龍谷大学 IPJ学生ボランティアは、6月6日(金)に「松本亜土先生を囲む会」と称して、湖東記念病院事件の国家賠償訴訟の弁護団に所属されている松本先生にお話を伺い、勉強会を行いました!(湖東記念病院事件における国家賠償訴訟の判決期日は7月17日です。)
事前に湖東記念病院事件や、再審の流れ・課題についても勉強しました。当日は、時間が足りないほど質問が多数あり、たいへん充実した勉強会になりました!
私はこの勉強会が開催されるまで、湖東記念病院事件についてほとんど知識がありませんでした。西山美香さんは犯人ではないにもかかわらず、えん罪の被害を受け、その恐ろしさを改めて実感しました。また、弁護士の松本亜土さんのお話を伺うことで、当時の悲惨さが生々しく伝わってきました。
当時、西山さんの取調べを担当した山本刑事は、西山さんの恋心を利用して虚偽の自白を引き出しました。さらに、検察側は西山さんの高校時代や専門学校時代の成績を取り寄せ、事情聴取に利用するなど、無理に犯人に仕立て上げようとしました。当時は犯人が誰か分からなくても、警察は犯人を挙げなければならないという事情があったことを知り、深い背景があったのだと感じました。しかし、何らかの形で動機もでっち上げられていたと聞き、その当時の西山さんの気持ちを考えると、胸が痛みます。それでも、西山さんに無罪判決が下されたことは、えん罪被害者の救済と司法制度の公平性を守るための重要な一歩となったと思います。しかし、えん罪被害は依然として存在していると思います。取調べの可視化や自白の任意性の確保、証拠開示の徹底などが、今後ますます必要になると感じました。〔法学部2回生〕
今回の講演会は、取り調べにおける恐怖以外の冤罪発生要因を知る良い機会となった。湖東記念病院事件では、恋心を利用した取調べや、捜査機関側にとって有利な自白を引き出すための分析によって嘘の自白をしてしまい、有罪判決を受けてしまっていた。再審を経て無実が証明されたが、えん罪当事者の方は強い精神的ダメージを負うこととなった。これまで、えん罪を生み出す要因について、捜査機関側の長時間にわたる厳しい取調べがあることは学んでいたが、恋愛感情すら取調べに利用したことを知り、愕然とした。人の心を踏み躙るような、あまりに非道徳的な手法が組織全体として行われることはあってはならない。自由や時間が奪われるだけでなく、人の心に深い傷跡を残すえん罪は、絶対にあってはならないと改めて感じた。〔法学部2回生〕

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