IPJメンバーの西愛礼が『冤罪 なぜ人は間違えるのか』を出版しました

書籍『冤罪 なぜ人は間違えるのか』

IPJメンバーの西愛礼弁護士(後藤・しんゆう法律事務所)が集英社インターナショナルから「冤罪 なぜ人は間違えるのか」を出版しました。

2023年に出版された学術書である『冤罪学』を一般市民にも分かりやすく新書の形にまとめたものになっています。冤罪から導かれた教訓を全ての人々に届けるものになっております。イノセンス・プロジェクト・ジャパンのことも記載されており、冤罪救済の輪を広げる一冊になることを願っています。

西愛礼『冤罪 なぜ人は間違えるのか』(集英社インターナショナル、2024年)

本体960円+税、288ページ

全ての人たちと共に「冤罪を学び、冤罪に学ぶ」

『冤罪学』は学術書(基本書)として書いたものであったため、主な読者としては刑事司法関係者(裁判官、検察官、弁護士、警察官、司法記者等)を想定しておりました。

しかし、この1年間でたくさんの市民の方々に『冤罪学』を手にとっていただきました。

学術書として難解な言葉も多かったはずの『冤罪学』を、たくさんの付箋をはり、何か所にもアンダーラインを引きながら読まれている読者の方々を目にして、市民向けの分かりやすい冤罪の本を書かなければならないと思い立ちました。

『冤罪学』のテーマである「冤罪を学び、冤罪に学ぶ」は決して刑事司法関係者だけのものではなく、”全ての人たちと共に「冤罪を学び、冤罪に学ぶ」”ということが実現できるのであればそれは素晴らしいことなのではないかと思ったのです。

仕事や勉強、育児の合間を縫って書かなければならず、決して楽な道中ではありませんでしたが、身の回りの方々やSNS上の方々に支えられ、なんとか書き進めることができました。

2023~2024年は冤罪や人質司法といった刑事司法の問題が大きく取り上げられ、刑事司法にとっても一つの歴史の転換点が来ていると思います。

しかし、刑事司法の改善や冤罪の防止は私たち刑事司法関係者だけでは実現できません。法律改正の原動力となる世論などを、市民の皆様の力が必要不可欠です。

将来の冤罪を1件でも減らせるよう一生懸命書きましたので、本書が皆様のお手元に届きますと幸いです。

西 愛礼(にし よしゆき)