取調べへの弁護人の立会いについての早急な議論の必要
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- 鈴木宗男君
小泉大臣、今日のこの午前の委員会でも、森まさこ元法務大臣から取調べの可視化についての非常に真に迫るお話ありました。現職大臣が辞表を持って、辞職決意で時の総理に向き合うといったら大変なことですよ。私は、この点、森まさこ大臣の考え、姿勢あるいはこの言動を評価するものなんですね。
それで、大臣、大臣も可視化に向けて前向きな話はしてくれておりますが、やっぱりここは、在り方会議があって、その前に刷新会議があったわけですね。その刷新会議のやっぱりこの流れ、そして在り方会議に来た。これ、もっと大臣から督励すべきじゃないですか。何年時間掛けています。ちょっと時間、私は掛かり過ぎだと思いますよ。しかも、この間、いろいろ不祥事あるわけでありますから。この点、大臣、どういう考えでおられます。 - 国務大臣(小泉龍司君)
今日、森元大臣からもお話があり、また森山元大臣の話もたしか福島委員がされておられ、また鈴木委員からもそういうお話がありました。
まず、刷新会議の様々な議論、そしてその取りまとめ、それを私ももう一回深く研究したい、検討したいと思います。そして、今開かれているこの協議会、在り方協議会、これについてももう少し深い視野を持って問題意識というものを深めていかなければならないなという思いで今日の議論をさせていただいたところであります。 - 鈴木宗男君
とにかく、大臣、やっぱり、小泉大臣の私はやる気を買っています。同時に誠実さもよく知っておりますから、しっかりここは取り組んでいただきたい。というよりも、指導してほしいんです、大臣から。大臣はその立場にあるわけですから、これには強くお願いしておきます。
検察官による不適切な取調べと法務大臣による指揮監督
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- 鈴木宗男君
そこで、大臣、これまでこの委員会で検察官の取調べに関していろいろやってまいりまして、九日の委員会で、弁解録取についてですよ、被疑者が被疑事実が自分の認識と違うということを言っているのに、それをそのまま弁解録取書に取らないで、あたかも被疑事実を自白しているような弁解録取書を作成して署名させたということを明るみになりました。そこで、最高検監察指導部に調査要請されたケースがあったかと刑事局長にただしましたところ、四月十一日の委員会では、御指摘のような申入れがされた事実があるという確認はできましたと答弁されました。
また、在宅の被疑者に対する特捜部の検察官の取調べについて、録音、録画されていない、被疑者が言ってもいないことを調書に取ったり、一部を切り取って事実を歪曲して調書に取ったということで弁護人から抗議を受け、弁護人が最高検に抗議したのに対し、特捜部側がその被疑者の会社の社長を呼び付け、書面を撤回しろとかわび状を出せというような要求をして、実際にわび状を出させたことが裁判での最終陳述でこれ明らかになっております。このことも尋ねたところ、十八日の委員会では刑事局長が、特定の事件の公判において被告人のそういう意見陳述があったことを認められました。
そこで、小泉大臣、こういったことが実際あったんですね。大臣も聞いておられるとおり、刑事局長は認められました。この点、大臣、大臣からきちっと指導すべきじゃないでしょうか。あるいは、大臣自身が確認すべきじゃないでしょうか。大臣は答弁の中では指揮権の発動について言及されておりますけれども、これは指揮権じゃないですね、行政指導の範疇です。指揮権なんていう仰々しいものじゃありません。
ここは、大臣、事実としてあった、あるいは明らかになっているんです、これは。もし検察が違うんであれば訴えればいいんですから、そういう情報を流している人を、あるいはそういうことを言った人を。大臣はどう考えます。 - 国務大臣(小泉龍司君)
これやはり、また元の議論に戻るようで恐縮でありますけれども、個別の事案をベースにした議論をさせて、議論が続いてきているわけでございます。
