【学生ボランティア(京都女子大学・近畿大学・甲南大学)】狭山事件のイベントで模擬裁判実演しました

狭山事件のイベント

2024年2月23日、西成区民センターで「狭山事件の再審を実現しよう市民のつどい in 関西」というイベントが開催されました。

イベントでは記念講演の他、狭山事件でえん罪を訴えている石川一雄さんからのビデオメッセージや、東住吉事件、湖東記念病院事件、清水事件のえん罪被害者・えん罪被害者の家族の方からのお話などがありました。

模擬裁判の概要

模擬裁判のテーマは、満員電車の中での痴漢事件です。

女子高生が触られたと証言し、女子高生の同級生も、被告人が女子高生を触っているところを目撃したと証言しています。それに対して被告人は否認し、被告人の部下と、被告人とは無関係な乗客が触っていなかったことを証言しました。

この模擬裁判では、あえて判決を事前に作らず、会場のオーディエンスの方々に、検察側と弁護側どちらに賛成するか、挙手してもらう形をとりました。

結果は、満場一致で弁護側意見に賛成(無罪)でした。

学生の感想

以下は、実演に参加した学生からの感想です。

まず証人役の人からは・・・

今回の模擬裁判で、証人として裁判に参加することの難しさを感じました。また、会場にはとても多くの人が居て、その前で実演するのはとても緊張しました。

次に、ナレーション役の人からは・・・

今回の模擬裁判では、被告人が痴漢をしている場面を目撃したと証言する人と、痴漢をしていなかったと証言する人が存在していましたが、実際にこのような事案が発生した場合に裁判官がどのような判決を下すのか、とても気になりました。また、狭山事件についてのお話をうかがい、改めてえん罪の重みを強く感じました。

また被告人役の人からは・・・

今回の模擬裁判を通じて、被告人としての立場からの裁判を初めて経験することができました。

またこの実演を通じて、公正な裁判を行うことがいかに難しいかということを改めて痛感しました。実際に模擬裁判を見ていただいた方からは無罪だと判断して頂きましたが、被告人としての私の立場からは、負けるのではないか、と思う場面も多くありました。

この経験を活かしてIPJの活動に新たな視点を持込み、より多くのえん罪に苦しむ人々を助けられるように頑張りたいと思います。

そして、弁護人役の人からは・・・

私は弁護人役でとてもセリフが多かったため、気を張って今回のイベントに挑みました。模擬裁判なので、台本があったのですが、本当の裁判での実務家の方はその時々に応じて必要な質問を考えているのだと思うと、改めて私にはとても難しいなと思いました。

人間誰しも間違えるものなので、えん罪自体はなくならないかもしれません。ただ、誤った判断をしてしまったときにそれを認め、謝ることが大切だと思います。少しでもえん罪で苦しむ人がいなくなればという思いが強くなりました!

最後に

この模擬裁判で、私は検察官役をつとめました。

会場のオーディエンスからは無罪と判断されましたが、実際の裁判ではそれとは反対に、有罪となるかもしれません。

そうだとしても、このようなイベントで多くの人々にえん罪の問題点を知ってもらうことが、徐々にえん罪事件を減らしていく糸口になるのなら、学生としてできる役割の一つを担うことができたのではないかと感じました。

                                   (近畿大学4回生 出川晃之)