【学生ボランティア(甲南大学)】裁判傍聴レポート

IPJの学生ボランティアは、春休みも傍聴に行ったり勉強会をしたり、学びを深めています。今回は甲南大学から、裁判傍聴のレポートです!

甲南大学・学生ボランティアです!

私たちは2月に大阪地方裁判所へ行き、裁判傍聴を行いました。定期的に開催している裁判傍聴ですが、今回は初めて裁判傍聴に行った1回生からの感想を紹介します。


とても貴重な体験をさせていただきました。

今回は2件の裁判を傍聴しました。1件目は無免許運転による道路交通法違反の裁判、2件目は大麻を所持・使用したことによる大麻取締法違反の裁判でした。

皆さんは無罪推定の原則を知っていますか?「犯罪を行ったと疑われて捜査の対象となった人や、被告人について、刑事裁判で有罪が確定するまでは、罪を犯していない人として扱わなければならない」という原則です。有罪判決が確定していない被疑者・被告人は、一般市民と同じ取り扱いを受けるべきなのです。

皆さんはこの原則について、どこまで実感をもって理解していらっしゃるでしょうか。テレビや新聞で「容疑者」や「被告人」という文字を見るとすぐさま「犯罪者」というイメージを持ってしまいませんか?

私も裁判傍聴に行くまで、刑事法などの授業で聞いてはいても実際に関わる機会がなかったこともあり、この原則を忘れて「被告人=悪い人」というイメージを持ってしまっていました。しかし、今回の裁判傍聴を通して、被告人は私たちと何ら変わらない普通の一般市民なのだと感じました。無罪推定の原則を思い出す良い機会になりました。

1件目の裁判では、被告人質問において、被告人が反省すべき点を理路整然と話していたことが印象に残っています。

2件目は大麻取締法違反の事件で、冒頭手続から判決まで見ることができました。見る前は少し怖かったのですが、そんなことはなく、街を歩けばどこにでもいそうな普通の方でした。「大麻が曲の歌詞に出てくること、外国では大麻が合法なことなどから大麻を悪いものだと認識できなかった」「なぜ日本で大麻が違法になっているのかも分からない」と言っていたことが印象に残っています。

世の中には何も悪いことをしていないのに罪を犯した人(=悪い人)と同じ扱いを受けてしまい、社会復帰が難しくなることも学びました。そのため、裁判傍聴に行く際も、有罪が決まるまでは「被告人は悪い人」という誤った先入観を持ってはいけないことも学びました。

今回の裁判傍聴で学んだことを、今後のえん罪救済ボランティアでの勉強に活かせたらいいなと思います。機会があればまた裁判傍聴に行ってみたいです。

M.U.(甲南大学1回生)