作家の大門剛明先生からメッセージをいただきました

作家の大門剛明先生からIPJへのメッセージをいただきました!

大門先生は横溝正史ミステリ大賞とテレビ東京賞をダブル受賞した『雪冤』で2009年にデビューされ、その後も次々にえん罪や死刑など、刑事司法の諸問題を扱った社会派ミステリー作品を公表されています。

大門先生の2021年の作品『シリウスの反証』は、イノセンス・プロジェクト・ジャパンの活動をモデルにした作品です。作品には、IPJのメンバーや学生ボランティアをモデルにした登場人物も!是非お読みください。

大門剛明(だいもん・たけあき)先生

【大門剛明先生からのメッセージ】

イノセンス・プロジェクト・ジャパンの新たな出発、おめでとうございます!

私はえん罪をテーマにした作品をこれまでいくつか描いてきました。その一つ、『シリウスの反証』は日本版イノセンス・プロジェクトを目指す青年たちの栄光と挫折の物語です。この作品を描くにあたり、笹倉香奈さん(IPJ副代表)や平岡義博さん(IPJ運営委員)に何度もお会いして勉強させていただきました。いろいろなえん罪の形があるということ、それを救うために多くの方が尽力されていることを知りました。SBS問題では被害者の方の思いを聞かせていただき、自分の無知を恥じました。本当に学ぶことが多かったです。

えん罪をなくすことは誰もが共有できる重要な目標だと思いますが、当事者にならない限り自分とは無関係の問題に思ってしまいがちです。私は作品を描くことしかできませんが、物語を通してえん罪問題に少しでも関心をもってもらえたら嬉しいです。

イノセンス・プロジェクト・ジャパンの活動で一人でも多くの方が救われますように。

【プロフィール】 大門剛明(だいもん・たけあき)

1974年三重県生まれ。龍谷大学文学部卒。横溝正史ミステリ大賞とテレビ東京賞をダブル受賞した『雪冤』で2009年にデビュー。

同作品は2010年秋にテレビ東京とBSジャパンで橋爪功主演でドラマ化。主な著書に『反撃のスイッチ』『告解者』『確信犯』『優しき共犯者』『罪火』『シリウスの反証』などがある。『正義の天秤』(NHK土曜ドラマ)、『不協和音 炎の刑事 VS 氷の検事』(テレビ朝日)、『テミスの求刑』(WOWOW)、『婚活探偵』(BSテレ東)など映像化作品も多い。『両刃の斧』が2022年11月よりWOWOW放映。

『シリウスの反証』
冤罪救済チームが、難攻不落の再審請求に挑む、迫真の社会派サスペンス。
冤罪被害者の救済活動に取り組む、弁護士や学者などのスペシャリストで構成された団体「チーム・ゼロ」のもとに、無実を訴える一通の手紙が届く。それは平成8年に岐阜県郡上郡で起きた一家四人殺害事件の犯人として、死刑判決を受けた死刑囚・宮原からのものだった。
理想に燃える若手弁護士・藤嶋翔太は事件について調べ始め、信頼の置けない科学捜査や心理的なバイアスなど、様々な要素から真相を手繰り寄せるが――。冤罪における”救済”を問う、迫真の社会派ミステリ!(公式サイトの紹介より)