【学生ボランティア(中央・獨協)】袴田事件と再審法改正の市民集会に参加しました

2024年9月19日、日比谷公園大音楽堂にて行われた市民集会「今こそ変えよう!再審法~カウントダウン袴田判決」に、IPJ学生ボランティアとして参加しました。この集会は、袴田さんへの無罪判決と再審法改正を求めて、日本弁護士連合会(第一部主催、第二部共催)と再審法改正をめざす市民の会(https://rain-saishin.org/、第二部主催)により開催されたものです。会場には、2500名もの人々が集まりました。

わたしたちIPJ学生ボランティアは、都内の大学生有志と一緒に、会場設営や受付けなどの作業に参加しました。また、第一部の企画なかでリレースピーチに登壇させていただきました。参加メンバーそれぞれの感想を報告します。


今回、えん罪や再審法改正に関心を持つ若者として、中川真緒さん、宇野朱音さんと共に、学生有志とIPJ学生ボランティアが登壇させていただきました。学生ボランティアの代表として、私がスピーチをしました。スピーチの原稿は、新聞記事や本を読んで作成し、他のメンバーの意見ももらい完成させました。声や手が震えながらも、一緒に登壇してくれたみなさんが後ろから見守ってくれたおかげで、なんとかスピーチを終えることができました。

緊張しつつも、舞台から会場を見渡すことはできました。それぞれ様々な思いをもって、会場に足を運んでこられたと思います。袴田事件がいかに痛ましい事件であるか、また、日本の刑事司法制度がいかに脆弱であるかを思い知らされました。一人の人間が48年もの間不当に拘束されるという事実が、誰にでも起こり得る状態のままなのです。そんなことが自分の国に起こっていることに、目を背けてはいけないと感じました。

今回のお話をくださった村山浩昭先生をはじめ、弁護士の先生方から貴重なお話を聴かせていただくこともできました。学生時代にこのような機会をいただけたことをありがたく思います。イベントを通して、私自身が市民であるという自覚を得たと共に、今後も様々な問題に目を向け、IPJの活動に精進していく所存です。

袴田さんの無罪判決は、冤罪の根絶に向けた大きな一歩であり、私たちが正義のために声を上げ続ける重要性を再認識するきっかけとなりました。

ありがとうございました。

獨協大学3年 佐藤和


この集会は、袴田さんの無罪と再審法の改正に焦点を当てたもので、IPJ学生ボランティアを含め多くの方々が登壇されました。その中でも、日本プロボクシング協会袴田巌支援委員会の皆さまのスピーチからは、長年にわたる支援活動の熱意や司法制度の改善に対する強い希望が感じられました。

スピーチの中で特に印象的だったのは、ボクシングというスポーツに対する偏見が袴田さんの逮捕や冤罪に影響を与えたというお話でした。袴田事件は、司法制度の欠陥だけでなく、捜査機関に根付くスポーツに対する偏見の問題を浮き彫りにしました。スポーツが持つ本来の価値や意義が正しく評価されず、偏見が冤罪という悲劇を招くことの恐ろしさを強く感じました。

この集会を通じて、袴田さんの無罪と再審制度の改善に向けた新たな動きが生まれたことを実感しました。また、袴田さんの無罪判決が長年の闘いの結果であることを感じ、私たちは改めて公正な裁判と人権の尊重の重要性を認識する機会となりました。今後も同様の不当な冤罪が繰り返されないよう努めていく必要があります。袴田さんの無罪は、未来の司法改革に向けた重要な第一歩であり、これを機に再審制度の改善が進むことを願っています。

中央大学法学部4年 中野 栄二


市民集会「今こそ変えよう!再審法~カウントダウン袴田判決」に参加しました。今まで新聞記事などニュースという情報でしか知らなかったのですが、この集会に参加したことで、再審法改正の必要性を強く感じることができました。また、ボクシングに対する強い偏見があったことに驚きました。

一番印象に残ったのは、巌さんのお姉さんであるひで子さんの「そうはいくかよ!」と言う言葉でした。冤罪によって不当な状況に置かれた人が泣き寝入りせざるを得ないことも多い中、諦めずに戦うという強い意志がこめられた言葉でした。

第二部の古館伊知郎さんによるトークコーナーは、「再審のリアルについて話そう」というテーマで行われました。そこでは、再審のルール作りがなぜ必要であるかが話されました。明確なルールが存在することで、裁判官がその指針に従って公正に判断を下すことができ、手続きが大きく逸脱することを防ぐことになる、とのことでした。まったくその通りだと感じました。

また、マスコミの影響力についても議論されていました。メディアが間違った情報を流して「この人が犯人である」と煽り、世論が偏った方向に先導されてしまう、それによってえん罪が生まれる可能性が高まる、というお話でした。そのため、再審法のルール整備や冤罪問題に目を向けることは重要だと改めて思いました。

 獨協大学法学部1年 T