【ニュースレター】vol.29を配信しました!

袴田巌さん、無罪確定!

 2024年9月26日に静岡地裁が言い渡した袴田巌さんに対する再審無罪判決は、10月8日に控訴をしないという検察の判断が出されたことによって確定しました。IPJはこれまで、袴田さんのえん罪が一刻も早く晴れ、刑事手続の不安から解放されて真の自由を獲得することを祈って、袴田さんの事件に関する声明等を発出してきました。検察の控訴断念の判断は遅きに失したとはいえ、ようやく袴田さん姉弟に平穏な日々が戻ったことをうれしく思います。今後、袴田事件の発生当初から再審無罪確定までの全過程を中立的・公正な第三者委員会などにより検証し、二度と同じことが繰り返されないための制度や運用の改革を目指すべきです。

〈参考〉

2023年3月16日 【IPJ声明】一刻も早く袴田巌さんの再審公判を開くことを求める声明

2023年7月16日 【コラム】袴田事件:自白こそが最初の、そして最大の「証拠偽造」だった

2024年9月29日 【IPJ声明】袴田巌さんの再審無罪判決を受けて:一刻も早く無罪判決の確定を求める声明

今西事件シンポジウムまであと1ヶ月!

 IPJが2022年から支援してきた今西事件は、11月28日に大阪高裁で判決の言い渡しが予定されています。8月末のシンポジウムには多くの方にご参加いただきましたが、判決に向けてさらにシンポジウムを企画いたしました。ぜひお誘い合わせの上、ご参加ください!また、拡散にご協力をいただけますようお願い申し上げます。

今西事件シンポジウム 

――今西貴大さんが経験してきたこと、私たちが取り組んできたこと――

■日時 2024年11月7日木曜日 18時~20時(開場17時45分)
■場所 AP大阪駅前内 APホールII
〒530-0001 大阪府大阪市北区梅田1-12-1 東京建物梅田ビルB1F

*JR大阪駅から徒歩2分
*アクセスはこちらから

■要お申込み、参加無料
お申込み、お問合せはこちらから

■プログラム
1.はじめの挨拶
2.IPJ/IPJ学生ボランティアの活動内容について
3.今西事件の概要
4.対談
 川﨑拓也氏(弁護団主任弁護人、IPJ理事)
 今西貴大氏
 コーディネート 赤澤竜也氏(ジャーナリスト)
5.IPJ学生ボランティアと今西事件
6. 支援者からの挨拶
 菅家英昭氏(今西貴大さんを支援する会代表)など
7.弁護団から支援のお願いと御礼
 川﨑拓也氏、秋田真志氏、西川満喜氏、湯浅彩香氏、川﨑英明氏
8.ご挨拶:今西貴大氏
9.おわりの挨拶

■シンポジウムの趣旨
 本シンポジウムは、今西貴大さんが経験してきたことや今西さんご自身のお人柄について、より多くの皆さんに伝えるため、イノセンス・プロジェクト・ジャパン(IPJ)の学生ボランティアが企画しました。IPJ学生ボランティアは、えん罪事件について勉強しており、えん罪の問題を広く知っていただくためにイベントを企画するなどの活動をしています。今西事件について、本シンポジウムの他、中高生や一般市民に事件について知ってもらうためのワークショップを開催するなどしました。
 また、今西さんとの面会を、勾留されていた時から保釈された現在も数多く行っています。これを機に私たちIPJ学生ボランティアの取り組みについても知っていただければ幸いです。

■今西事件とは?
 今西事件とは、今西貴大さんが2歳の長女に対して自宅で何らかの暴行を加え、死なせたなどとして起訴され、第一審が懲役12年を言い渡した事件です。今西さんは一貫して無実を主張しており、大阪高裁で控訴審が行われています。
 今西さんは約5年半もの間大阪拘置所に身体拘束されていましたが、5月に控訴審が結審した後、7月26日に保釈が決定しました。11月28日には、大阪高裁で判決の予定です。

 イノセンス・プロジェクト・ジャパン(IPJ)は2022年4月から今西事件を支援しています。

今西事件についての詳細はこちらから

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主催:イノセンス・プロジェクト・ジャパ(IPJ)学生ボランティア
共催:一般財団法人イノセンス・プロジェクト・ジャパン(IPJ)、SBS検証プロジェクト、 今西貴大さんを支援する会、 日本国民救援会、KONANプレミア :多分野の力を集結して “えん罪救済”に取り組むプロジェクト

「世界えん罪の日」アクション

 毎年10月2日はえん罪に対する問題意識を高めることを目的とした「世界えん罪の日」です。世界中のイノセンス団体が、えん罪問題への関心を高めるべくイベントを行っています。

「ひとごとじゃないよ!人質司法プロジェクト」(HRW & IPJ)は、昨年に続き、意見広告を中日新聞朝刊に掲載しました。

 長期かつ期限のない身体拘束という精神的・肉体的苦痛の下、長時間の過酷な取調べにより自白を強制する。それが「人質司法」です。人質司法がなければ、袴田巌さんが自白させられることはなかったのではないでしょうか。

 袴田さんが、有罪とされてから釈放されるまで拘束されていたのは、実に47年7ヶ月9日、日数にすると17,388日に及びました。広告には、その日数を5で割った3,477個の「正」の字を並べています。見開き一面に広がる「正」の字が徐々に歪んでいくさまに、目を奪われます。

 本広告のデザインは、昨年に引き続き、株式会社電通のコピーライター橋口幸生さんと、同アートディレクターの岩下智さんが、本プロジェクトの鍵マークのロゴとともに、ボランティアで作成してくださいました。本広告の画像は、こちらにも掲載しています。ぜひダウンロードして、お手元に残してください。

〈参考〉昨年2023年の意見広告 「真実は、曲げられる」

 また、「ひとごとじゃないよ!人質司法プロジェクト」メンバーは、10月7日に「袴田事件と『人質司法』」というテーマで記者会見を行い、人質司法が変わらない限り今後もえん罪が生まれ続けることを訴えました。

〈参考〉「人質司法は冤罪の温床」人権団体が指摘 大川原化工機、袴田さんも(時事通信)

IPJサポーター増加を目指してチャレンジ開始!

 無実を訴える人の全てが簡単に司法にアクセスできるわけではありません。IPJはそのような人々の救済に向けて今後も活動を続けていきます。そこで、「世界えん罪の日」を記念してIPJサポーターを10日で10人増やしたくチャレンジを始めました。ぜひ、ご支援をお願いいたします。

 えん罪救済のための活動は、皆様からの寄付によって支えられています。IPJへのご支援方法には、いつでも寄付できる 一時寄付と、クレジットで継続的に寄付ができる マンスリーサポートがございます。