【学生ボランティア(京都女子大学)】和歌山刑務所を参観しました

京都女子大学IPJ学生ボランティアは、9月10日に和歌山(女子)刑務所を参観しました。

刑務官の方からのお話をうかがった後、受刑者が社会復帰のための訓練(美容科)を受けている白百合美容室、受刑者の作業製品を展示・販売しており、一般の方にも開かれている展示場(刑務所の隣に併設)を見学しました。

展示場では、汚れが良く落ちると評判の”ブルースティック”という洗濯石けんを購入している学生もいました。

また、受刑者が炊事や裁縫などの作業を行って様子、浴場や個室・集団で生活している部屋などを見学させていただきました。


参加した学生の感想

①施設についての説明の際に、累犯の割合が42.6%と思っていたよりも多く、また平均年齢も51.7歳で少し高い点に驚きました。刑務官の方が、平均年齢が上がり高齢者の逮捕者が増えている点について、少子高齢化が原因ではなく制度上の問題とお話されているのを聞いて、釈放後の支援の充実が必要になってくるのではないかと思いました。

 施設の見学では、敷地内に美容室(白百合美容室)が併設されていて、これまで見学した少年院や拘置所にはなかったと思うので、和歌山刑務所の特徴の一つなのかなと思いました。また、帰宅後に調べたのですが、ソーシャルコラボレーション-JHD&Cと団体との社会貢献としてドナーがドネーションヘア(髪の毛)の送り先としてこの白百合美容室を選ぶことができる取組みを行っていることを知り、とても関心を持ちました。

②京都刑務所ではお風呂の時間や使用できるお湯の量が決められていたのに対し、和歌山刑務所では入浴時間の延長が認められていたり、お湯の量には制限がないことなど、髪が長かったり、体が不自由な人への配慮があることに気がつきました。また最近LGBTQ関連のニュースをよく見かけます。現在の刑務所は男女別の施設ですが、今後は性別に関係なく同じ施設になるのかが気になりました。

③実際に使用されている単独室、共同室や刑務作業姿を見学させていただいて、貴重な経験になりました。以前に、受刑者が受刑者を介護しているとか、受刑者は刑務官を「先生」と呼んでいるという話を聞いたことがあるので、現在も同様だと思っていました。ですが、現在は、刑務官の方が受刑者の介護を行い、受刑者は刑務官のことを「職員さん」と呼んでいることを教えて頂きました。刑務所内でのルールは昔ながらで変わることがないと思っていたので、状況に応じて変わっていくことがあると教えていただいて嬉しかったです。

④施設見学では刑務作業中の様子を見学させていただきました。私たちが近くを通ったとき、目が合ったりするのではないかと思っていましたが、受刑者たちは脇見をしたり話したりすることなく、黙々と自分の作業を進めていたことが印象に残りました。

 高齢受刑者の方への配慮として、居室内にベッドを用意したり、移動には手押し車を貸与するなどの対応をしていたり、また受刑者によっては減塩の食事が提供されていたりと、それぞれの受刑者に合った対応をされているということを初めて知りました。参観を通して、普段の授業だけでは気づけなかった様々な新しい学びがあり、非常に良い機会となりました。ありがとうございました。


参観を通して、受刑者が社会復帰するための支援の一つとして白百合美容室のような訓練施設があったり、一般の方でも普段から入ることができる作業製品の展示場があったりしたのを見て、受刑者が刑期を終えて社会復帰する際に、社会に受け入れてもらえるよう、社会とのつながりを大切にしているのだと感じました。授業だけでは得られない学びができ、とても有意義な経験となりました。

(京都女子大学 4回生 井上花音)