刑事手続の在り方協議会での今後の議論の方向性
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- 清水貴之君
日本維新の会の清水です。よろしくお願いします。
まず初めに、再審制度について伺います。
この委員会でも多くの議員が尋ねているところですし、私も先月質問をさせていただきました。今の政府の答弁としては、日本の三審制という今の法体系というのは、裁判の仕組みというのは、しっかり維持をしなければいけないしという、それが基本にあるということ、そういった答弁だというふうに思いますけれども、ただ、その中に、少なからず冤罪というのが含まれておりまして、しかも冤罪というのは、その方の人生、大きく、もう相当大きく影響を与えてしまうということですから、それを防止するために何か手だてが打てないかというのが皆の思いだというふうに思っています。
そんな中ですが、三月十一日、与野党の国会議員たちによる議員連盟が発足しました。冤罪被害者のための再審法改正を早期に実現する議員連盟ということで、設立当初は衆参で百三十四人がメンバーとなりました。私も当然入らせてもらいましたけれども、役員構成見ますと、会長が柴山元文科大臣で、最高顧問に麻生自民党の副総裁、顧問には、もう各党、公明党さん、立憲民主党さん、で、うちの維新、共産党さん、国民民主党さん、福島先生も名前入っていらっしゃいますし、各党の党首、代表が名前を連ねているという非常に大きな議連となっています。
その議連で、二〇一四年三月に袴田さんの再審開始と拘置の停止を決定した静岡地裁の裁判長でした村山弁護士、このように述べられています。今の日本の刑事訴訟法では冤罪被害者はなかなか救われない、運用で解決するのは限界で、法改正が必要、冤罪は国家による人権侵害、人権問題を解決するために国会議員の皆様は力を合わせ良い改正案を練ってほしい、今改正するという決意で臨んでいただきたいと、このように述べられています。
これは議連ですから、国会議員の個別の活動ですので、法務大臣がお答えいただくのはちょっと難しいのかもしれませんけれども、ただ、これだけ国会の中でも非常にこの機運というのが高まっております。こういった動きに対してはどのように感じられますでしょうか。 - 国務大臣(小泉龍司君)
御指摘の議員連盟の発足、これはよく承知をしております。よく知った方々も入っておられるなというふうに関心を持って見ているところでございますけれども、内容についてのコメント、これは法務大臣としては差し控えたいというふうに思います。
そして、再審制度の在り方は、繰り返しになりますけど、確定判決による法的安定性の要請、個々の事件における是正の必要性の調和点、これをどこに求めるかという非常に重たい問題だというふうに思います。様々な観点から慎重に検討を重ねるべきだと思います。
しかし、現実に今、刑事手続の在り方協議会においてこの問題は取り上げられ、議論の対象になっているわけです。議論が進行しています。ですから、これを着実に又は迅速に、スムースに運用されていくよう議論が進むように法務省としても努力をしていきたいと思っております。 - 清水貴之君
その在り方検討会、協議会ですけれども、先日も質問させていただきまして、どのように議論をして、どう結論を得ていくのかというのが大事だというふうに思っています。
刑事局長、そのときには、議論をいただいている以上は、その議論の末にどのような結論になるかということについてはいずれ、この構成員の方々の意見次第ですが、そういったことになるのではないかと、どこかで結論が出るのではないかという答弁をいただいてはいるんですが、ただ、この答弁じゃ、本当にいつになるか、いつかということですから、いつになるか分かりませんよね。
ですから、まあ議論ですから、なかなかここまでとかゴールがあるというような話ではないのかもしれませんけれども、でも、ある程度やっぱりゴール地点を決めていかないと、いつまでも、だらだらという言い方は良くないかもしれませんけれども、議論だけしていたら、議論のための議論みたいになってしまっていたら、これはその協議会の意味がないといいますか、協議会としてしっかり機能していないというふうにも思われてしまいますので、これについてしっかりとやっぱりどこかで結論を得るというのは、しかも、それをちゃんと目的、目標を定めて遠くない将来結論を得るということは必要ではないかというふうに考えているんですけれども、いかがでしょうか。 - 政府参考人(松下裕子君)
お答えいたします。
改正刑訴法に関する刑事手続の在り方協議会の協議の進め方ですとか、その協議の結果をいつ、どのように取りまとめられるのかといったことにつきましては、大変繰り返しで恐縮でございますけれども、構成員の御意見も踏まえつつ決められるものでございますし、取調べの録音・録画制度など、ほかにも、改正刑訴法で取り入れられた制度についての現状ですとか変えるべきところがあるかとか、そういった協議もございまして、その協議の状況にもよることから、現時点でいつ、どのような形で取りまとめるということをお答えすることは困難なことは変わらないんですけれども、もちろん、永遠に議論をしていくということではもちろんございませんし、しっかりと中身のある議論をして、いずれその議論の結果を踏まえて取りまとめを行うということについては、それを目指してやっていくつもりでございますので、そういったところで御理解をいただければと考えております。 - 清水貴之君
そして、大臣、先ほど議連の活動について質問をさせていただきましたが、袴田さんの再審決定という話がありまして、非常に世の中的にもこの議論をもっとしていくべきだと、改正していくべきだという動きが盛り上がっているように感じます。
これは、全国の冤罪被害者、支援者の皆さんでつくっています再審法改正をめざす市民の会、署名を一生懸命されていらっしゃいまして、十万人を達成しようということで今活動されていますし、その再審法をめぐっては、国に改正を求める意見書の可決、これ地方議会で増えています。一月三十日現在ですけれども、二百九議会ということですから、地方議会の一割以上の議会でこういった可決もされております。
こういった動きをどう感じるかということで、大臣、お答えとしては同じようなお答えになるのかもしれませんけれども、ただ、こうやって我々も、議員側も、こうやって様々な場でいろんな議員が声を上げていくということもこれは機運醸成のためにも必要かなと思っておりますので、重ね重ねの質問で恐縮なんですけれども、こういった世間の動きに対してどう思われるかというのもお聞かせいただけたらと思います。 - 国務大臣(小泉龍司君)
当然のことでありますけど、立法府の中でどういう議論が行われているのかということは、様々な影響、大きな影響を及ぼしていくんだというふうに思います。並行してこの協議会も開かれておりますし、協議会の委員もそういった事実、議連ができたと、そういったことに関心を持つでしょうし、立法府のやはり役割というのはそういう点において大きなものがあるというのが私の所感でございます。 - 清水貴之君
また折を見て質問させていただけたらと思います。