2023年6月15日、第2回公判期日が開催されました。
控訴審の審理では異例の大法廷での審理でした。大勢の支援者が駆け付け、傍聴席は今西貴大さんを見守る方々で埋め尽くされていました。
第2回公判期日では、強制わいせつ致傷被告事件に関し、検察側から皮膚科の医師、消化器外科兼小児外科の医師の合計2名が、弁護側からは元皮膚科医で肛門外科の医師が証人として出廷しました。
強制わいせつ致傷被告事件の争点は、A子ちゃんの肛門周囲の傷から今西さんが異物挿入を行ったといえるのかという点です。
A子ちゃんの肛門の外側には、あかぎれのように割れたような傷が1cm程度ありました。この傷の写真のみから、今西さんが異物挿入を行ったといえるのかが争われています。
弁護側の医師は、A子ちゃんが皮脂欠乏症等の診断も受けており、写真からも明らかに皮膚が荒れている状態であったことを踏まえれば、肛門周囲も乾燥して伸縮性のない突っ張った皮膚の状態であった可能性があり、おむつを替えるときに足を持ち上げる、トイレットペーパーで拭く等する、そういったことがなくとも自然にあかぎれの様な皮膚亀裂が生じた可能性があると指摘しました。実際の診察でもウォシュレットでの洗い過ぎなどによりA子ちゃんの傷と同様の傷ができている患者さんを何人も診てきたとのことでした。
これに対し、検察側証人の皮膚科の医師は、垂直方向に皮膚に力が加わったと証言していましたが、弁護人の反対尋問の際には、実際のところ、A子ちゃんの傷がどのようにしてできたのかはわからないとも発言していました。検察側証人の消化器外科の医師は、肛門付近に物を押し当てて入れようと左右に広げた際に生じた傷ではないかと証言しました。これまで検察官が主張してきた傷のでき方とは全く異なる見解でした。
今西さんがA子ちゃんの肛門に異物挿入をしたというにはあまりに根拠が乏しいことが明らかになったと思います。
期日後の支援の会への報告会でも、弁護側が優勢であったように感じた、今西さんの異物挿入は立証できていないと感じたなどの感想をいただいています。
関西テレビが第2回公判期日について、記事にしてくださりましたのでご参照ください。
2歳娘の「肛門付近の傷」は異物挿入か?日常生活でできた傷か?傷害致死などに問われている“今西事件” 二審で異例の医師尋問行われる(関西テレビ) – Yahoo!ニュース
次回期日は10月26日10時30分から大阪地方・高等裁判所201号法廷で実施されます。傷害致死被告事件に関して、検察側・弁護側双方から放射線科の医師が証人として出廷します。次回の争点は、A子ちゃんのCT画像から、何が言えるのかという点です。