【学生ボランティア(京都女子大学)】京都刑務所を参観しました

 京都女子大学IPJ学生ボランティアは、8月20日に京都刑務所を参観しました。普段立ち入ることのない場所で、非常に貴重な体験となりました。

 最寄り駅(椥辻駅)から徒歩10分ほどで緑色の傾斜した屋根が特徴的な建物が見えてきました。入口では、刑務官の方が丁寧に出迎えて下さいました。

 始めに、会議室で、京都刑務所についての説明を受けました。京都刑務所は、B指標(犯罪傾向の進んだ者)及びF指標※(日本人と異なる処遇を必要とする者)の受刑者を対象としていて、現在は888名の受刑者を収容しているそうです。受刑者の一日のスケジュールや、刑務所の役割など、様々なお話をうかがうことができました。

 ※日本人と異なる処遇を必要とする者のうち、京都刑務所では、日本語でコミュニケーションがとれる者のみを受け入れているそうです。

 その後、施設の内部を案内していただきました。受刑者が作業を行う工場や、作業の合間に使う運動場や体育館、居室、浴場などを見学しました。

 スーツケース1つ分の私物しか持ち込みが許されないこと、入浴時に使用できる水の量が決められていること等、受刑者に対して厳しい規律がある反面、栄養バランスが考えられた食事や、刑務作業の合間の運動時間、常駐の医師など、受刑者も規則の範囲内で人権を尊重された生活を送ることができるようになっていることがわかりました。

 個人的に、「刑務所は刑罰を受けさせる場所である」と認識していたため、受刑者を気遣った仕組みが整いすぎていて本来の目的を失っているのではないかと疑問にさえ思いました。しかし、刑務官の方から、「刑務所は受刑者を更生させ、社会復帰を手助けする場所でもある」というお話をうかがい、単なる刑罰の場ではなく、受刑者の社会復帰も兼ね備えている場所であることを学びました。また、罪を犯したといえども、受刑者も一人の人間であり、更生後の人生があるということを理解できていなかったと自分の認識の甘さに気づかされました。

 今回の刑務所参観を通じて、授業だけでは学ぶことのできないことを学ぶことができ、自分の目で見て経験することの意味を知り、様々なことを考える機会にもなりました。

(京都女子大学 1回生 K.I)