研修で名古屋に行きました。名古屋地検や連続ドラマ「虎に翼」の撮影現場になった名古屋市市政資料館の施設見学のほか、愛知県警にも見学に行きました。
愛知県警の中では、最初に警察の役割や事件の捜査の流れをまとめたビデオを見ました。最近巧妙化し増加しているサイバー犯罪には情報技術処理能力の向上が目指され、事件数としては減少しているものの大きな不安や恐怖を与えてしまう凶悪 犯罪には、DNA 検査といった、それぞれの事件に合った捜査方法の正確性向上のため、多くの分野に対して精力的に力を入れているとのことでした。様々なチームを構成して事件解決に尽力しているそうです。
チームの仕事を適切に配置するために設けられている、通信指令システムも見学しました。110番受理台と呼ばれる、110番通報を受ける部屋があり、そこで現場の情報を収集していました。収集した情報をもとに、大きなスクリーンに映し出された航空写真と地図にパトカーの配置や状況が目視できるようになっていました。愛知県では、年間約6万6千もの通報を受けるため、約1分間に1件通報が入るという多忙さがあるそうでした。
その他、交通管制センターと呼ばれる、愛知県周辺の道路状況を収集している部署も見学しました。ニュースやラジオなどで交通状況の情報が出ますが、そのもととなる交通情報を収集し、発信している部署です。情報をもとにラジオ局の放送ブースが併設されていたり、渋滞を解消できるように愛知県内の3分の1の信号の操作ができるようになっていたりしました。信号の時間がいつもより長いときがあるのは、実は、渋滞を解消するための一手だったそうです。
愛知県警の中は、申請をすれば一般の人でも見学できるようになっているため、様々な体験や見学ができるようになっています。例えば、白バイに跨って記念撮影出来たり、警察の機動隊が持っている透明の盾を持てたりします。警察組織の年表と、当時使用していた制服や道具、様々な信号機の展示もされていました。目撃者となって証言するときに被疑者の顔を作成するときのモンタージュや警察に関する知識についてのクイズゲーム、自転車の交通ルールをもとにして運転しながら確認できるゲームがあるなど、楽しく体験をすることで、警察の仕事や日常生活に役立てられる知識を学ぶことができます。
日々の生活の中で、いつ私たちが事件を目撃するかはわかりません。ですが、目撃した時の情報が多ければ、また正確であれば、事件解決が早まるかもしれません。愛知県警の見学では、警察の仕事内容や日々の暮らしに役立つ情報が手に入ります。そのため、いざという時に警察がどのように行動するのか、私たちがどのような対処をしたらよいのかといった行動が知れます。特に、先ほども挙げた目撃証言のモンタージュ体験では、意外に忘れていたり、勘違いしていることに気付くかもしれません。自分の記憶力がどれほどのものなのかを確認できる良い機会だと思っています。知識を蓄えたり、想像とは違うことを認識したりしていれば、日常生活で役立てられると思いました。
【甲南大学2回生 貴志純宇】
