、受刑者が社会復帰のための訓練を受けている白百合美容室、受刑者の作業製品を展示・販売しており、一般の方でも普段から見ることができる展示室(刑務所の隣に併設)を見学しました。

 展示室では、汚れがよく落ちると評判の”ブルースティック”という洗濯石けんを購入している学生もいました。

 また、受刑者が炊事や裁縫などの作業を行なっている様子、浴場や個室・集団部屋など生活している部屋を見学させていただきました。

 参観を通して、受刑者が社会復帰するための支援の一つである白百合美容室のような訓練施設があったり、作業製品の展示室があったりしたのを見て、受刑者が刑期を終えて社会復帰する際に、社会に受け入れてもらえるよう、社会とのつながりを大切にしているのだと感じました。

授業だけでは得られない学びができ、とても有意義な経験となりました。(京都女子大学 4回生 井上花音)>全文はここから


(2)立命館大学

【池田先生勉強会】立命館大学IPJ学生ボランティアでは、7月30日に、IPJ 所属で湖東病院事件の担当弁護士である池田良太先生から刑事弁護の実情について、また湖東病院事件についてご講演いただきました。池田先生のお話の後には学生からの多くの質問にも答えていただき、刑事弁護活動の大変さ、池田先生の弁護活動に対する熱い想いからたくさんのことを学ばせていただきました。

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[参考] IPJ「支援の実績」湖東記念病院事件

 【映画「記憶2」上映会開催】8月3日に、京都大学大学院教育学研究科の岡邊健先生の研究室と共催で、中村すえこ監督が少年院にいる少年や、少年院を出た後の少年を追ったドキュメンタリー映画「記憶2」の上映会を行いました。上映後には中村監督、中村監督のご友人で、少年院を出た少年たちの支援活動を行っている野田詠氏さんによるトークセッションが行われ、少年非行の実情や、少年院を出てからの問題についてご講演いただきました。>全文はここから

 【交野女子学院参観】8 月 23 日に交野女子学院への参観を行いました。今回の施設参観では、法務教官の方から少年院における基本的なことや交野女子学院の矯正教育などについての説明を受けた後に、実際の施設の見学に加えて様々な質問に答えていただきました。

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 (3)中央大学・獨協大学

【袴田事件と再審法改正の市民集会に参加しました】9月19日、日比谷公園大音楽堂にて行われた市民集会「今こそ変えよう!再審法~カウントダウン袴田判決」に、都内の大学生有志と共に参加しました。この集会は、袴田さんへの無罪判決と再審法改正を求めて、日本弁護士連合会(第一部主催、第二部共催)と再審法改正をめざす市民の会(第二部主催)により開催されたものです。会場には、2500名もの人々が集まりました。わたしたちは、会場設営や受けつけなどをお手伝いし、また、えん罪や再審法改正に関心を持つ若者として、リレースピーチに登壇させていただきました。>全文はここから

 [参考] 動画「今こそ変えよう!再審法@日比谷公園大音楽堂」