はじめに
11月7日に、IPJの支援事件である今西事件のシンポジウムを開催しました。このシンポジウムは、11月28日に行われる控訴審判決に向けて、今西事件とはどのような事件なのか、私たち学生ボランティアがこれまで取り組んできたことや、今西さんのお人柄について、より多くの人に知ってもらうために、関西学院大学・京都女子大学・近畿大学・甲南大学・立命館大学・龍谷大学のIPJ学生ボランティアが企画運営したものです。
今年8月に開催したシンポジウムの経験を活かし、報告内容やプレゼンテーションの言葉一つ一つにこだわって、学生ボランティアで何度も会議を重ねてきたため、当日はこれまで準備してきたことを精一杯出し切ることができました。
オンラインでご参加された今西貴大さん、主任弁護人の川﨑拓也弁護士、ジャーナリストの赤澤竜也さんの鼎談で、事件のことや今西さんが保釈されるまでの出来事、日本の刑事司法の課題についてお話いただいた後、支援者の方々や今西さんのお母様からもメッセージをいただくことができました。
また、終盤には今西貴大さんから、「裁判所に当たり前のことを当たり前に判断してほしい」とメッセージをいただくなど、とても充実したシンポジウムとなりました。
会場には、約130名以上の方が集まり、シンポジウム終了後「えん罪のない世界へ」の横断幕を広げて記念撮影をしました。
控訴審判決は11月28日、大阪高等裁判所にて行われます。今西さんのえん罪が晴れるよう、より一層応援していきたいと思いますので、皆様ぜひ、傍聴にお越しください!
〈IPJ学生ボランティア一同〉
各大学のIPJ学生ボランティア感想レポート
京都女子大学
【司会進行・はじめのあいさつ】
私は、司会進行を務めました。前回に比べ、会場の状況などに気を配りながら余裕をもってと取り組めたと感じます。反省点は、マイクの配置など事前に確認しておけばスムーズに進行できる部分があった点です。
また、はじめの挨拶では、少し緊張してしまい、噛んでしまった部分もありましたが、前回のシンポジウムで、”原稿を見過ぎて話してしまっていた”という反省点を活かし、今回は、来場者の皆様の顔を見ながら話すことを意識して取り組むことができました。
今回は、今西さんのお人柄や弁護団の方々とどのように関係を築いてきたかなどより深く学び司法課題について考える会となりました。(森さくら・井上花音)
【タイムキーパー】
今西事件のシンポジウムでタイムキーパーを務めるという貴重な体験をさせていただきました。今回初めて参加させて頂いたのですが、周りの皆さんが優しく接してくださったおかげで、すぐに打ち解けることができました。準備段階から本番を迎えるまで緊張していましたが、若干時間の前後はあったものの、無事に終えることができて良かったです。各々反省点があると思いますが、次回のシンポジウムに生かせるようにしたいと思っています。様々な視点から事件についての話を間近で聞くことができ、自分自身の知識や視野を広げる良い機会となりました。(M.E)
【Zoomパソコン係】
私は、今回のシンポジウムでパソコン係を担当しました。事前に進行表を確認し、当日はスクリーンに投影するパソコンの切り替えを行ました。zoom画面を投影した際の音量が小さかったなど反省点もありますが、パソコンの切り替えについては間違えることなくスムーズに行うことができ、役割を果たせたのではないかと思います。
今回、シンポジウムに参加して、今西事件をより詳しく知ることができただけでなく、日本の刑事司法の問題点についても考えることができました。この経験を今後の学びに活かしていきたいです。(Y.M)
立命館大学
11月7日に『今西事件シンポジウム―今西貴大さんが経験してきたこと、私たちが取り組んできたこと―』を開催しました。立命館大学はIPJとえん罪についての説明をしました。今西事件の裁判傍聴で得た情報やIPJの活動で学んだ知識を使い、わかりやすい説明を心がけました。来場者の方々の熱心にお話を聞く様子から、多くの人にえん罪に知ってもらうことができてよかったと心から感じることができました。これからもI P J学生ボランティアはえん罪を多くの人に知ってもらうために活動していきたいと思います。
甲南大学
甲南大学IPJボランティアは、主としてパネルディスカッションを担当しました。私たち学生ボランティアが、今西さんのお人柄や、今西事件と関わる中での私たちの事件に対する態度や刑事司法に関する考え方の変化についてお話ししました。
今西事件と関わる中で、実際に今西さんと交流し、今西さんのお人柄に触れました。私たち学生ボランティアにとって「いいお兄ちゃん」的存在であることを伝えられたことで、今西さんのお人柄について知っていただく機会を作れたと思います。私たちは、今西事件について勉強し、第一審判決の問題点を知り、控訴審の公判を傍聴することなどを通して、根拠を持って本件がえん罪事件だと考えるようになりました。ほかにも、日本の刑事司法やメディアの報道など、さまざまな問題点にも気づくことができました。シンポジウムで、これらの気づきを自分たちの言葉で伝えられたことによって、改めて社会に向けてえん罪の問題について発信することの大切さを感じるとともに、かけがえのない経験となりました。(甲南大学2回生 横田麻奈)
近畿大学
近畿大学は終わりの挨拶を担当しました。原稿作成では、先生にも他大学の方にも丁寧なご指導・ご指摘をいただき、とてもありがたかったです。出来るだけ上手く話せるように、何度も原稿を読む練習をしました。当日に緊張して声が裏返る不安もありましたが、無事に話すことができて良かったです。聞き手の顔を見て話すように心がけるなど、学びを得る機会にもなりました。参加者の皆様に、私の声がよく届いていたのなら嬉しいです。(近畿大学 4回生、江口美香)
アンケートから
会場には弁護士、大学生、会社員と様々な方が集まりました。ご参加くださった皆様、ありがとうございました。終了後のアンケートでは「非常に満足」「満足」といったご回答と共に、今西さんや学生に温かなメッセージを数多くいただきました。一部をご紹介します。
・今西事件をあまり知らなかったが、今西さんや川﨑さんの生の声や、IPJの学生の方の貴重な意見を聞けて本当に貴重な時間を過ごせました。
・とても感動しました。貴大君の姿を見て、嬉しくてたまりませんでした。
・今西さんの表現が自然であること、今西さんが人に配慮して行動されていることに、好感を持ちました。
・1日でも早く、真に自由になれることを祈っています。
・皆様の熱意と、丁寧な運営、素晴らしかったです。
・ご自身の生の言葉で、今西事件から学ばれたこと、今後世に問うていかれることを、信念を貫くように語られていて、大変素晴らしかったです。
・リアルな声が聞けて、非常に勉強になりました。
・若い方々がこういう活動をされることは明るい希望です。
今西貴大さん、弁護団の先生方をはじめ、開催に向けてご協力をいただいたSBS検証プロジェクト、今西貴大さんを支援する会、日本国民救援会、KONANプレミア :多分野の力を集結して “えん罪救済”に取り組むプロジェクトの皆様にあつくお礼申し上げます。
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