取調べの可視化の拡大
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- 横山信一君
じゃ、次に、大川原化工機問題について伺います。
刑事事件における被疑者又は被告人の自白は重要な証拠となり得ると。このことを踏まえて、虚偽の自白の誘発や冤罪の発生を防止するため、被疑者、被告人に対する取調べの手続を可視化することの重要性が指摘をされているところであります。
現状では、裁判員裁判対象事件や一部の独自事件に限定をされているところであります。対象を拡大することによって、供述内容の信用性を高めるとともに、冤罪の発生防止にもつながるというふうに考えるところであります。
取調べの可視化にはどのような課題があり、取調べの可視化はどの程度進んだのか、副大臣に伺います。 - 副大臣(三谷英弘君)
お答えいたします。
この取調べの録音・録画制度につきましては、これまでも被疑者から供述を得にくくなるという弊害や一定の人的、物的の負担の発生などの指摘もされてきたところではございますが、被疑者の供述の任意性等の的確な立証を担保するとともに、その取調べ等の適正な実施に資することを通じて、より適正、円滑かつ迅速な刑事裁判の実現に資するために導入されたものであることを踏まえ、これまでその対象とする事件の範囲についても検討が重ねられてきたものと承知しています。
検察当局におきましては、刑事訴訟法により義務付けられた事件の取調べの録音、録画に加えまして、取調べを録音、録画することの有用性や問題点も踏まえ、事案の内容や証拠関係等に照らし被疑者等の取調べを録音、録画することが必要と考えられる事件については、その運用によって積極的に録音、録画を実施してきたものと承知をしております。
具体的には、これも公表された資料でございますけれども、検察当局におきましては、令和六年度に取り扱った身柄事件の被疑者の取調べのうち、約九九%については録音、録画を実施しているものと承知をしています。
加えて、検察当局は、取調べの適正確保にも資する取組の一つとして、本年四月一日から一定の在宅事件の被疑者の取調べについても録音、録画の試行を開始したものと承知しております。
以上です。 - 横山信一君
これはもう一〇〇%録音、録画、可視化をすべきだというふうに思います。これは双方、取り調べる側にとっても、取り調べられる側にとっても、双方有益だというふうに思いますので、何か隠すというようなふうに見えてしまうので、可視化に更に取り組んでいただきたいと思います。
改正刑訴法に関する在り方協議会、ここでは、今年の七月、取りまとめを行いまして、令和七年七月ですね、取りまとめを行い、そこでは、新たな検討の場を設けるということを強く期待するというふうにされています。
大川原化工機事件やプレサンス事件など近年発生した個別事件の経緯や結果を踏まえた具体的な検討がなされるような新たな検討の場、これを設け、当事者からヒアリングを丁寧に行うなど、実際に発生した事件を基に具体的に検討することが必要と考えますけれども、いかがでしょうか。 - 政府参考人(佐藤淳君)
御指摘の協議会の取りまとめにおきましては、取調べの録音、録画の対象範囲の拡大を含む制度改正や運用の見直し、その他刑事手続における新たな制度の導入について、新たな検討の場を設けて具体的に検討を行うなど、所要の取組を推進することを強く期待したいとされているところでございます。
御指摘の新たな検討の場については、現在、立ち上げを検討中でありまして、お尋ねについて現時点においてお答えすることは、確たることをお答えすることは困難ではありますが、取りまとめの結果も踏まえて適切に対応してまいりたいと考えているところでございます。
被疑者取調べへの弁護人立会いの制度化
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- 横山信一君
ちょっと時間がなくなってきたんですけれども。
もう大川原化工機問題というのはあってはならない冤罪事件だというふうに思います。取調べの可視化、あるいは警察官や検察官による取調べにおける弁護人の立会いがあれば防げた事件であったかもしれません。
接見は憲法で保障されているのですから、捜査機関の判断に委ねることなく弁護人の立会いの機会を実質的に保障すべきと考えますけれども、これは大臣に伺います。 - 国務大臣(平口洋君)
お答えいたします。
被疑者取調べへの弁護人立会いについては様々な御議論があることは承知いたしております。被疑者取調べへの弁護人立会いの制度化について、以前、法制審議会において議論されたものの、収集方法として重要な機能を有する取調べの在り方を根本的に変質させて、その機能を大幅に損なうおそれが大きいとかなどの問題点が指摘されておりまして、法整備の対象とはされなかったものと承知しております。
また、近時、法務省で開催した改正刑訴法に関する刑事手続の在り方協議会においても議論が行われましたが、そこでも、必要な説得、質問を通じて被疑者からありのままの供述を得ることはおよそ期待できなくなるなどの指摘がされ、法整備を行う方向性は示されなかったものと承知いたしております。
したがいまして、現時点において、被疑者取調べへの弁護人立会いを制度化することについては慎重な検討を要すると考えております。 - 委員長(伊藤孝江君)
時間になりましたので、おまとめください。 - 横山信一君
はい。
圧倒的に悪い人がいるということを前提にしてね、今のような話だと分かるんだけれども、大川原化工機事件って、冒頭言ったように、あってはならない冤罪だったわけですよ。だから、こういう冤罪を起こさないためにどうするかということが重要だということで、また次、また次回に質問させていただきます。
以上であります。
