令和7年5月15日 参議院法務委員会 鈴木宗男議員による質問

「冤罪」という言葉

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  • 鈴木宗男君
     法務大臣、これまで、今日入れると恐らく十四時間近くになるんですか、トータル、参考人入れるともうちょっとになりますか、やってきて、それぞれの懸念が言われました。その懸念の多くは、法案は作っても、この運用する側、捜査、検察側がやっぱり公平でなければいけない、あるいは慎重でなければいけないという意見が私は多かったと認識をしております。いわゆるこの権限の行使の濫用について、多くの人が心配されていた。これは当然のことだと思います。
     そこで、大臣、俗に言うこの刑事デジタル法案ですね、これについても、これを運用する捜査、検察組織の適正が大事だと思うんです。その上で、「検察の理念」が私はしっかり問われなければいけないと思っています。権限の行使に際し、いかなる誘引や圧力にも左右されないよう、どのようなときにも、厳正公平、不偏不党を旨とすべきである、こう「検察の理念」に書かれておりますけれども、検察としてはこの理念に沿って、この理念ができた後ですよ、しっかり運用されているかどうか、あるいは行使されているかどうか、大臣の見解、認識を求めます。
  • 国務大臣(鈴木馨祐君)
     まず、前段のお話として、御指摘いただきましたように、この運用をどうしていくのか、これ極めて大事でありますので、そこはここでもるる御答弁申し上げさせていただいておりますけれども、そこの適正な運用ということのために、私どもといたしましても、訓令、通達の発出あるいは関係機関に対する周知、様々な形でそれは準備をしていきたいと思っております。
     その上で、今御指摘をいただきました「検察の理念」の中にあること、これは、私としては、検察の現場において、しっかりとそうした趣旨を踏まえ、そして、当然のことながら、検察の活動、これは国民の信頼がなければ当然成り立たない話でありますから、そうした中できちんとそうした形での適正な運用が行われているものと私は確信をしております。
  • 鈴木宗男君
     大臣、さらに、自己の名誉や評価を目的として行動することを潔しとせず、時としてこれが傷つくことを恐れない胆力、この言葉も「検察の理念」に書かれておりますが。
     今大臣答弁されましたけれども、じゃ、この理念ができてから、大臣、冤罪事件が何件起きています。これをしっかり踏まえなければ、私はこのデジタル法案も進まないと思うんです。運用について懸念があると思うんです。この理念は、大臣、いつできたと思います。それを踏まえて何件の今冤罪が起きたかということ。
  • 国務大臣(鈴木馨祐君)
     冤罪というその言葉の定義、それは私どもとして持っているところではありませんので、そこのところは御理解いただきたいと思いますが、少なくともこの「検察の理念」できたときには、大阪での様々なことがあり、そしてその上で作られた、そう承知をしております。
     個々のそうした事件についてということは私は差し控えさせていただきたいと思いますけれども、しかし、やはり先ほど来申し上げておりますように、そうした国民からの信頼、そういったことを失墜させるような、そういったことはあってはならないということで、そうした趣旨については、私も様々な機会にそうしたことを検察の現場に伝えるような形で申し述べているところであります。
  • 鈴木宗男君
     今、大臣、冤罪という言葉は持ち得ないと言ったんですか、何と言ったんです。定義として、ないと言うんですか、冤罪という言葉は。(発言する者あり)
     今大臣は、定義として持ち得ない。じゃ、なぜ広く一般に冤罪と言われているんですか、教えてください。
  • 国務大臣(鈴木馨祐君)
     我々の、要は政府の立場として、そして法律の立場としてということであります。
  • 鈴木宗男君
     言葉の遊びをしているんじゃない。冤罪という言葉、委員の皆さん方も広く伝わってくるんじゃないんですか。知らしめられているんじゃないんですか、これ、報道等でも。
     委員長、しっかり私は正しい日本語を使っていると思いますよ。冤罪という言葉は広く一般に使われているんじゃないんですか。それを、我々の立場としては頭にないみたいな、人をばかにしたような話はないでしょう、大臣。
  • 委員長(若松謙維君)
     答弁お願いします。
