京都女子大学IPJボランティアは8月27日に京都拘置所を参観しました。
始めに施設の方から、施設の目的や被収容者処遇、さらに犯罪被害者の方々のための制度についてのお話をうかがいました。
京都拘置所には未決拘禁者だけでなく、受刑者も収容されており、参観したときは、未決拘禁者と受刑者合わせて約400人が収容されているということでした。
受刑者に対しては、外部の第三者による改善指導や就労支援等が実施され、住職の方による講和といった京都ならではの取組みもされているようです。
また、犯罪被害者の方々のための制度として、刑の執行段階等における被害者の心情などの聴取伝達制度についての説明を受けました。被害者の心情を受刑者に伝え反省が深まるよう指導教育を制度ですが、被害者と受刑者の双方にとって良いようにするのは難しく、試行錯誤を続けているそうです。
施設の内部の見学では、被収容者の生活する居室や炊事場・洗濯室、面会室等の施設全体を案内していただきました。
居室にはテレビや本などの娯楽用品が置いてあり、比較的日常に近い環境という印象を受けました。また、医療設備が充実しておりレントゲン室や歯科治療室、調剤室などの本格的な設備が揃っており、適切な治療が受けられるよう、被収容者の健康に配慮されていることが感じられました。
拘置所は被収容者の適切な収容生活を確保し、受刑者に対して改善更生と社会復帰を図るための処遇を行うという非常に重要な役割を担っています。
刑務所と拘置所の両方の施設を参観した学生からは、「居室が壁で囲まれていないため、刑務所と違い閉鎖的でないように感じた」「拘置所では書籍を自分で購入することができ、更生にうまく作用すると思った」等の感想が挙げられ、人を収容する点では同じでもその構造は異なることが分かりました。拘置所は警察・検察の手続機関の一つだという印象を持っていましたが、実際は資格取得支援や更生プログラムなど充実した支援も行われていることがわかりました。授業だけではわからなかった施設の様子を知るとともに様々な気づきも得ることができました。
(京都女子大学3回生 A・K)