ですから、しかし、その前回の委員会でも申し上げたように、「検察の理念」に反するか、こういう御質問がありまして、あくまで一般論です、あくまで一般論ですが、「検察の理念」に反しますというふうに答えさせていただきました。ということは、それは、一般論ですよ、一般論として申し上げました。
私の今の考え方は、一般的な指揮権として検察庁を指揮する権限はいただいています。個別の指揮権については制約があります。それには非常に慎重な対応が求められます。しかし、一般的指揮権は業務の在り方全般について私が指揮することは可能でありますので、その一般的な指揮権、堅苦しい言葉で恐縮でございますが、検察に対して、捜査の在り方、また様々なその行動、「検察の理念」に基づいてしっかりやってもらいたいと、こういうことは機会を得て伝えなければいけないと、このように思っております。 - 鈴木宗男君
大臣、前の答弁よりはずっと今前向きな、あるいは責任ある答弁だと思って評価はします。
そこで、大臣、私は前回の委員会でも、ある女性検事が、名前も全部把握していますけれども、説教じみた言いぶりしていますね。中学生でも悪いことをすれば反省する、あなたには反省がない、小学校で宿題をやらなかったんでしょう、これ、一流企業の社長さんに向かって、いや、役員に向かって言っているんですよ。
これ、大臣、今の大臣の答弁と併せて、「検察の理念」に合っていると思いますか。 - 国務大臣(小泉龍司君)
これ、あくまで一般論です、あくまで一般論で申し上げれば、そういう言葉遣い、その言葉は「検察の理念」には反すると思います。 - 鈴木宗男君
反するならば、大臣、やっぱり適切な指導というのは必要ですね。どうです。 - 国務大臣(小泉龍司君)
それは、その前の答弁で申し上げたように、一般的な指揮権の中で検察の在り方として「検察の理念」というものがあるわけですから、これに照らしてしっかりやってもらいたいと、そのことは機会を得て検察にはしっかり伝えたいと思っております。 - 鈴木宗男君
大臣、「検察の理念」はいつできましたか。そして、今私がただしている話はいつの話ですか。大臣、それを踏まえたならば、今みたいな答弁で済むと思いますか。 - 国務大臣(小泉龍司君)
十三年前ですか、十数年前ですよね。
そして、個別の話について私は今入れませんのでお答え申し上げませんけれども、継続的に「検察の理念」については言及をし、私も着任してからそういう話を機会があるごとにしています。継続的に我々が見定めなければ、思い起こさなければならない重要な理念でありますので、これにのっとって検察をしっかりと指導したいと思っています。 - 鈴木宗男君
大臣の言う検察に対する指導ですね、私はしっかり目に見えた形でやっていただきたいと思います。それが私は、逆に国民から信頼される検察になると思っております。
大臣、これもつい先日、プレサンスコーポレーションという会社の山岸さんという社長さんが、やはり違法な取調べを受けて、何と逮捕されて、二百四十七日も勾留されているんです。しかし、一審で無罪ですよ。
これ、今大きなやっぱり社会的な注目を集めていますから、このプレサンスコーポレーション、私は昨日、質問取りに来た法務省の人にも細かく言ってありますから大臣も聞いていると思いますけれども、この事件について、大臣、どう思います。もう結果出ているんですから。 - 国務大臣(小泉龍司君)
これは、現在、国家賠償請求訴訟が係属中でありまして、その中で捜査、公訴提起の国家賠償法上の違法性等についても審理の対象になっております、現在ですね。したがって、法務大臣としては、この案件についてのお答えは差し控えたいと思います。 - 鈴木宗男君
大臣、私は国賠の話をしているんじゃないんです。この事件がありました、逮捕しました、結果として一審で無罪なんです。検察が正しければ控訴していいんじゃないんですか。でも私は、国賠の話を、大臣、しているんじゃないんです。