  • 国務大臣(鈴木馨祐君)
     冤罪というその言葉の定義ということで、我々として見解を持っているところでは、それはありません。ただ、その上で、当然のことながら、犯人でない人を処罰する、そういったことがあってはならないということと私どもとしては考えているところであります。
  • 鈴木宗男君
     ちょっと速記止めてください。速記というか、時間止めてくださいよ。
     委員長にお尋ねしますが、あと委員の先生方、与野党の筆頭理事の人にもお尋ねしますけれども、冤罪という言葉、世の中にないですか。私は通常の日本語として冤罪という言葉あると思いますよ。どうです。
     いやいや、ちょっと委員長、委員の先生方に確かめて、いや、そんなことないというのならば、私はまた別の質問をしますけど。冤罪というのは広く一般に使われている言葉ですよ。それをこの委員会の場で否定するということ、皆さん、どう思います。
     いやいや、ちょっと与野党の理事の皆さん、どう思います、それ。全くこれ別世界の話ですよ、今の話は。いやいや、私の認識が間違っているなら、間違っていると委員長言ってくださいよ。委員長だって冤罪という言葉聞いているでしょう。今、広く一般に報道でもされているじゃありませんか。それを、いやいや、私は委員長に今聞いているんですよ。森本さんに聞いているんじゃない。
  • 委員長(若松謙維君)
     鈴木委員におかれましては、政府に対して質問を継続をお願いいたします。
  • 鈴木宗男君
     いや、ですから、委員長、今の大臣の答弁に対して委員長に、冤罪という言葉は委員長は全く頭にないのかあるのかだけ聞いているんですよ。それだけ答えてください、じゃ。
  • 委員長(若松謙維君)
     委員長としてこの場でそれについて説明することは適切でないと思いますので、理事会で引き続き協議したいと思います。
  • 鈴木宗男君
     じゃ、委員長、委員長も、じゃ、冤罪という言葉は頭にないということですね。あるいは、教わったこともないということでいいんですね。それだけ言ってもらえばいいんです。
  • 委員長(若松謙維君)
     いや、同じ言葉でございます。
  • 鈴木宗男君
     これ、理事会にかかる話じゃないですよ。これはもう、理事会というのが慣例の組織なんですから、理事会にかかる話じゃなく、私は、委員長に、今の答弁の中で、冤罪という言葉がこれだけ世に広まっている、あるいは昔から使われている言葉ですよ。そのために、何十年というこの歴史の中で裁判されているわけですよ。それを、全く頭にないという認識が法務大臣の口から出るというのは驚きなんですけれども、改めて委員長、委員長の認識、見解で、委員長が自分はこう思っているというので結構です。
  • 委員長(若松謙維君)
     ただいまの件につきましては、委員長としてお答えする立場にないと判断しておりますので、答弁は差し控えさせていただきます。
     質疑を続けてください。
  • 鈴木宗男君
     委員長、これ、もう国会法に基づいて、委員長は委員から質問されたら答える義務があるんですよ。委員長、答える立場にないというのは、ちょっとそれまた問題なんです。委員長もそれなりの議員経験あるわけですから分かっていて言っているとは思いますけれども、委員長は委員長で質問されたら答える義務あるんです、これは。分かりますね、委員長、私が言っていること。私が委員長と何もぶつかることないわけですからこのぐらいでやめておくけれども、委員長も、ちょっとそれ、法務省なり政府側の立場に配慮する必要はないということを言っておきます。
     こんなことで無駄な時間起きていますけれども、大臣、いま一度お尋ねしますが、大臣の頭には、冤罪という言葉は頭にないし、これまでも知らないし、冤罪というものが何であるかも分からないという認識でいいですね。
  • 国務大臣(鈴木馨祐君)
     冤罪という言葉、社会一般で使われている言葉、利用している言葉、そういったことについては、当然私は知っています。
     ただ、その上で、法務大臣としてこの場に立っております。法案の審議をし、法律を施行する、そうした立場であります。そうした立場において、法務省として、冤罪という言葉について、法令上そうした定義、そういったものを持っているものではございませんし、そういった意味で、特定の見解を有しているというところではありません。
