「冤罪」という言葉
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- 鈴木宗男君
衆議院では、私、無所属ですから、質問の機会ないものですから質問主意書でしか勝負できなかったんです。二千五百本ほど出していますから、この記録は破られないと思います。昔は共産党さんがよくこの仕組み使ったんですね、やっぱり質問の機会ないから。最近、共産党さんも数が多いから、質問の機会あるから使っていませんけれども、この記録は私は一人の議員では破れないと思います。
ですから、僅か六、七年の間に私が二千五百本出して、最後は二十一年の、平成ですね、十一月二十五日なんですけれども、この質問主意書が出されたのが平成二十一年ですから、大臣、もう二十八年前の話になるんです。いや、十八年前の話になりますね。
ですから、それから冤罪が起きているんですよ。私は、この答弁、質問主意書を引用するのは結構ですけれども、やっぱり時代に合った、今の問題、袴田事件なんかで特に問題起きている、大川原化工機の問題でもプレサンス事件でも出てきているわけです。福井事件がそうですね。冤罪というのが強く言われているときですから、この点、私は、事務方が用意した答弁書だと思うけれども、ちょっと誠意がないというか、あるいは時代認識がずれているんでないかと。今出ている法案なんかは時代に合った法案として出しているわけですから、それに比べたらちょっと私は事務的な、人間的でない対応だという言葉です。
それで、大臣、冤罪という言葉は定義もなければ法令用語でもないと言います。しかし、前回の答弁でも、広辞苑でも使われているし、広く一般でもこれは使われている、引用されているということは、大臣、認められているんです。
そこで、前回も言いましたけれども、過去の大臣で冤罪という表現している大臣はたくさんいるんです。これは恐らく前回の質問で言われたから調べられたと思いますけれども、端的な例を一つでも二つでも、今までの大臣で冤罪という言葉を明確に使って、しかも個別事件まで出して言っている件がありますから、それを、私はこれは記録に残させたいと、こう思いますので、明らかにしてください。 - 国務大臣(鈴木馨祐君)
例えば、最近ということで申し上げると、昨年の小泉法務大臣におかれましては、冤罪が発生する二つの理由、それ以外にもあるわけでございますけれども、そういうものにしっかりと着目をして、今申し上げたように、基本に忠実な捜査、公判の適正な遂行、ここに原点を置いてしっかりと取り組んでいくことが必要だというふうに、済みません、失礼しました、一昨年ですね、一昨年の小泉前大臣の答弁ではそういったことで発言をされていると承知をしております。 - 鈴木宗男君
法務大臣、小泉さんのときは、私もいろいろやり取りしているからその話は聞いているんですよ。
もっと具体的に、例えば二〇〇七年の十一月二十九日、鳩山邦夫法務大臣は松岡徹委員の質問に対して、この氷見事件のように、ある人を捕まえて調べて起訴して有罪になって、服役しちゃってから別に真犯人が現れたというのは極めて残念な特殊なケースでございまして、こういう場合は社会通念上冤罪と申し上げていいのではないかと私は思いますと、具体的事件名まで挙げて言っているんです。
大臣は、個別事件に関わるとか評価云々は言うべきでないと言っていますけど、鳩山大臣はこう言っています。さらに、遡る一か月前には、この鳩山大臣は、冤罪と言われるようなことがゼロになるように努力するのが我々の務めであり、法務大臣の務めであるというふうに考えておりますと、明快に冤罪って使っているんです。大臣はかたくなにこの場で冤罪という言葉は使わないと言っていますけれども、過去には千葉法務大臣も明快に言っております。江田五月議員も、江田法務大臣も言っております。
なぜ、大臣は、この冤罪という言葉をこういう委員会の場で、ここは法廷じゃないんですから、いいですか、開かれた国会です、しかも国民から選ばれた委員の集まりの場で、過去には大臣が堂々と使っている、具体的な事件まで出して。鈴木大臣がなぜこの冤罪という言葉を拒否するのか、その理由をお知らせください。 - 国務大臣(鈴木馨祐君)
