袴田事件に関する総長談話
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- 鈴木宗男君
そこで、私は、袴田事件に関心を持ってやってきました。ここにいる国会議員の中でも、袴田さんを救済する超党派の議員連盟立ち上げたのは私であります。初めは余り乗ってこなかったです。名前出して申し訳ないけれども、塩谷立さんという人は静岡でした。彼が静岡だから、一生懸命取り組んでくれと、当時自民党政権ですから、頼んだけれども、全然駄目でしたね。牧野聖修さんがやってくれました。牧野さんが落選してから、今度は塩谷さんが、袴田事件の流れが変わった、静岡地裁の判決によって、そうしたら、俺にやらせてくれと来ましたね。大体その程度のレベルの政治家であったということを、私はここはしっかり皆さん方にも頭に入れてもらいたい。人の人生に対していかな心構えで取り組んでいたかということを。
私は、当時、刑事被告人でした。それでも私は選挙に出て、当選して、超党派のこの議連をつくってやってきました。だから、お姉さんのひで子さんとも今でも親密に私は付き合っているし、私が収監されて公民権停止で国会に出れぬときは、娘、鈴木貴子代議士がしっかり事務局長をやって、これをつないできたものであります。
そこで、大臣、袴田判決が出ました。最終的に判決というのは無罪であります。このとき、検事総長が談話を発表しております。千四百字の談話で袴田さんに申し訳ないと触れているのはたった百字です。全く反省ないと思うんです。
このことについて、大臣、どう思います。 - 国務大臣(鈴木馨祐君)
検事総長談話、これ令和六年の十月八日ということでありますけれども、この談話の発表であったり、あるいはその内容等のこの判決への対応に関する事柄について、これ、個別事件における検察当局の活動ということでございますので、法務大臣として所見ということはなかなか難しいということは是非御理解をいただきたいと思っております。
その上で、今回の談話ということであれば、やはり不控訴という判断を行った理由、あるいは過程を説明するための、そのための発表ということであります。そのために必要な範囲で判決の内容の一部に言及をしたものであると承知をしております。
そして、同様にこの中で、袴田さんにということであれば、無罪判決を検察当局として受け入れ、これを確定させる以上、今後、袴田さんが本件の犯人であるなどと申し上げることはないということを対外的に述べたということであるというふうに私としては承知をしているところであります。 - 鈴木宗男君
法務大臣、確認します。
あなた、法務大臣ですね。検察庁は一行政組織です。法務大臣の指揮下にある、これは明確ですね。答えてください。 - 国務大臣(鈴木馨祐君)
個別のそれぞれの事件ということについて、そこについては、やはり法務大臣としてということであれば、やはりそれは関与ということはなかなかできない状況と考えております。 - 鈴木宗男君
これ、委員の皆さん、今の答弁聞いて分かるとおり、法務大臣の役割を果たしていないんですよ。自分の指揮下にある、これは前の小泉大臣も齋藤健法務大臣も言っているんです。しかも、検察は一行政組織であるということ。特別な組織じゃないんですよ、法務大臣の指揮下にあるんですよ。
この談話を大臣が大臣に就任してから読んでですよ、この談話、大臣になる前だけれども、当然、大臣は目にしていると思うけれども、これは真っ当ですか。検事総長が判決に不満を述べている、判決内容に。ならば、闘うべきじゃないですか。闘わないで、自分たちも新たな証拠も何も出せなくて、闘わないで何で判決に不満述べれるんです。
事実認識が間違っていませんか。大臣、どう思います。 - 国務大臣(鈴木馨祐君)
私も、就任後、この談話というところで読ませていただきました。
その中で、先ほどからの繰り返しになって申し訳ありませんけれども、個別の事件、まあその中の行政の一角ではないかという話もございましたけれども、そうはいっても、この検察の活動、準司法的なこともありますし、個別の事件に影響が出るということも含めて、ここについては私、法務大臣としてはそこはコメントは差し控えさせていただきたいと思っております。申し訳ありません。 - 鈴木宗男君
大臣、今裁判やっている話じゃないんですよ。最終結論が出たんですよ。いいですね、これは理解しますね。
ならば、率直に、申し訳なかったとかおわび申し上げるというのが人の道として私は当然でないかということを聞いているんですよ。それを何で、大臣、あなたが遠慮したようにですよ、法務省の法務大臣として答弁は差し控えたいというような話をしている。それで、あんた、法務大臣もつかということを私は言っているんですよ。
ここにも弁護士資格の皆様方がたくさんいますけど、今の答弁聞いていて真っ当だと思いますか。人の人生を五十八年も縛っておいて、しかも、今や、袴田巖さん、拘禁状態でですね、はっきり言って正常な感覚じゃないですよ。お姉さんが必死に支えていますよ。そんなことを、結果としてそういう不幸なことにしてしまったのは検察なんですよ。
判決出たわけですから、同時に、抗告しないわけですから、争わなかったわけですから、ならば、もっと真摯におわびをするとかというのが当然でないかということを、大臣、言っているんですよ。もう一回、しっかり答えてください。 - 国務大臣(鈴木馨祐君)
今のことにつきまして、検察当局の対応ということで、まず、ひで子さんも同席されている場において謝罪を申し上げたということを承知しております。そして同時に、この談話ということもそうですけれども、今回の事件において袴田さんを犯人と申し上げるつもりはなく、犯人視することもないという旨も申し上げたところと承知をしております。
法務大臣としてということでありますが、私としても検察と同様のそこは気持ちでございまして、結果として、長期間、袴田さんの法的な地位が不安定な状況が続いたことについて大変申し訳なく思っております。
個別の刑事事件、この当事者の方、今後のまた対応について、公判、捜査を遂行してきた検察当局による活動、これは私としても見守っていきたいと思っております。 - 鈴木宗男君
大臣、そういう役人の書いたようなペーパー、読むべきでない。人として私は聞いているんですよ。私は言っているんです、どの政治家にも。娘にも言っています。政治家である前に人であれということを。私は人間力においては誰にも負けないつもりでいるんです。だから、私は生き残ってきているんですよ。
大臣の今の答弁聞いていると、全く誠意がない。上級庁と相談をして抗告してきて、裁判、時間が掛かっているんですよ。この袴田事件に最高検が関わっていることは間違いないんです。ずっとこの何十年も。
静岡の検事正がおわびに来ました。しかも、映像から見る限り、全く人間味のない事務的な頭の下げ方ですよ。大臣、あれを見て真っ当だと思いますか。もう少し、大臣、将来この国の政治家として頑張っていきたいと思うならば、政治家である前に一人の人間として考えてくださいよ。そうやって答弁してください。今日は時間がないけれども、また次の機会、あさってありますから、同じことを聞きます。しっかり心構えをしてもらいたいと思います。