じゃ、そのときの録音、録画が明らかになっているんですよ。取調べ官の、この田渕という取調べ検事ですね、ふざけた話をいつまでも通せると思っている、検察なめんなよと言っていますよ。これも明らかになっていますから、裁判の段階で。小学生だって分かっている、幼稚園児だって分かっている、あなたはそんなことも分かっていないでしょう、うそまみれじゃないですか、本当に鈍い人ですねと長時間にわたって罵倒されたんですよ。大臣、そこまで検事は言ったんです。結果、無理して捕まえたこの山岸さんは、無罪になっているんですよ。
大臣、もう既に明らかになっているんですよ、これ録音、録画で。私はそれについて、じゃ、この取調べ、大臣、これは正しいやり方ですか。「検察の理念」に合っていますか。十三年前に「検察の理念」があると大臣さっき言いました。この事件、つい最近の事件です。
じゃ、大臣、先ほど来大臣が言っている指揮権、個別案件には物は言わないというけれども、話合わないんじゃないんですか。事実としてあって、無罪になっているんですよ。謝るべきじゃないですか、それは、本来この検察の担当者らは。また、大臣は謝らせるべきじゃないですか、まずは。間違っていたんですから。一回の反省もなければ、開き直った態度ですよ。それでいて、大臣、じゃ、どう思います。 - 国務大臣(小泉龍司君)
この件は、間違いなく今係属中であります、係属中の個別案件です。その前の……(発言する者あり)はい。その前の裁判の状況が国賠訴訟の審理の対象になっているわけです。審理の対象がその前の裁判の取下げですか、になっているわけですね。 - 鈴木宗男君
私は質問しているんですから、質問にストレートに答えてくださいよ、すり替えの議論じゃなくて。国賠じゃないんですから。 - 国務大臣(小泉龍司君)
この国賠訴訟において、その前の訴訟の状況がまさに審理の対象になっているわけですから、まさに今審理されているわけなんですよね、それは。 - 鈴木宗男君
大臣、そういうすり替えの議論はいけないし、大臣、大臣もたまたま法務大臣になっただけなんですよ。たまたまの巡り合わせで、あなたが狙って法務大臣になったんじゃない。そんなに法律詳しいわけじゃないんですよ、そうでしょう。官僚のレクチャーを受けている答弁なんですから。
ここは、大臣、人間としての受け答えしてくださいよ。二百四十七日も勾留されて、会社も大変な被害を受けて、自分のことはもちろん、家族から、親族がどんな目に遭ったかということを。正直にやっていればこういうことは起きないんですから。それを、これも、これ皆さん、担当検事は、逮捕はすべきでない、慎重にやろうと担当検事は言っているんです。それを主任検事が、いいからやれと言ってやった事件なんですよ。そして、有罪にも持っていけていればいいといったって、一審無罪ですよ。考えられますか、一審無罪というのを、大臣。素人から見たって、何でと、こんな感じですよ。
正直に答えてください、こういうやり方がいいかどうかということを。同時に、被害を受けた人がいるということを、それは人生狂っちゃったんですから。ここは大臣、正直に、そんな役人の作ったペーパーを読むんじゃなくて、人間として答えてください。 - 国務大臣(小泉龍司君)
これ、何というんですかね、その仕組みとして申し上げているわけです。
司法権が稼働しているときに、そこに深い関わりを持つ法務大臣という行政権がその個々の案件に入っていけないわけです。指揮権も全く同じ考え方で構成され、指揮権の制限も同じ考え方でございます。
検察というのは司法の中の一翼を担うと、こういう位置付けがされているために、司法の一翼である検察の個別案件には行政権の代表である法務大臣は入れない、入るなら制約がありますよ。最高検検事しか駄目ですよ、個別の介入はできません。それは法律で決められている仕組みとして申し上げているわけです。(発言する者あり)いや、そこを、仕組みが国家の根本でありますから、そこが崩れると全部崩れてしまう。私は個人で言っているわけでは全くないです。 - 鈴木宗男君
大臣、私が言っているのは、担当検事が、担当検事として調べて、これは無理したら危ないと思って意見具申しているんですよ。しかし、主任検事は、いいからやれと言ってやらせた。結果として、これ一審無罪なんですよ。じゃ、この事実は大臣どう思います、この事実は。局長出る幕じゃない、大臣に聞いている。 - 国務大臣(小泉龍司君)
