【御礼】今西事件・控訴審総括シンポにお越しくださいまして、ありがとうございました!

 2025年2月28日に開催しました、IPJ共催の今西事件シンポジウム「逆転無罪判決を総括する」にお越しくださいまして、誠にありがとうございました。当日は、会場に約100名、オンラインで約50名もの方にご参加いただきました。

 シンポジウムではまず、2017年以降、乳幼児揺さぶられ症候群(SBS)や虐待による頭部外傷(AHT)の問題に取り組んできた、SBS検証プロジェクト事務局長の川上博之弁護士より、総論的なお話が行われました。

 川上弁護士は、2018年以降のSBS/AHTにかかる連続無罪判決に触れながら、今西事件控訴審判決の意味について分析しました。控訴審判決は、本件が検察官の主張する「外力による脳幹損傷」によるものとはいえないことから、真の原因についての判断をするまでもなく無罪とすべきであると判断しました。この判断は、一審判決の歪みを指摘し、刑事裁判の原則に基づく無罪判決であったこと、検察官の立証の不十分さを徹底的に指摘した判決であって、この種の事案の問題の本質を指摘しているとの評価が行われました。

       *今西事件控訴審の判決全文を、こちらでお読みいただけます。ぜひご一読ください。

 次に、SBS検証プロジェクトの宇野裕明弁護士の司会のもと、多摩北部医療センターの小保内敏雅医師と、SBS検証プロジェクト共同代表の秋田真志弁護士との鼎談が行われました。鼎談では、医師の証言について、医学的エビデンスがあることを徹底的に確認すべきこと、死因究明の観点を忘れないことの重要性があらためて指摘されました。

 そして、SBS検証プロジェクトの陳愛弁護士の司会のもと、今西事件の当事者である今西貴大さんと、今西事件主任弁護人の川崎拓也弁護士(IPJ理事)の鼎談が行われました。SBS/AHTえん罪による、当事者に対する深刻な影響が、リアルに語られました。 

      *今西貴大さんが出演された、「街録CH」(YouTube)の動画をこちらでご覧いただけます。今西さんが、ご自身の経験を語っておられます。

 控訴審の無罪判決に対して検察官は上告し、事件は現在最高裁判所に係属しています。一刻も早く今西貴大さんの無罪判決が確定するよう、引き続きのご支援をよろしくお願いいたします。

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