     ただ、そうした中で、私から言えることとして言うと、これは犯人ではない人を処罰するようなことが当然それはあってはならない、そうした趣旨で、検察においてもきちんとした適正な活動が行われるように、私としても督励をしているところでございます。
  • 鈴木宗男君
     大臣、事件、捜査当局がいろいろ調べて、事件が起きました、検察が起訴しますね。結果、裁判やりました、最高裁まで行って結論が出ました、無罪と言われます。これは、広く冤罪ということで国民は認識したり受け止めしたり解釈したりしているんではないんでしょうか。法令用語を私は聞いているんじゃないんです。一般の標準語、日本語としてですよ、裁判やりました、それで最終判決で無罪になりました。これは冤罪であった。これが一般国民の認識でもあるし、広く国民に常識的に知れ渡っていることだと思いますけれども、この点を明快に答えてください。
  • 国務大臣(鈴木馨祐君)
     先ほど来申し上げておりますけれども、私は、個人としてではなくて、それは法務大臣としてこの場で答弁をする、そうした立場におります。
     そうした中で、私どもとしていえば、それは私どもとして法令、これをきちんと執行していく、そういった立場からいった場合に、法令上の用語であるかどうか、その点においては、法令上の用語としては我々としてそこに特定の定義、そういったものを有しているわけではありませんということしか私からは申し上げないことは理解をいただきたいと思います。
  • 鈴木宗男君
     これ、委員の皆さん、法令上の言葉はない、国会のこのやり取りで通用しますか。ここは、大臣、法廷の場じゃないんですよ、国権の最高機関の国会の場なんですよ。国民の代表として皆さん参加して、今やり取りしているんですよ。法廷の場で法廷用語で言うというんなら分かるけれども、国権の最高機関、国民から選ばれた人たちの集まりの中で、そのやり取り、議論の中で、今の大臣の答弁、常識に合っていますか。これだけ冤罪という言葉が広く知られているときに、冤罪という言葉が、否定するということ自体、大臣、大丈夫ですかね。
     人として、その気持ちで答弁しているとするならば、先ほど来の各委員の先生方に対する答弁も全くその場しのぎの答弁になってしまいますよ。大臣、袴田事件は、じゃ、冤罪じゃないんですか、結果として。明快に答えてください。
  • 国務大臣(鈴木馨祐君)
     先ほど来、ちょっとこれ御理解いただきたいところでありますけれども、まさにその冤罪というそういった定義、我々法令を執行する立場の法務省として、これが冤罪だと、これが冤罪ではないと、そういった定義を持っているものではありません。
     ただ、当然のことながら、先ほど来申し上げておりますように、我々からして申し上げることとして言うと、やはりそれは、どうしてもその犯人ではない、そういった人を処罰するようなことがあってはこれ当然ならない、そこが大前提だと考えております。
     その上で、この無罪判決、これが言い渡された、これは法と証拠に基づいてそうした判断を司法の場でされた、そういったことに尽きるんだろうと思っております。
  • 鈴木宗男君
     今、大臣、いみじくも法と証拠に基づいて法廷で無罪が言い渡された、それを一般的には冤罪と言われているんですよ。何で大臣、それ否定するんです。皆さん、どうですか。法廷で手続に基づいて、法と証拠に基づいて最終判決が出たんです。今、大臣の今の答弁聞いていますと、袴田さんに対して申し訳ないと思いませんか。五十八年間も人生を縛っておいてですよ、済まなかった、申し訳なかったという今感じは全く出てきませんよ。だから、今いろいろ指摘されているんじゃないんですか。
     大臣、どうして、たまたま今大臣ですよ、未来永劫、法務大臣じゃないんです。たまたま今その任にあって、何で政治家としての心を持った答弁できないんです。同時に、私は何か答弁をねじ曲げろと言っているんじゃない、一般的に国民が受け止めている話をしているだけなんですよ。
     もう一回尋ねます、大臣。本当に大臣、法務大臣として冤罪という言葉を使えないというのは何を基準にしているんですか。そういう官僚答弁はしない方がいいですよ。この今日の議論だって結構今ユーチューブでは上がっております、見ている人おりますから。どっちが正しいか、どっちが一般的に理解されるかというのは明らかですよ。私はその点自信ありますから。大臣だって選挙している身でしょう。選挙のとき何て言います、大臣。頭下げて何て訴えます。踏ん反り返って、あなた演説しますか。しないでしょう。どうしてそのけじめなり、人間としての矜持ができないんです。
