ニュースレターvol.5を配信しました!

新緑のすがすがしい季節になりました。いかがお過ごしでしょうか。IPJニュースレターvol.5を発行しました!

法人としてスタートしました!

 皆様からのご支援のおかげで、法人化という目標を達成することができました。今後は、一般財団法人イノセンス・プロジェクト・ジャパンとして活動を進めてまいります。
 理事長・石塚章夫と、事務局長・笹倉香奈からのご挨拶です。

(1)理事長からのご挨拶 
 この度、イノセンス・プロジェクト・ジャパン(IPJ)が、財団法人として新たに出発することになりました。2016年4月に活動を開始して以来、数百件の支援申込を受けてそのうち9件について支援を開始し、2件について無罪判決が確定し、現在4件について支援中です。
 IPJは、DNA鑑定や供述の心理学的分析等の科学的方法によってえん罪の救済を図ることを目的として、司法実務家、法学者、心理学者、情報科学者等の専門家有志が無償でえん罪救済に取り組んでいる日本で唯一の民間組織です。昨年の秋に、これまで懸案であった法人化を目指してクラウド・ファンディングを立ち上げたところ、予想を大きく上回る賛同を得、IPJに対する関心と期待の大きさをあらためて自覚するとともに、資金的な基盤を確立できたことから、財団法人としての活動を開始することになったものであります。
 私は、本財団法人設立に当たって、その理事長に就任致しました。38年間裁判官をした後、現在弁護士をしております。裁判実務に携わる中で、証拠評価の難しさを痛感し、それが適正になされることを求めてIPJの活動に参加してきました。同時に、えん罪が生まれてしまった場合には、その原因がどこにあるのかを解明して、同じ過ちを二度と繰り返さないようにする活動も不可欠だと考えています。IPJは、アメリカ合衆国をはじめとするイノセンス・プロジェクトのネットワークにも参加して、この二つの目的達成のために邁進して参ります。
 皆様からのご支援を期待しております。 
 理事長 石塚章夫

(2)事務局からのご挨拶 
 一般財団法人イノセンス・プロジェクト・ジャパンは、3名で構成される理事会と、監事、3名の評議員により構成されています(IPJのメンバ―一覧は こちら)。理事会のもとに事件を支援するための審査委員会、科学者から構成される科学者ネットワーク委員会、広報委員会を置き、えん罪救済を推進するための体制を整えました。
 法人化にあたっては、快く登記関連の手続を引き受けてくださった京都司法書士会の内藤卓先生をはじめとする専門家の先生方から、暖かいご助力を頂きました。
 また、法人化を後押しして下さり、いつも応援してくださっている皆様に、心より御礼申し上げます。
 私も事務局長として、IPJの活動を一層推進できるよう努めてまいります。新しいIPJを、これからもどうぞよろしくお願いいたします。
 事務局長 笹倉香奈

IPJサポーター募集中! 
 IPJは、皆様からのご寄付に支えられています。たくさんの方々に応援いただいているということを、ご寄付を通して実感しております。
 私たちは、寄付をしてくださった方々を「IPJサポーター」と呼び、その方々の想いをもとにえん罪の救済に取り組んでいきます。より多くのえん罪被害者を継続的に救済していくために、ぜひ 「IPJサポーター」になってください! 

 ホームページの 寄付ページをより分かりやすく更新し、いただいたご寄付をどのように活用させていただくかについても追記しました。 ご寄付は単発と継続(毎月)のいずれかで、クレジットカード・銀行振込・ゆうちょ振込から方法をお選びいただけます。 私たちと一緒に、えん罪救済に向けた大きなムーブメントに参加していただけましたら幸いです。どうぞよろしくお願いいたします!

