「ひとごとじゃないよ!人質司法」イベント参加レポート(1)

 「ひとごとじゃないよ!人質司法」に参加したIPJ学生ボランティアから、続々とレポートが届いています。第一弾は立命館大学です!


 6月30日に開かれたシンポジウム「ひとごとじゃないよ!人質司法」では、実際に人質司法を受けた方の意見や、最前線で戦う方々の意見を直接聞くことができ、貴重な経験ができたと実感しています。
 実は、僕は「人質司法」という言葉を最近まで知らず、詰問とも言える取調べが現在まで続いていることを知りませんでした。そのような僕でも理解できるような丁寧な内容で分かりやすかったです。
 パネルディスカッションではプレサンス事件から人質司法について切り込んでいましたが、その話の中の山岸さんの勾留された時の生活の話がとても印象的でした。全く身に覚えのない容疑で勾留され、終わりが見えない取調べを受けるうちに検察官の思う方向に運ばれたという話が、近代的な誘導尋問の形を表しているようで恐ろしく感じました。もし自分が時間さえ分からない独居房で2か月弱もの間を過ごすようなことがあれば、まず間違いなく正常な判断はできなくなりますし、何よりも周りの人たちを信用することができなくなるだろうと思います。
 また、イェスパー・コールさんを交えたディスカッションパートでは、視点を海外にまでしていて、さらにこの問題の重大さを認識することができました。そのディスカッションの中で、日本は特に東南アジアの国々へのロールモデルにもなっているので、現在の勾留制度はそのような面でも非常に問題だという話がありました。日本の人質司法が国際的に問題になっていることは聞いてはいましたが、ロールモデルとしての責任を果たさなければいけないという視点には考えが及ばず、改めてこの問題の多面性に驚きました。そのため、日本は先進国の背中を追うことよりも、他国の先達になるにふさわしい国作りをしていく必要があると思います。ただ、イェスパー・コールさんがおっしゃっていたように、この問題を解決することは新しい日本へのアップデートするチャンスでもあるというポジティブな考え方もできることに感銘を受けました。

 人質司法は長年議論されていた問題ではありますが、様々な活動により、近年ではさらに大きく問題視されていると思います。現在僕は法学部で法律学や政治学を学んでいるので、そこでの学びも大切にして、偉大な先輩方が繋いだバトンを繋ぐ1人になりたいと思いました。

立命館大学1回生 豊田 涼