【学生ボランティア(獨協大学)】Earth Week Dokkyoで資料掲示を行いました!

Earth Week Dokkyo の目的

 Earth Week Dokkyoとは、獨協大学で夏冬2回開催される「楽しく社会問題を学ぶ」をコンセプトにした1週間のイベントです。獨協大学IPJ学生ボランティアでは、人質司法や拘置所の問題性の認識を広めることを目的に、ポスター掲示を行いました。

ポスターの内容

 ポスターは、以下の5点で構成しました。

①「人質司法について」
 「人質司法」を聞いたことがない人に向けて一から分かりやすく解説したいと思い、作成しました。人質司法とは、被疑者や被告人が事件について否認、黙秘している場合に、身体拘束期間が長期化することを指します。
 人質司法は、なぜ問題となるのでしょうか?一つ目に、憲法や国際人権法に反するからです。現状日本の刑事制度は、これらの規定からかけ離れた運用がされています。二つ目に、精神的にも身体的にも被疑者の負担が多く、冤罪の危険性があるからです。

②「逮捕から勾留まで」
 逮捕→起訴前の勾留→起訴→起訴後の勾留→公判・判決という流れを図にしました。また、別件逮捕や、勾留却下率・保釈率の低さから、身体拘束が長期化する実態を示しました。

③「長期の身体拘束事例」
 国外逃亡が話題となったカルロス・ゴーン氏の事件を取り上げました。この事件では、元日産自動車会長が、金融商品取引法違反と会社法違反等で4度逮捕、勾留され、保釈までの勾留期間は130日間にも及びました。

④「冤罪はなぜ起こるのか」
 冤罪の原因として代用監獄を挙げました。これは、被疑者を拘置所の代わりに警察署内の留置場で勾留することです。警察署内の長期間の拘束は、自白の強要や、嘘の自白に繋がってしまいます。

⑤「拘置所の生活」
 学生ボランティアが実際に面会に行き、被告人から伺った話を掲載しました。拘置所では、十分な運動が出来ず、一日中正座かあぐらの姿勢でいるよう指示されます。また、コロナ禍では2週間弱、部屋から一切出ることができず、とても苦しかったそうです。冷暖房がなく、冬に肺炎になってしまうような環境が許されてよいのでしょうか?

さいごに

 今回のポスター展示が、獨協大学の学生にとって日本の刑事手続きの問題を知るきっかけになれば嬉しいです。

 人質司法を含め多くの刑事司法手続きの問題によって冤罪が引き起こされています。拘置所における被疑者・被告人の権利侵害も深刻です。このような問題を認識したうえで、本当に現状の運用のままでよいのか、みなさんと一緒に考えていけたらと思います。

 今回は資料を掲示しましたが、Earth Week Dokkyo Winterでは、ワークショップや公開授業など、より身近に刑事問題を考えるイベントを企画したいと考えています。

獨協大学3年生 K.M.