ニュースレターvol.10を配信しました!

「ひとごとじゃないよ!人質司法」プロジェクト

   10月2日「世界えん罪の日」に特別号でお知らせしたプロジェクトの新企画、大きな反響をいただいています。

1)日本初「人質司法サバイバー国会」まであと数日!
 11月10日に、人質司法のサバイバー達が集まって、刑事司法の改革のために声を上げます。
 罪を認めなければ長期間にわたって身体拘束されるという日本の刑事司法の実務運用は、被疑者・被告人の身体を人質にして自白を迫り有罪判決を獲得しようとするものだとして、「人質司法」と呼ばれ、国際的にも批判の対象になっています。
 こうした「人質司法」の当事者は日本に多数いますが、逮捕勾留や有罪判決などへのスティグマゆえに公の場に出ることや、連携することが困難でした。しかし 今回、勇気あるサバイバーの皆さんによって、日本で初めてとなる「人質司法サバイバー国会」の開催が可能となりました。
 イベント冒頭では、村木厚子さん(郵便不正事件)、山岸忍さん(プレサンス・コーポレーション事件)による基調スピーチが行われます。その後、大川原正明さん&島田順司さん(大川原化工機事件)、藤井浩人さん(美濃加茂市長事件)を含めたサバイバー10名以上が、リレースピーチで、人質司法の過酷な体験をお話ししてくださいます。国会議員からのスピーチも予定しております。
 参加のお申し込みはまだ受付中です!サバイバー達を応援するためにぜひ現地でご参加ください。詳細ならびにお申し込みは こちらから。

*会場は議員会館を予定していますが、近くの別会場に変更する可能性があります。お申し込みをくださった方には、当日までにご案内を差し上げます。

2)「ひとごとじゃないよ!人質司法」ロゴと意見広告
 プロジェクトのキャッチコピー、「ひとごとじゃないよ!人質司法」にピッタリのロゴが完成しました。
 ロゴは、人質司法の現実を「鍵」と「人型の鍵穴」で表現しています。鍵をあけて人質司法から人々を解放するためには、多くの方々の力が必要です。もしも「自分には関係ない」「ひとごとだ」として社会が無関心であれば、簡単にこの鍵は閉じてしまい、誰もが「人質」になりうる状況が変わることはないでしょう。「ひとごとじゃないよ!人質司法」という問題を広め、鍵を開ける力となってくれる人が一人でも増えることを願っています。
 ロゴをボランティアで作ってくださった株式会社電通のアートディレクター、岩下智さんの思いはこちらから。「人質司法サバイバー国会」にご参加の方には、このロゴのステッカーと缶バッジをプレゼントします!

 また、「世界えん罪の日」には、袴田事件の地元の静岡県で、中日新聞東海本社版(静岡)朝刊に「ひとごとじゃないよ!人質司法」のカラー広告を掲載しました。
 折り曲げる前と後を見比べると、人質司法のもとで隠されたストーリーを知ることができます。手にとってくださった方からは、「こんな実態があるとは驚いた」、「事実が簡単に曲げられることが分かった」という声と共に、「紙を折るのが久しぶりで楽しかった」というご感想もいただきました。SNSでも話題になった広告です。

広告の画像をホームページからダウンロードして、真実が曲げられる状況を感じてください。この意見広告は、キャッチコピーを作ってくださった株式会社電通のコピーライター橋口幸生さんと、ロゴを作ってくださった同アートディレクターの岩下智さんによるものです。

