再審開始決定に対する検察官による抗告の制限
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- 鈴木宗男君
予定よりももう八分過ぎていますけれども、これ、委員の中からも時間でないかという指摘が先ほど来出ていますけれども、私は前回も前々回も二分、三分早めに終わっています、それは十分ぐらい遅れているものですからですね。しかし、今日は十五分しっかりフルタイムでやらせていただきたいと思います。
質問が出るかなと思っていたら出なかったものですから大臣に聞きますけれども、昨日、袴田さんの最終公判があって、終わりました。九月二十六日に判決が出されます。
これ、大臣、再審の判決が静岡地裁で出てからもう十年たっているんですね。私は、これ時間が掛かり過ぎる。一つの原因に、検察のやっぱり抗告があるんですね。さらには特別抗告もある。検察が自信があれば即、公判で堂々と議論すればいいと思うんですよ。特に、袴田さん本人が八十八歳ですよ。あの必死に支えているお姉さんは九十一歳ですよ。これは、人生限られていますね。私は、検察官に、検察官である前に一人の人間であってほしいと思いますよ。自信があるならば、堂々と公判でやればいいんですから。
この点について、いたずらに権力を使って時間を掛けるやり方、私はよしとしないんですけれども、大臣はいかがお考えでしょう。 - 国務大臣(小泉龍司君)
検察官による抗告という制度は、私もその立法の大本のところ、つまびらかではありませんが、考えてみるに、最終的に判決が確定した後、もう一度裁判のやり直しができるというときに、その再審のための要件を満たさずともできると、再審ができるということになれば、多くの方々が三審制の下で出てきた結論に対して、いや、もう一回やってもらいたいと多くの方が裁判を求めてこられるということを恐らく想定して、その中で一定の条件を満たしたものについては再審でしっかりとやりましょうと、その入口でやはり整理をせざるを得なかったんだと思うんですね。そういう経緯だと私は思っております。
したがって、それを取り払うということは、時間の短縮は非常に重要なことであります。何とかしなければいけないと思いますが、そのときに、検察官の抗告制度をやめるというのは、やはり相当ではないと思います。 - 鈴木宗男君
大臣、特別抗告あるいは抗告制度をやめるべきでないと言うけれども、今まさに、日弁連含めて様々な団体等から、この抗告があるから裁判に時間掛かっている、こういう指摘があるんですよ。ですから、今の大臣の答弁は答弁として承りますけれども、必ず二年か三年後には結論出ますから、このとき、結論出たとき、あのときの小泉大臣の発言がどうだったかというのは、当然私は検証されるものだと、こう思っています。
特に、大臣、去年三月に検察は特別抗告断念したんですよ。断念した段階から一年掛かっていますね。私は、高裁も再審認めたわけですから、あっ、最高裁が。ならば、早く審理やればいいだけのことなんですよ。それに四か月も掛けていますよ、この検察はですね。いわゆる有罪立証するかどうか検討すると、それに三か月掛かるなんという時間稼ぎしていますよ。何も、裁判の中でやっていけばいいんじゃないんですか。一か月もあればそんなの準備できるでしょう、何十年もやってきている裁判なんですから。
私は、本当にこれは、嫌がらせというか、人道的な、人間的な見地から見ても全くおかしいと思います。三者協議ですよ、弁護士、検察、裁判所の協議でいたずらにそうやって引っ張ってきたというのが実態でありますから。本来ならば、検察に対して大臣が、もっと人間的な私は判断があっていいんでないかなと、こう思っております。
是非とも大臣、そういったことは私はきちっと指導をいただきたいと、こう思いますけれども、大臣のお考えをお尋ねします。 - 国務大臣(小泉龍司君)
御趣旨はよく承っておきたいと思います。
検察官による不適切な取調べと法務大臣による指揮監督
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- 鈴木宗男君
そこで、大臣、大臣は、私はこの委員会で再三「検察の理念」についてただしております。じゃ、大臣は、答弁は、督励している、こう申されております。
二月の二十一日、検察長官会議がありまして、大臣も出ておられます。そこで検事総長は訓示していますね。これは、訓示は一般的指揮に該当すると思いますが、大臣の挨拶も同じだと思いますけれども、その認識でよろしいですか。 - 国務大臣(小泉龍司君)
そのとおりでございます。一般的指揮権の範囲内だと思います。 - 鈴木宗男君
一般的指揮権の範囲内と言われました。
大臣は、督励していると、再三この委員会で、大臣就任してから、私はこの検察の取調べについていろいろ指摘しておりますけれども、督励していると大臣は言ってきていますけれども、具体的に、どこでどんな督励しているのか教えてください。さらに、何回督励したのか。 - 国務大臣(小泉龍司君)
まず、検察庁の長官が集まる検察会同において、私から訓示をいたしました。それに基づいて、また刑事局長から私の考えをベースに話もさせていただいております。
私からは、その捜査の適切性という言葉は使っておりませんけれども、各庁の長である皆様におかれても、国民から託されている役割の重要性を十分に共有していただき、様々な課題に真っ正面から取り組んでいただきたいと思いますと、こういう表現でありますが、その趣旨を込めてお話を申し上げました。 - 鈴木宗男君
大臣、私も大臣のこれ訓示の紙、見ているんですけれども、督励にはなっていないと思いますよ。具体的な不祥事があったわけですよ。小泉大臣になってからでも明らかになっているんです、取調べの不当なやり方等が。これは刑事局長も認めているわけですから、そういう発言があったということは。