その事実について感想を述べること自体がもう……(発言する者あり)いやいや、所感を述べること自体が個別指揮権にもう触れていくわけでございます。そこを是非御理解をいただかなければいけないと思います。 - 鈴木宗男君
じゃ、立場、行政の長として、一般的な行政官を指揮監督する立場に大臣はあるんですよ。私の言うことは無理ありますか。間違いなく我々政治家は、ミスしたら選挙で落選するんですよ。官僚は政策失敗しても首にならないんですよ。
しかし、事逮捕となると、人の一生に関わっているんです。大臣、なった人の立場を少し考えてくださいよ。今の大臣の答弁は検察側に立った答弁ですよ。フラットじゃないでしょう。公平じゃない。このなった人の身になってみてください、その家族だとか社員の皆さん方のことを。そんなこと、私からすればよくぞ言えるものだと思いますよ。あってはならぬことが起きたと言うのが大臣の立場じゃないですか。指揮監督じゃないですよ、それは。 - 国務大臣(小泉龍司君)
私は、行政権の法務大臣という責任、ポジションにいるわけです。先生は立法府として自由に御議論ができるわけでありますが、私は行政権を預かる立場として、個別の案件、法務省の中にある検察庁が個別に関わっているこのまさに訴訟について、行政権のトップとして、実質、司法なんですけど、そこに関わってはいけないという検察庁法の趣旨が厳然としてございます。それは誰が法務大臣になっても同じことなので、それは崩せないんです、そこは。 - 鈴木宗男君
大臣、私は結果の出たことについて聞いているんです。
そこで、例えば、検察をなめんなよだとか罵倒したり子供扱いする取調べは、じゃ、大臣はよしとするんですか。それ一点答えてください。 - 国務大臣(小泉龍司君)
個別案件についてお答えすることはできませんが、「検察の理念」に書かれてあることと違うやり方は、これは間違っている、正しくないといつも判断しております。 - 鈴木宗男君
大臣、さっきも言いましたけれども、検察をなめんなよ、いいですか、うそまみれじゃないか、小学生だって分かっている、幼稚園児だって分かっている、あなたはそんなことも分からないのかとか、本当に鈍い人ですか、鈍い人ですねという、こういう言い方は「検察の理念」に合った取調べですか。 - 国務大臣(小泉龍司君)
個別の案件に触れる言い方はできないわけであります。
私は、「検察の理念」に書いてあるそういう検察であってもらいたい、このことをいつも願い、また督励をしているところでございます。 - 鈴木宗男君
じゃ、大臣、どういう督励したか教えてください、この場だけの、その場しのぎじゃなくて。私はこれからも、この委員会が続く限りやってまいりますから。大臣よりも少なくともいろんな経験した者として、私自身もいろいろ経験してきていますから、その上で物を言っているんですから。
大臣が「検察の理念」を表に出すならば、何のために、じゃ、大臣、「検察の理念」はできたんですか。それを明らかにしてください。 - 国務大臣(小泉龍司君)
やはり、当時具体的な事案があったわけでございますけれども、検察のおごり、権力に対する、何ですかね、過信、そして権力と反対側にいる方々たちの思いを酌み取れない、そういう体質、様々な指摘があり、それぞれの担当者から様々な意見を個別に吸い上げて、トップダウンではなくてボトムアップで作り上げたものだというふうに私は理解をしております。大変貴重なものだと思います。これを忘れてはいけない。
これを私は督励する大きな責任を負っていると思いますので、また委員のこれまでの御経験も非常に敬意を表するところでございますので、その委員からのまたお話もありましたから、強く督励をしていきたいと思っております。 - 鈴木宗男君
あと一分しかありませんからこれでやめますけれども、大臣、言葉だけでなくて実施してください。何のために今、冤罪だとか、あるいは人質司法だとか言われているのか。情報の可視化を一方で言いながらも、検察は、じゃ、何で取調べの可視化にしっかり向き合わないのか。
先ほど来言っているとおり、仕組みがあるわけですから、それを早く議論してまとめるのが大臣の役割ですから、小泉大臣のときに私はそれなりのけじめを付けていただきたい、このことをお願いして、また次の委員会でも続けてやってまいります。