     袴田事件は、私は、冤罪だ、一般的に広くそう伝わっているし、結果として出た、こう考えますが、大臣の答弁を求めます。
  • 国務大臣(鈴木馨祐君)
     再三この場でも申し上げておりますけれども、袴田さんについては、その人生の非常に長い期間、極めて不安定なそういった状況に置いてしまったということ、このことについては非常に申し訳なく思っている、このことはこの場でも申し上げましたし、他の場でも申し上げているところであります。
     その上で、私も個人として話せというなら幾らでもそれは話したいことありますけれども、私はここには法務大臣として、それは法務省を代表する立場としてこちらで答弁をさせていただいております。そういった立場から、その先ほどの冤罪という言葉、これは社会一般には当然それはある言葉です。しかしながら、この法律の中で、法令上の定義ということで私どもとして、そういった、これが冤罪でこれが冤罪ではない、何が冤罪だ、そういった定義を有しているところではありませんので、その思いで、私はこの法務省の立場としてそのことをこの場では申し上げざるを得ない、そのことは是非御理解をいただきたいと思います。
  • 鈴木宗男君
     じゃ、法務大臣、広く一般に袴田事件は冤罪だと言われている、これは理解していますね。広く社会一般で袴田事件は冤罪だと言われている、これは委員の皆様方もそういう認識だと思いますけれども、大臣、大臣もその認識でいいですね。
  • 国務大臣(鈴木馨祐君)
     正直、私も様々これまでも御議論させていただいておりますけれども、それぞれ、私として、ある意味での個別の事件についての様々な評価、そこにつながるようなそうしたことについて、私として申し上げるべきではないという立場に私はおります。
     そういった中において、そうした一般的な評価がどうなっているのか、そういったこと、さらに、恐らくその所管ということにもなるかと思いますが、そういったことについては、この場では申し訳ありませんが、差し控えをさせていただきたいと思っています。
  • 鈴木宗男君
     大臣、私は評価なんて聞いていないんですよ。広く一般、これ委員の先生方にお尋ねしますけれども、広く一般に袴田事件は冤罪だということになっていますね。これには誰も文句ないでしょう。大臣、みんなうなずいていますよ。私は何も、当たり前のことを言っているんですから。それを評価する立場にないとか、私はそんなこと聞いているんじゃないんです。
     国民一般は冤罪事件だ、私は、テレビでも新聞でも、メディアが冤罪だと報じています。法務省から一回もクレーム付いたということを聞いていませんよ。委員長、聞いたことありますか。委員長だって、袴田事件は冤罪だと思っているでしょう、結果として。それを何で大臣が、評価する立場にない、それどこから出てくる言葉なんです、大臣。
     よく、大臣辞めた後、全く見解の違うことを言う政治家もたくさんいますよ。大臣のときだけはもう役所に言われたとおりの答弁している、終わったらまた自分はこうだったという話をしている人多々いますけど、大臣もそのやっぱりほか多数に私はならぬことを願っているから言うんです。
     大臣、私も前回も質問に立って、前回は抑制的に私はやりました。今日も抑制的にやっているんです。女房からも、余り強く言わぬ方がいいと、娘からも、また始まったかと思われるように言わぬ方がいいとかと注意もされているものですからね。昨日、おとついですか、今日もちょっと抑制的ですけれども、時間もありませんから、またあさってもありますから、この国会中、びしっと私はやっていきますから。国民は、鈴木宗男の方が真っ当か、あるいは一般的な見解か。同じ鈴木でも鈴木法務大臣は官僚的で、しかも、たまたま大臣にもなったにもかかわらず、私に言わせればだ、官僚の言いなりだ。
     この議論、私はこの参議院選挙でも冤罪というのは一つのテーマになると思っていますから、後で大臣、しまったと思わぬ方がいいですよ。大臣だって、去年の選挙を見ても、どうだったかというのは分かるでしょう。みんな、負けると思っていない人でも負けてしまうんですよ。国民はそんなに甘くないですから。私は、様々な経験した者として、今なお生き残っている者として、声なき声、国民の思いだけはしっかり受け止めて、私はしっかりと政治家として勝負していきますからね。大臣、ここは、官僚の作ったような答弁やアドバイスでここでは言わない方がいいです。