じゃ、本来、大臣、一般的指揮権として、なぜこういうことが起きるんだというのがストレートに聞いていい話ではないでしょうか。あるいは、問題があったとするならば調査するのが大臣の役割じゃないでしょうか。調査も一回もされていない。あるいは、大臣が刑事局長なり検事総長に、どうなっているんだという問いかけはしたんでしょうか、お答えください。 - 国務大臣(小泉龍司君)
中ではいろいろなやり取りをしておりますが、言い得ることは二つあって、一つは、個別の案件について、検察庁に私から個別具体的なことについて申し上げるということはできないわけでありますが、しかし、これでは督励の仕方が弱いという御指摘も受け止めなければいけないというふうに思っております。
したがって、二番目に、なし得ることは何かということをよく考えてみましたところ、一般的指揮権の中で、私がこの「検察の理念」を含めた適正な捜査の在り方という問題を含めた様々な課題について、八長官が集まる場ではなくて、私が出向いて、高検に出向いて、私が行って、そこで意思疎通をし、訓示をすると、そこで意思疎通をし、確認をし、訓示をする。これは、一般的指揮権の中で十分になし得ることであるというふうに考えております。それを是非実行したいと思っています。 - 鈴木宗男君
大臣、よく大臣は個別案件と言うんですよ、個別案件。今、裁判、審理中のものであれば、個別案件でしたら触れちゃいけません。
しかし、確定しました。確定したことで、一審で無罪になりました。例えば、この大阪の不動産会社のプレサンスコーポレーションの山岸さんの例なんかは一番明快だと思うんですよ。逮捕して、二百四十七日も勾留して、そして無罪ですよ、一審で。同時に、明らかになったのは、担当検事が、逮捕しない方がいいと言って、これは慎重にあるべきだと言っても、主任検事が、いや、やれと言ってゴーサイン出しているわけですよ。いいですか。そして、その取調べの中でも非常に威圧的に、検察なめるなだとか、うそつくなだとか、恫喝まがいのことを言っているんですよ。
じゃ、大臣、大臣の立場として、こういうことが公になっている、これもう全国、テレビから新聞から出ているわけですから、こういう話が表に出ているけれども実態はどうなんだと聞くのが大臣の立場じゃないですか。どうです。 - 国務大臣(小泉龍司君)
そこなんですが、やはり、政治家がですね、大臣という政治家が個別の……(発言する者あり)いやいや、でも、個別の案件に関わるという、関わるということになると、それは国民の、このケースに限らず、国民の疑念を招く……(発言する者あり) - 委員長(佐々木さやか君)
委員長の指名を受けてから御発言をお願いいたします。 - 鈴木宗男君
じゃ、委員長、質問に的確に答えよと、時間内で、こう言ってくださいよ。私は何も事件のことを聞いているんじゃないんだから、中身を。 - 国務大臣(小泉龍司君)
法務大臣が個別の案件に関わる姿は、国民から見ると非常に多くの疑念を招きます。いろいろなケースがあると思います、いろいろなケース。それは検察庁法で厳然として止められているわけであります。 - 鈴木宗男君
私は、結論出たことに、事件について聞いている、今事件が進行している話じゃないんです。裁判やっている話はしていない。もう結論出て、検察はギブアップしちゃったんですから。そのことについて聞いているんですから、それを答えてください、大臣。 - 委員長(佐々木さやか君)
答弁は、質疑者の趣旨を体し、簡潔かつ明瞭に行うようお願いいたします。 - 国務大臣(小泉龍司君)
その点も含めて、それは個別の案件なわけでございます。(発言する者あり) - 委員長(佐々木さやか君)
もう一度申し上げます。
答弁は、質疑者の趣旨を体し、簡潔かつ明瞭に行うようお願いいたします。 - 国務大臣(小泉龍司君)
その終わっている案件においても、それは個別の案件なんです、それは、終わっていようが、係属中であれ。それに大臣が触れるということは、やはり多くの国民の、政治家が個別の案件に触れるということは多くの国民の疑念をもたらすわけであります。いや、委員の言っていることも分かりますよ。分かりますけれども、一般国民から見れば、事はどうであれ、個別案件に政治家が、大臣が触れるということはおかしいという不信をやっぱり招くわけ、そこで一線を引いているわけであります。 - 鈴木宗男君
これ、委員の先生方も聞いていて、大臣の言っている話が真っ当と思いますか。終わっている事件ですよ。終わっている事件で、検察は負けたんですよ。大臣、負けた話は潔く受け止めるべきじゃないですか。そして、二度とこういうことがあってはならぬというのが大臣の立場じゃないんですか。
大臣、その点をしっかり受け止めてくださいよ。検察が勝ったならば言ってもいい。無理してやった結果、負けたんですよ。それは認めますね、負けたということは。一審無罪なんですから。 - 国務大臣(小泉龍司君)
はい、それはもちろん事実でございますので。
私がなし得ることは、こうして委員から御指摘を受けたこともありますが、様々な御指摘がマスコミにもあります、この件に限らず、検察の適正な捜査について様々な御意見がある。そういったことを前提に、各検察庁に私が出向いて、しっかりと適正な検察の在り方に沿ってやってもらいたい、この「検察の理念」も含めてやってもらいたい、そういうことをしっかりと言い置いてくる、訓示をしてくると、それを申し上げているわけです。 - 鈴木宗男君
大臣、話のつじつま合わないですよ。大臣、もっと真摯に、真摯というのは、正直に対応した方がいいですよ。大臣も未来永劫法務大臣じゃないんですよ。立場変わるんですから。
ここらは是非とも、これからも私は、これこの委員会では質問続けていきますから、しっかり私も対峙していきますので、大臣、人間としての対応をいただきたい、このことを強く言っておきます。