【学生ボランティア(龍谷大学)】学園祭で人質司法アンケートを実施しました(1)

 11月に実施された学術文化祭(深草キャンパス)にて、龍谷大学IPJ学生ボランティアは展示を行いました。三日間で200人ほどが訪れ、今西事件や人質司法に関する資料、チャリティTシャツなどを見てくださいました。また、人質司法に関するアンケートを行ったところ、多くの来場者に回答していただきました。学生ボランティアがどのような思いでアンケートを作成したのか、またアンケートの結果がどのようなものだったのか、連載でお届けします!

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「『黙秘権』はえん罪発生の防止に不可欠な憲法上保障されている権利だ」。これは私が法学部1回生だった時の先輩の言葉です。

 憲法第38条第1項では自己に不利益な供述を強要されないことが明記されており、それを反映させて刑事訴訟法第311条第1項では自己の意思に反して供述することを拒むことができること、第198条第2項ではそれを被疑者、被告人告げることを定めてあります。私も後に、そう学びました。

 実をいうと私は、IPJに入るまで黙秘権という権利を勘違いしておりました。この黙秘権が憲法上の権利であることも、えん罪という不条理を生み出さないためのものということも知らず、悪い奴を捕まえて私たちを守ってくれる警察の邪魔になる単なる足枷だと思っていました。それゆえ、人質司法がなぜ問題であるかを認識していませんでした。長期勾留も「仕方がないじゃん」程度に思っていたのでしょう。

 このアンケートは、人質司法の問題やそれに関連する黙秘権等に関して属性ごとの認知に差があるかをまとめ、そのデータをえん罪で今苦しんでいる人達を一人でも多く救い、一人でも多く犠牲者を生み出さないことに生かしたいという意図で作成したものです。

 このアンケートが刑事司法のえん罪の理不尽さや法律に取りこぼされる不条理を1つでも多く解決するための小さな一歩になるようにと心から思います。

「人質司法に関する知識調査」作成 学生代表