【学生ボランティア(甲南大学)】6月の活動

 新歓活動も落ち着き、甲南大学のIPJボランティアは今年度の活動を活性化しています。勉強会など、会議だけではなく、活動を活性化するための様々な工夫もしているようです。最近の主な活動の様子を、メンバーたちが紹介してくれました。
  *本投稿は、甲南大学地域連携センターの「活動報告」ページに投稿したものを、許可を得て転載したものです。

1.活動の活性化のために

 甲南大学IPJボランティアの幹事の西村です。6月上旬に甲南大では「全体会」を行いました。コロナウイルス感染症も落ち着き、ようやく制限のないキャンパスライフを送れるようになりました。『せっかく規制がなくなったのなら、全員で集まって親睦を深めたい!』という思いから2回生幹事を中心に企画しました。
 私自身も初の試みでしたが、開催して良かったと感じています。IPJボランティアは、普段は勉強会・広報会・審査会のグループにわかれて活動していますが、それぞれのグループが具体的にどのような活動を行っているのかを共有できていない点、参加する機会を逃してしまい今更参加しにくいと考えている人がいる点がこれまでの課題でした。今回の全体会では、各活動について詳細に共有し、今後の活動への積極的な参加を促すことができたことで、この課題を克服する第1歩を踏み出せたのではないかと思います。
 全体会では6月の活動内容について説明したのち、それぞれの活動への参加者募集を行いました。終始、笑いありの温かい空気で1回生をはじめとする新メンバーもボランティアに参加しやすくなったのではないかと思っています。今後も定期的に全体会を開催する予定です。できるだけ多くの人とボランティア活動をすることによって、えん罪で苦しんでいる方の一助となるに違いありません。今後も、えん罪の悲惨さを多くの方に知っていただくために、学生ボランティア一同力を尽くしていきます!    

[甲南大学法学部2回生 西村友希]

2.裁判傍聴ツアーをしました!


 新たに活動に参加した1回生たちと一緒に大阪地裁に裁判傍聴に行きました。10人ほどの1回生が参加しました。この日傍聴したのは、窃盗事件とストーカー事件でした。窃盗事件の方はその日から始まる裁判だったこともあり、事案の概要が理解しやすく、初めて傍聴する1回生にとっても裁判の流れを理解する機会になったと思います。2つ目のストーカー事件では被告人質問が行われていました。事件の経緯や概要、被告人の心情などについて後で議論しました。いつ自分が当事者になるかもしれないね、などと話し合いました。
傍聴後には、1回生から「内容を理解することが難しかった」という感想もあったものの、「裁判の生の雰囲気がわかって勉強になった」、「証言を噛み砕いて理解しまとめる裁判官はすごいと思った」など、難しい以上に興味深く、実際に来てみて良かったという感想も聞くことができました。他にも「裁判所は、入ってみれば意外と緊張感があるだけではなく、これであれば学生でも身構えずに傍聴に来れると思った」、「傍聴人も見てる中で、被告人が自分のプライバシーについて話すことについては疑問も感じた」など、1回生だからこそ聞ける新鮮な感想もありました。
裁判員裁判を傍聴したかったのに傍聴券が無くて入れなかったり、本当は傍聴する予定だった傷害事件の裁判に被告人が出廷せず裁判が行えなくなったり、ハプニングもありましたが、それも含めて、1回生に実際に自分で司法の現場を見てもらうことができたと思います。講義の関係で今回参加出来なかった1回生も多くいるため、次回は夏期休暇中に行えたらと考えています。


[甲南大学2回生・岡本望寿]

1回生の皆さんと一緒に、大阪地方裁判所に裁判傍聴に行ってきました。
この日は新件の裁判が多く行われていました。「新件」とは、その日から裁判が始まる第1回目の裁判のことです。新件の窃盗罪の裁判、被告人が出廷しなかった傷害罪の裁判、新件の傷害罪の裁判など、様々な裁判を傍聴しました。新件の傷害罪の裁判は、被告人質問を全て見ることが出来ました。被告人が検察側の質問に対して、答えにかなり時間を要していたのが印象的でした。被告人の主張が、あまり検察官や裁判官に理解されていないような雰囲気でした。この裁判終了後に1回生に感想を聞いてみると、「当事者の話が理解しづらいところもあり、法曹は大変な仕事だと思った。」「弁護士も検察官も言葉を選んで言いたいことを伝えていて勉強になった」「張り詰めた緊張感が漂うような裁判ばかりではないことが意外だった」などの様々な感想がありました。
裁判に関わる仕事の大変さ、今まで持っていた裁判に対するイメージとの違い、生の裁判の雰囲気など、多くのことを1回生の皆さんに学んで頂けた貴重な機会になったのではないかと思います。また今後もたくさん裁判傍聴の機会を作っていければと思っています。


[甲南大学2回生・藤井春奈]

3.渡邊洋次郎さんの講演会

 さらに、講演会「非行・自傷行為・アディクション経験者と考える:自己責任で解決するのか」を6月27日に開催しました。犯罪や非行の背景にはどのような社会的な課題があるのか、行為者に対する刑罰だけで問題を解決してしまってよいのかなどを、参加者と一緒に考えました。えん罪事件だけではなく、刑事司法や犯罪の原因について考える機会になりました。講演会の詳細はこちらでお読みください!