【ニュースレター】vol.24を配信しました!

【続報】今西貴大さん、保釈!

シンポジウムにぜひご参加ください

 2024年7月26日午後5時頃、今西貴大さんが保釈され、5年半ぶりに身体拘束を解かれました。大阪拘置所では、弁護団や家族が今西さんを出迎えました。IPJのメンバーや学生ボランティアも、その様子を遠目で見守りました。

大阪拘置所から出てきた今西貴大さん。

主任弁護人で、IPJ理事の川﨑拓也弁護士と喜びを分かち合います。

保釈の経緯や、新たな「監督者制度」の全国初の適用例になったことなどについては、下記の各社報道をお読みください。

IPJは、2024年11月28日に大阪高裁にて言い渡される予定の控訴審判決を見守り、今西さんの無罪確定に向けて、引きつづき全力を尽くします。また、えん罪、そして人質司法の被害者がこれ以上出ないよう、引き続き制度改革を実現するため、まい進します。

皆様におかれましても、引き続きのご支援をお願いいたします。

IPJのメンバー、学生ボランティアも、今西さんの様子を遠目で見守りました。

今西貴大さんのコメント全文

 まずは応援してくださった方々に御礼を申し上げたいと思います。
 勾留されたことで、僕の人生はがらりと変わってしまいました。
 長い間、僕は独房の中にいて、社会から排除されていました。
 保釈許可決定がでたことを知ったとき、うれしくて涙がでました。でも、最後まで判断は覆るかもしれないと思い、信じたいような、あまり期待したくないような複雑な気持ちでいました。
 そして、さきほど保釈許可決定が確定し、釈放されると聞いて、やはりまた、涙がでました。
 誰もが突然、逮捕され、起訴され、有罪だといわれ、処刑されうると知った5年半でした。納得のいく理由も教えてもらえないままにです。  人質司法の生存者として、今回の体験は語り継いでいきたいと思います。

2024年7月26日

今西 貴大

今西弁護団・コメント全文:今西貴大さんの保釈にあたって

 本日、大阪高等裁判所第6刑事部は、検察官の異議申立を棄却し、今西貴大さん(以下、「今西さん」といいます)に対する同第3刑事部(以下、「第3刑事部」といいます)による2024年7月23日付保釈許可決定を維持する決定をしました。これにより、今西さんは5年5か月余の長期にわたる身体拘束から解放されることとなりました。

 第3刑事部は、今西さんの控訴審の審理を担当した係属部です。第3刑事部は、控訴審の審理経過や内容を考慮し、さらには最近の刑事訴訟法改正で導入された監督者制度(刑訴法98条の4)や報告命令制度(同95条の4)を活用することで保釈決定に至ったものです。

 裁判員裁判導入による一審重視や近時の逃走防止の厳格化の中で、一審で懲役12年の量刑であった事件の控訴審で保釈が認められることは、異例のことであり、今回の裁判所の判断はきわめて重要なものです。弁護団としても、敬意を表したいと考えます。

 今西さんは、逮捕以来一貫して無実を訴え、弁護人も今西さんの無罪を確信して弁護活動に取り組んできました。そして、公判の中で、今西さんの無実を裏付ける医学的な所見が次々と明らかになりました。何よりも無実にもかかわらず、長期間の身体拘束下にあった今西さんが、勾留から解放され、自由な時間を過ごすことができることに安堵しています。

 本保釈決定は、最近の刑事訴訟法改正により創設された監督者制度等の新制度を、保釈を認める方向で活用しようとするものです。このように新制度は、身体拘束の解放の方向で積極的に活用され、少しでも人質司法の緩和に近づくことが望まれます。

 しかし、第1審から一貫して今西さんが無罪であることを主張・立証し、控訴審での審理の節目節目の段階で繰り返し保釈請求をしてきた弁護人の目から見れば、保釈決定は遅きに失したといわざるをえません。人質司法の克服の課題がなお残ることを確認しておきたいと考えています。

 弁護団は、これまで今西さんや支援者とともに、無罪判決に向けた最大限の弁護活動を行ってきました。その姿勢は、無罪判決の日まで変わりません。

 今西さんに対する控訴審の判決公判は本年11月28日に予定されています。弁護人としては、これまでの控訴審の審理経過や内容に照らせば、今西さんに言い渡される判決は無罪のほかにはないと確信しています。

2024年7月26日

今西貴大さん

主任弁護人 弁護士 川﨑拓也

弁護人 弁護士 秋田真志

弁護人 弁護士 西川満喜

弁護人 弁護士 湯浅彩香

弁護人 弁護士 川﨑英明

本件に関する報道

関西テレビ 【速報】死亡した2歳娘への「虐待」疑われ5年半“勾留”されていた父親が保釈へ

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関西テレビ(動画) 【逆転無罪の可能性】2歳の娘への虐待を疑われ 懲役12年の実刑判決を受けた父『病死』か『暴行死』か 二審の判決を前に異例の保釈

朝日新聞 一審で長期実刑、無罪主張の被告が異例の保釈へ 5月の新制度を適用

ABCニュース 2歳女児にわいせつな行為 傷害致死罪で一審懲役12年の被告 異例の保釈へ 「監督者」選任やGPSが条件

毎日新聞 養女暴行死で無罪主張の被告、異例の保釈決定 「監督者」条件に

時事通信 傷害致死で一審実刑の男保釈=「監督者」制度適用―大阪高裁

日経新聞 保釈に監督者制度を初適用か 大阪、2歳娘暴行死の被告

産経新聞 1審で懲役12年判決、無罪主張の35歳被告を異例の保釈 「監督者」に母親、新制度初適用か

共同通信配信 新設「監督者」選任制度で保釈

 


今西事件シンポジウムを開催します!

8月28日(水)14時から、キャンパスプラザ京都(京都駅から徒歩5分)にて、IPJ学生ボランティアが企画・運営する今西事件シンポジウムを開催いたします。今西事件をこれまで応援してくださった方も、初めて知るという方も、ぜひ会場にお集まりください!ご参加は無料です。お申込みが必要ですので、こちらからお申込みくださいませ。

 ※こちらのシンポジウムはすでに終了しております。ご参加いただき、どうもありがとうございました。

[参考]  昨年3月に開催した今西事件シンポジウムの動画はこちらからご覧いただけます。