【ニュースレター】vol.17を配信しました!

皆様、いかがお過ごしでしょうか。
IPJニュースレターvol.17をお届けします!

IPJ連続セミナーは22日から!

日本・韓国・台湾の刑事司法 ―比較して見えてくるものとは?―

 日本の刑事司法を世界から見たら、どう見えるのでしょうか。

 本連続セミナーでは、日本と同じく東アジアにあり、日本法を基礎として刑事司法制度を作ってきた韓国と台湾の刑事司法の現状を学びます。

 各国における捜査手法・法科学と鑑定の体制・再審制度を概観し、その先進的な状況を明らかにする報告をとおして、日本のえん罪防止に何が必要かを考えます。各回とも有識者のコメントと質疑応答の時間を設定しております。是非、奮ってご参加ください

要お申込み・無料です

【日時・内容】

■第1回  再審制度の現状
2024年6月22日(土)am10:00-12:00
講師:鴨志田祐美(京都弁護士会、IPJメンバー)
コメント:笹倉香奈(甲南大学法学部、IPJ事務局長)

■第2回  法科学と鑑定制度
2024年7月6日(土)am10:00-12:00
講師:平岡義博(立命館大学衣笠総合研究機構、IPJメンバー)
コメント:徳永光(獨協大学法学部、IPJメンバー)

■第3回  捜査のあり方
2024年8月3日(土)am10:00-12:00
講師:安部祥太(関西学院大学法学部、IPJメンバー)
コメント:西愛礼(大阪弁護士会、IPJメンバー)

【お申込み方法】

こちらからお申込みをお願いします。後日、ZOOMのURLをお送りします。

【主催】
一般財団法人イノセンス・プロジェクト・ジャパン お問い合わせはこちらから

ご支援へのお礼

2023年度は、皆様からのご寄付のおかげでえん罪救済活動やえん罪問題を社会に広げるためのイベントを精力的に行うことができました。また、事務所の毎月の家賃の一部を寄付で賄うことができました。心よりお礼申し上げます。えん罪事件が大きな注目を集めている現在、さらに活動を進めていきます。これからもご支援をどうぞよろしくお願い致します。

IPJへのご支援方法には、いつでも寄付できる 一時寄付と、クレジットで継続的に寄付ができる マンスリーサポートがございます。詳しくは下記の「寄付をする」からご覧ください。

「えん罪救済センター」NEWSのバックナンバーから記事を紹介することで、えん罪救済に向けて走り続けてきたIPJの軌跡を追う企画、第2弾は「えん罪救済センター」設立1周年の記事です。センター設立の裏話もあるコラムこちらから

IPJ活動報告

1)支援状況

新規申込件数:3件(4月)

審査中件数 :33件

現在支援件数:4件

 IPJの審査は、確定した事件の支援の可否に限られません。まだ判決が確定していない事件についても支援の対象になります。確定していないため、まさに刑事手続きが進んでおり、迅速な審査が求められます。支援決定をした事案では、IPJから弁護人を派遣し、裁判を担当しています。

〈城使 洸司〉


2)今西事件

 2024年5月21日の期日では、弁護側、検察側双方から弁論が行われました。この日はいつもにも増して、たくさんの方が応援に来て下さり、大阪地方・高等裁判所の大法廷は満席となりました。

 主任弁護人は、弁論の最後に「私たちは特別のことを求めているわけではない。ただ普通の判断をして欲しいだけなのです。」と訴えました。今西さんには、医学的な根拠も乏しい中で懲役12年の有罪判決が下されました。普通の判断をしてもらえれば、無罪となるはずです。

 次回は2024年11月28日10時30分から、判決期日です。判決期日までに今西事件に関するイベントが開催される予定ですので、適宜情報をチェックしてください。

〈湯浅 彩香〉

【学生ボランティア 傍聴レポート】

 今西事件が結審しました。5月21日に最終弁論の期日を傍聴しました。2024年11月28日10時30分に、大阪高等裁判所201法廷にて控訴審判決が言い渡されます。今西さんが拘置所に収容されてから約6年の年月が経とうとしています。被疑者や被告人を長期間勾留する日本の状況は「人質司法」と呼ばれ、世界的に批判されています。この現状を知らない方々に問題を認知して頂けるよう、学生ボランティアも広報活動に取り組んでいきたいです。

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、「ひとごとじゃないよ!人質司法」まもなく1周年

「ひとごとじゃないよ!人質司法プロジェクト」は、6月30日で1周年を迎えます。本プロジェクトは、IPJと国際人権NGOヒューマン・ライツ・ウォッチとのコラボレーションによる取り組みです。

この間、多くの方にこの問題について知っていただくために発信を続けてきました。市民の皆様と一緒にこの問題を考えるいくつかのイベントも実施しました。IPJからは、人質司法を解消するために、現在の刑訴法をいかに改正すべきかに関する要綱案も作成し公表しました。

 引き続き、多分野の方と協働しながら、より良い司法実現のための様々なイベントや活動を仕掛けていきます。これからもホームページなどで発信を続けていきますので、是非ご注目ください!


4、学生ボランティア活動報告

1)龍谷大学

 3月26日、ドイツ・ハレ大学学生との合同討論会が行われました。「死刑」をテーマとして議論が行われました。IPJ龍谷学生ボランティアからは2人が参加し、えん罪と死刑についてなどを報告しました。ドイツの方々は、日本には死刑事件に特別な手続がないことや、袴田さんの拘置期間などに驚いておられました。初めての英語での報告は緊張しましたが、互いの国について知ることができる、良い機会となりました。
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2)甲南大学

 甲南大学IPJ学生ボランティアでは、新たに入学した1回生に向けて、新2・3回生幹事で説明会と研修会による新歓活動を企画し、実施しました。昨年度の活動の写真を使ってイメージを持ってもらったり、「今西事件」と「神戸質店事件」の説明などを行った結果、90人以上の1回生が加入してくれました。Instagramの活用も効果的だったようです。総勢155人となった今年は、昨年より規模の大きいイベントも企画できそうで楽しみです。

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3)中央大学 

 2024年4月15日に東京地方裁判所で「人種差別的職務質問をやめさせよう!」訴訟の第一回口頭弁論が行われました。この裁判は、外国にルーツを持つ原告3名が、国、東京都、愛知県を相手に、人種差別的な職務質問が憲法や国際条約に反する等として提訴したものです。原告の訴えなどを通して、「外国人に見える」という理由だけで職務質問が行われている問題が明らかになってきました。東京弁護士会が外国にルーツを持つ人を対象に行ったアンケート調査では、回答者の約6割が過去5年間に職務質問を(その多くは複数回)経験したそうです。今回の裁判では、愛知県警が外国人であることを理由に職務質問を推奨していたことを示す証拠も提出されました。現代の日本では人権意識が高まっていますが、差別は依然として存在します。これをなくすためには、他国の文化などに対する理解が重要であると考えます。

〈中央大学法学部4年生・中野 栄二〉

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