【学生ボランティア(甲南大学)】DNA鑑定実験をしました!

甲南大学ポートアイランドキャンパスで、フロンティアサイエンス学部とのコラボレーション企画に参加しました。この企画では、髪の毛や口の中の細胞に含まれるDNAを取り出し、遺伝情報を実際に取り出す実験をしました。

IPJは、冤罪救済を目的に活動している団体です。法学が密接的に関係する学問であり、IPJに所属する人は主に、法律関係者や大学で法律を勉強する学生です。今回の企画は科学実験で、一見するとIPJとは関わりが薄い分野に思われますが、実際には、冤罪救済において科学鑑定は非常に重要です。

例えばIPJの支援事件であるクリス事件はDNA鑑定が問題となっています。冤罪救済活動への理解を深めるためにも、今回の企画に参加しました。

今回行われた実験には、生物学の知識が必要になります。

最初に甲南大学ポートアイランドキャンパスの紹介を受けた上で、生物の遺伝情報についての基礎的な説明を受けました。あらゆる生物の遺伝情報はDNAの構成成分であるアデニン、チミン、グアニン、シトニンという4種類の塩基がどのような順番によって並んでいるかによって決定されています。この塩基の配列が1~2%違うと「ヒト」は「チンパンジー」になってしまいます。塩基配列には個人を決定する情報も含まれていることから、DNA鑑定により個人を特定することができます。

講義を受けた後に実験を行いました。今回行った実験は、口腔粘膜細胞からDNAを抽出するというものでした。マイクロピペッターという器具や、遠心分離機などの器具を使い、PCR(DNAの増幅)を行うためにチューブに資料溶液を調製し、チューブをサーマルサイクラーという器具にセットし、PCR反応を開始しました。

その後、昼食休憩を挟み、休憩後は私たちIPJの活動についてフロンティアサイエンス部の先生方や大学院生の皆様に説明しました。IPJの活動と今回の科学実験の親和性をフロンティアサイエンス部の方々にも理解していただき、私たち自身も自らの活動を振り返る機会になりました。

その後、PCRの反応が終了したので、実験結果を染色液につけて観察出来るようにしました。人によって反応に差異が出ていました。

今回の企画に参加させていただき、最初は、甲南大学の別のキャンパスに行ってみたいという軽い気持ちで参加しました。実際参加してみて、科学捜査についてイメージすることができました。科学捜査は裏方の仕事で、世間的にはあまり目立たないように感じます。しかし、科学捜査は事件解決にも、冤罪救済にも必要不可欠です。科学捜査がどのように行われるか、その一部を見ることができて良かったです。
【甲南大学2回生 中西直輝】