【今西事件】2023年10月26日第3回公判期日

2023年10月26日、第3回公判期日が開催されました。

傷害致死被告事件に関し、検察側・弁護側双方から放射線科の医師が証人として出廷しました。

放射線科というのは、CT画像の読影等を専門とする医師です。

一審判決は、傷害致死被告事件について、検察側証人である脳神経外科医の意見を重視して有罪判決を下しました。その証人は、CT画像から大脳の深部に多発性挫傷性血腫(※挫傷性血腫とは、外力が加わったことによって細胞が傷つき出血した血のこと)が読み取れることや、脳幹(脳の中心にある部位。中枢神経系を構成する器官)の周囲に、くも膜下出血が存在しているとして脳幹の損傷が認められると証言していました。そして、これらを外力の根拠だと証言していました。

控訴審では、大脳深部の多発性挫傷性血腫と脳幹損傷があるのかという点が主な争点となっていました。

もっとも、控訴審においては、弁護側証人だけでなく検察側証人ですら、CT画像からは大脳深部の多発性挫傷性血腫は読み取れないと証言しました。

さらに、検察側医師は脳幹周囲に限局したくも膜下出血は脳幹損傷の間接的な所見に過ぎないといいます。

脳幹周囲のくも膜下出血については、そもそもが交通事故のように、脳幹損傷が見られる重度意識障害を伴うような重症頭部外傷の際には、脳幹周囲にくも膜下出血が見られることが多いことから、逆に意識障害を伴う症例で、脳幹周囲にくも膜下出血があった場合には、脳幹損傷があることを推定しようとする議論です。しかし、この議論は「逆は必ずしも真ならず」という論理則の初歩が明らかにするとおり、論理的に誤っています。仮に重度意識障害を伴う頭部外傷事例で、脳幹損傷と同時に脳幹損傷のくも膜下出血が認められる症例が存在したとしても、逆に脳幹損傷のくも膜下出血があった場合に、脳幹損傷があったとは言えません。

一審判決が誤っていたことは既に明らかとなっているといえます。

期日後の報告会には今回もたくさんの支援者が来てくださりました。

なお、関西テレビが第3回公判期日について、記事にしてくださっています。

一審で重視された“脳深部の血腫” の存在は? 放射線科医2人が「画像で指摘難しい」で意見が一致 虐待死か突然死かが争われる「今西事件」2審 | 特集 | 関西テレビニュース | ニュース | 関西テレビ放送 カンテレ (ktv.jp)

次回期日は11月30日10時30分から大阪地方・高等裁判所201号法廷で実施されます。

傷害致死被告事件に関して、検察側・弁護側双方から、病理を専門とする医師が証人として出廷します。

次回の争点は、A子ちゃんの脳の細胞から、外力の痕跡があるといえるのかという点です。

控訴審で予定されている証拠調べとしては、最後の証拠調べです。