当然のことながら、犯人でない人を処罰するということ、これはあってはならない、これは大前提でありますし、大前提でありますし、そのことはまず申し上げさせていただきたいと思っております。
その上で、やはり、私の立場として申し上げると、私の、自分のこれは考えでありますけれども、私は法務大臣としてここに立っている、そういった意識を強く持っております。そして私は、この参議院法務委員会において政府として答弁をしている、その立場を強く認識をしております。
そういった中にあっては、やはりこの三権分立の話も含めて、この検察庁法第十四条のところで言っていること、これはまさにそこの、直接的ではないかもしれませんけれども、そこに関わる話であります。だからこそ、そこで私は、冤罪ということについて…… - 委員長(若松謙維君)
大臣、答弁は簡潔にお願いします。 - 国務大臣(鈴木馨祐君)
はい。
そこで私は、まさにそういった価値判断が入るような、そういったことについては答弁を差し控えたい、そのことを申し上げているところでありますので、御理解をいただきたいと思います。 - 鈴木宗男君
大臣、価値判断という言葉自体も初めて使う言葉ですよ。だんだん広がっていくと、大臣、私はいいことじゃないと思いますよ。正直に答えればいい話なんです。次の委員会、またその次の委員会がありますから私はやっていきますけど、更にまた私は続けてやっていきたいし、この思いはまた私はしっかりと若い議員にも伝えて、事実の何たるかというのは知らせていきますけれども、大臣、私は正直に言った方がいいと思います。
それで、森本局長、森本局長も前回、大臣同様に、通告がないから答えられないと答弁していますが、あなたの前任者でも、明快に冤罪という言葉も使っていれば、個別事件も挙げて説明している人がおります。恐らく、前回の委員会でも私が言っているから森本局長であればいろいろ調べられたと、こう思いますが、その成果のほどをちょっと示してください。 - 政府参考人(森本宏君)
前回、委員から御指摘がございまして、過去の刑事局長として委員が挙げられたのが、大林という局長とそれから西川という局長の答弁に当たるというふうに理解しました。
それぞれ両名とも、冤罪の概念というのを聞かれて、それは多義的である、あるいは定義がないのでお答えできないということを前提とした上で、一定の条件を付けた範囲内で一定の例示をしたということはあったものと承知しておりますけれども、何か特定の立場に立って特定の見解を述べたというものではなかったというふうに理解しております。 - 鈴木宗男君
森本さん、あなたも将来あるんですから、そんな木で鼻をくくったような話しない方がいい。
当時の西川刑事局長は、これ皆さん聞いてください。例えば富山で起きたいわゆる冤罪事件もございましたし、それから足利事件、これらについては既に検証がなされていて、その都度指摘されている事項であるということでございます。またさらに今回の村木さんでも同様なことを繰り返してしまったという反省を込めて申し上げたということでございますと言って、これ皆さん、個別具体的な例を挙げて言っているんですよ。さっきの大臣の答弁と食い違いませんか。
委員長、誰が考えたって、私の言っている話、過去の例を持って、今、鈴木法務大臣が言っている答弁、森本局長の答弁はすり替えの議論じゃないですか。厳しく言うならば、ごまかしじゃないですか。あなた方、「検察の理念」守られていないんです、あれだけの不祥事を起こしても。更に今、国民世論は厳しいですよ。もっと人として正直に答えるのが当たり前じゃないですか。
どうか委員の皆さん方も、過去の事実に基づいて私は言っているんです、何も私は作り事を言っているんじゃない。私は、法務省の信頼回復と、やっぱり日本の国のこの三権分立という建前を考えた上で何が一番大事か、私はやはり正直であることが一番だと思っているんです。今の大臣の答弁や森本さんの答弁ではもちませんよ。
これからもやってまいりますから、今日はこのぐらいでやめておきます。
時間が来ましたので、終わります。