3)「ひとごとじゃないよ!人質司法」サバイバー・ストーリーの連載を開始
 人質司法特設サイトにて、サバイバーの体験談を掲載しています。
 第一弾は、高津光希さんのストーリーです。生後1ヶ月の長女を失った悲しみの中、突然に警察の家宅捜索が始まります。それが「地獄の始まり」だったと話す高津さん。その後、2年以上に及ぶ身体拘束は、高津さんの人生から希望を奪っていきました。>もっと読む 「自殺したいと真剣に思うようになりました」
 第二弾は、プレサンス・コーポレーション事件の山岸忍さんのストーリーです。自由も名誉も財産も奪われ、家族や弁護人とも自由に会えない状況が続く中で、山岸さんの心身はむしばまれていきます。人質司法からようやく解放されたのは、逮捕から248日後でした。>もっと読む 「太陽の見えない248日」

 人質司法サバイバー国会では、お二人からもスピーチがあります。参加のお申し込みはこちらから!特設サイトでは、今後もサバイバー・ストーリーを更新します。ご期待ください。

IPJ活動報告

1)支援状況
○ 新規支援申込……7件(9月)
○ 審査中の事件……32件
○ 支援中の事件…… 4件

 審査委員会では、申込事件について、支援可能かどうかを皆で議論し決定しています。残念ながらご希望に添えない場合もありますが、えん罪救済の最後の砦として、慎重に慎重を重ねるため、議論は白熱することもしばしばです。今後も、えん罪に苦しむ多くの方々に支援を届けられるように、審査委員一同、知恵を出しあって参りたいと思います。

理事・審査委員長 川崎拓也


 2) 今西事件
 2023年10月26日、今西事件控訴審第3回公判期日が実施されました。
 今回は傷害致死事件について、検察側・弁護側双方から放射線科医が出廷し、A子ちゃんのCT画像から外力の痕跡が確認できるのかについて証人尋問が実施されました。
 一審が有罪の根拠としたCT上に出血があったとする検察側脳神経外科医の証言を、弁護側放射線科医だけではなく、検察側放射線科医すらも事実上否定し、CT画像からは、外力の存在を直接示す痕跡は確認できないことが明らかとなりました。
 次回は2023年11月30日10時半から、検察側・弁護側双方から病理を専門とする医師が証言します。予定されている証人尋問としては最後の尋問となります。

今西事件弁護団 湯浅彩香

公判後には「今西貴大さんを支援する会」による報告会が行われ、メディア、支援者が多数参加しました。学生ボランティアも、それぞれ傍聴の感想を話してくれました。学生たちが持っているのは、控訴審に合わせて内容を更新した今西事件リーフレットver.2です。

今西事件、神戸質店事件を分かりやすく説明する三つ折りリーフレットを作成しました!IPJのメンバーが行う講演会やイベントで配布して活用しています。どちらのリーフレットも ホームページからダウンロードしていただけます。ぜひご覧になって、事件について知ってください。


IPJサポーター募集中!
 えん罪は過去のものではありません。支援を受けることができずに苦しんでいる方が、まだまだ多くいらっしゃいます。IPJは、えん罪被害者が適切な支援につながるための窓口となることを目指して活動しています。 
IPJへのご支援方法には、いつでも寄付できる 一時寄付と、クレジットで継続的に寄付ができる マンスリーサポートがございます。詳しくはホームページの寄付をするからご覧ください。

チャリティーグッズ限定販売

 京都のチャリティー専門販売ファッションブランド JAMMINさんが、IPJの活動を取り上げてくださることになりました。
 10月30日から11月5日の一週間、IPJをイメージしてデザインされたTシャツ、鞄、ポーチなどを購入していただけます。売上の一部が、IPJへの寄付となります。*終了を11月6日としていましたが5日の誤りでした。
 IPJ事務局長の笹倉香奈、今西事件と神戸質店事件の弁護人でもあるIPJの湯浅彩香へのインタビュー記事も30日に公開です。
 どんなデザインなのかは、30日までのお楽しみですが、「公平公正な司法」を目指すIPJの思いがクールな絵柄になっています。ヒントは「天秤」です。また、疑われた人を犯人と思い込むことがえん罪を生むことを伝えるメッセージが添えられています。JAMMINホームページ 「今週のチャリティー」にアクセスして、IPJを応援してください!

