甲南大学IPJ学生ボランティアでは、2025年11月に、甲南高校にてワークショップを行いました。
ワークショップでは、甲南高校の生徒に対して再審制度や再審事件についての講義を行ったうえで、再審制度の問題点についてグループワークを行い、高校生に再審制度の問題点について考えて頂きました。
今回のイベントで良かった事が二つありました。
一つ目は高校生が、強い自主性、興味を持って取り組んでくれたことです。今回のイベントのグループワークを始めるにあたり、「今までの話を聞いて再審制度の問題点について何か考えられる事はある?」と聞こうとしました。しかし、私がそれを言う前に、私のグループの一人の高校生が「じゃあ再審制度の問題点について考えていきましょう」と話し始めました。そう高校生が言った時は内心「いや、それ俺のセリフなんやけど⁉」と思いましたが、私がリードしなくても高校生が自分たちで自主的に学び、考えようとしているのは素晴らしいなと思いました。私以外のグループでも高校生は自主性、興味を持ってグループワークに取り組んでくれました。
二つ目の良かったことは高校生の意見を多く聞けた事です。今回のグループワークの目的として高校生には再審制度の問題点について考えてもらい、その改善点について考えてもらうことが目的でした。私たちのグループでは法改正案として、再審の期間が長期化するのを防ぐために再審について具体的な期限を決める法律を定めたり、検察や警察の証拠の捏造を禁止するために厳しい取り締まりの法を作るという法改正案が出ました。中には、再審の進め方が裁判官の裁量に依存してしまうという問題点に対する改善案として再審の進め方を平等にするためにAIを使用するという革新的な法改正案を出してくれた高校生もいました。
今回のイベントは高校生が強い自主性を持ってくれましたし、高校生から多くの改善案や革新的な改善案も聞くことができたので結果的に大成功です。
今回のイベントに参加して、しんどかった面もありました。原稿も何回も書き直しました。しかし、イベントは結果的に成功しましたし、私にとっても高校生が想像を超える動きをしてくれて刺激的な経験になりました。この経験は私の今後の人生で財産として生きてくると思うので、参加して良かったと思います。私は今回再審について勉強したり、高校生たちの意見を聞く中で、現在の再審法はあまりにも法整備が不十分であるので、早急に再審法の改正の必要性を感じました。その改正案は今までの常識では考えられなかったような革新的な方法でも私はアリだなと感じます。
甲南大学2回生 中西直輝

11月の終わりに、甲南高校でワークショップを開催しました。目的は、甲南高校の生徒たちに対して、日本の再審制度の現状や課題について実際におきた冤罪事件をふまえて学んでもらい、グループワークを通して問題点や改善点に関する意見を出してもらい、さらに理解を深めてもらうというものでした。
日本の再審に関する法制は、現行の刑事訴訟法が制定された1948年以降一度も改正されておらず、1968年に起きた袴田事件の再審開始および再審無罪判決を機に世論の関心が強まり、国会の再審法改正議員連盟から改正法案が提出されると戸惑い、2025年の4月21日の法制審議会では再審制度の見直しを検討する刑事法部会の初会合が開かれ、以降議論が続けられています。しかし、世論は「冤罪」についての関心は高いものの、再審制度の実情はあまり知られていません。
日本の再審制度に問題があるのはもちろんのこととして、この問題をさらに深刻にしているものがあると考えられます。それはさきほど述べた再審制度の実情があまり知られていないことです。世論は大きな力を持つため、現行の司法制度を改革するためにはこのような問題を知ってもらう必要があります。再審制度の問題は我々が日本で生きる上では決して他人事ではありません。今回の活動のような機会を設けていくのは、私たちひいては日本全体のためになると考えます。
今回の活動を通して、ひとつの議題について議論を交わすことの重要性を改めて認識することができました。私たちは主催している側であるため、現状や課題についての答えを知っている状態でありました。そのため甲南高校の生徒たちを私たちが求める答えへと誘導するような姿勢でグループワークを進めていきました。彼らがだしてくれた意見はおおよそ私たちが求めるものでしたが、中には再審に裁判員制度の導入をしたり、再審を認められるように再審について専門的な知識を有する弁護士団を結成したりするといった、私たちが思いつかなかった斬新な意見が幾つかでたことに驚かされました。高校生にとって今回のトピックは少々難しいのではないかと考えていましたが、彼らと意見を交わした時間は私たちにとってもとても有意義な時間となりました。
甲南大学2回生 金居平大