販売は10月30日から11月6日の一週間です。その他の期間は、IPJ以外の団体様の応援ページとなりますのでご注意ください。

今月のコラム

1)心理学者の視点
 皆さんは心理学と聞くと、どのようなイメージを持ちますか。心理学は科学なの?裁判でどうやって心理学を使うの?実は、心理学という学問に対する一般の人の認識は、IPJが関わる刑事裁判にも重大な影響を与える可能性があります。IPJメンバーで心理学者の福島由依が、広告の例なども挙げながら分かりやすく解説します。もっと読む

2)台湾での再審法調査
 再審法の改正は、えん罪救済にとって欠かせません。9月に、大阪弁護士会の再審法改正実現プロジェクトのメンバーが、再審法の調査のために台湾を訪れました。IPJからも5人のメンバーが参加しています。誤った司法判断を是正するための制度や組織の充実ぶりに、台湾から学ぶことが多くあったという、IPJメンバー松本亜土のレポートです。もっと読む

3)韓国の科学捜査がすごい!(最終回)
 平岡義博(元科学捜査研究所主席研究員)による韓国調査旅行記は、いよいよ最終回となりました。第4弾では、ソウル警察庁を取り上げています。この警察庁にある科学捜査課の鑑識レベルは日本に比べて格段に高いといいます。その理由はどこにあるのでしょうか?山村にあるヤンパンの家を描いた「晩秋之両班館」と共にお楽しみください。もっと読む

4)西愛礼『冤罪学』公刊
 えん罪問題を体系的に扱った『冤罪学』が出版されました。著者は、IPJメンバーの西愛礼です。「人はなぜ間違うのか」という点を法的視点だけでなく心理学などさまざまな知見をもとに整理しています。「冤罪を学び、冤罪に学ぶ」ための一冊、えん罪問題に関心のある全ての方にお勧めします。もっと読む

学生ボランティアの活躍

 11月の人質司法サバイバー国会でも活躍が期待される学生達の活動、今月も充実しています。

1)京都女子大学
 京都女子大学IPJボランティアでは、自分たちで調べて関心をもった事件について独自の学習会を行っています。
 9月には、豊川事件の現地調査を行いました。豊川事件は、花火大会の夜に、ゲームセンターの駐車場から当時1歳10ヶ月の幼児が連れ去られ、その後、海岸で溺死した状態で発見された事件です。当日駐車場にいたとされる田邉さんが犯人とされ、物的証拠がない中、ほぼ自白に基づいて有罪判決を受けています。
 私たちは、弁護団と「田邉さんを守る会」のご協力のもとで、駐車場と海岸での実験を行いました。そして自白通りに幼児を略取した場合の不自然さや、幼児を遺棄する方法の不自然さなどに気づきました。この調査で得た知見を今後の活動に活かしたいと思います。また関わってくれた皆様に感謝申し上げます。(京都女子大学3回生 森さくら)>全文はこちらから
 また、「電車内において成人男性が15歳の少年の陰部付近を着衣の上から右手で触れた」とされている事件を取り上げ、10月9日に、事件を担当した弁護人の池田良太先生(IPJメンバー)からの聞き取りを行いました。お話をうかがって、本当に証言通りに犯行が可能だったのか疑問に感じたので、自分たちでも実験をして確認してみようと思いました。(京都女子大学3回生 佐野綾香)>全文はこちらから

2)甲南大学
 甲南大学の学生ボランティア30名は、9月の終わりに名古屋に1泊2日の研修に行きました。集中的に様々な刑事司法の現場を見て、学びを深めました。訪問先すべてについてメンバーがレポートを書来ましたので、是非お読みください。>全文はこちらから
 また、10月中旬に甲南大学で開催されたソーシャルビジネスフェス2023にはブースを出展し、IPJの活動について広報活動を行いました。>全文はこちらから