イノセンス・ネットワーク大会レポート

 イノセンス・ネットワークは、えん罪救済運動に参加する世界中のイノセンス団体で構成されています。アメリカだけではなく、カナダ、南アメリカ、ヨーロッパ、そしてアジアにもつながりが広がっています。2023年4月14日・15日に開催された世界中のイノセンス団体が集まるイノセンス・ネットワーク大会に、IPJのメンバーが参加しました。
 ホームページで、参加レポートを連載中です。現地の興奮が伝わる写真もありますので、ぜひご覧ください。以下、レポートから一部をご紹介します。
参加レポート(1)笹倉香奈 
 ことばや制度が違っても、どの国にもえん罪事件は存在します。そして、えん罪の原因には、驚くほどの共通点があります。世界中に同じ目的に向かって 闘う「自由のために闘う同志たち Freedom Fighters」がいることに、なによりも力を得た2日間でした。
 IPJの若手メンバーたちが、イノセンス・ネットワーク大会への参加報告をしてくれます。ぜひ、世界に広がるえん罪救済のつながりを感じてください。→ 全文

参加レポート(2)西 愛礼 
 2日間を通し様々な講演やディスカッションが行われました。我々は、ストーリーテリングの講習、各国の冤罪救済の現状と課題、科学的証拠や法医学に関するセクションなどを聴講しました。 
 IPJからも、メンバーの笹倉香奈と秋田真志が揺さぶられっ子症候群の冤罪事件について報告しました。 単に勉強になるだけでなく、良い刺激を受けることができ、また世界中で冤罪問題に尽力している人がいることが分かってとても心強く感じました。講師や冤罪被害者の方はよく「次はあなたの番です」と言い、会場が沸きあがり、これからも頑張ろうと気持ちを新たにしました。→ 全文
*IPJは世界のイノセンス団体との繋がりをさらに深め、また、様々なバックグラウンドを有するえん罪被害者からのアクセスを容易にするために、HPに 英文ページを設けました。 
 We now have an English website! Click here for more!

IPJ活動報告

(1)新規支援申込数……13件(3月24日から4月末)
(2)審査中の事件……19件
(3)支援中の事件……4件 

  IPJはより充実した審査を行うため、チーム制による審査を導入しました。先日は新体制後初の審査会議が行われ、早速4件の審査を行いました。 
 新体制のもと、どんどん審査を進めていきたいと思います。

学生ボランティアの活動

 新年度の講義も始まる中、新歓活動に頑張っている学生ボランティアから、様々な活動報告が届いています。
 獨協大学では、関東の支援事件で現在勾留されているKさんとの面会を行いました。「Kさんは、私の想像を絶する施設での生活のお話をしてくださいました。なぜまだ有罪であると確定すらしていないKさんが、精神状態が不安定になってしまうような日々を過ごさなければならないのでしょうか。今回の面会で、勾留の環境を改善する必要があることも改めて感じました。」→ 全文 
 
 関西学院大学に学生ボランティアが発足、さっそく広報会議に参加しました。他大学の学生ボランティアと交流しながら、勉強会など学内での活動も進めています。→ 全文 
 
 京都女子大学からは、イベント参加レポートです。「4月22日に行われた日弁連再審法改正全国キャラバン企画「ドラマ『エルピス』×刑事再審法改正 えん罪救済のこれから―正しさの基準とは―」に参加しました。また、IPJメンバーの亀石倫子弁護士と秋田真志弁護士がそれぞれ報告者とコーディネーターを担当されました。 
 ドラマ『エルピス』をきっかけに報道と司法の在り方を学ぶことができ、そのことを今後の活動に活かしていきたいです。」→ 全文
 

 龍谷大学からは、映画「Winny」の感想レポートです。「誰もが新しい技術に挑戦できる社会に進歩しても、その挑戦しようとする気持ちを萎縮させてしまうような状態であれば、何も成長できないと思います。この映画には、法律を学んでいる人たちはもちろん、新しいものを生み出すことが好きな人も引き込まれると思います。」→ 全文

「今西事件」最新報告

 イノセンス・プロジェクト・ジャパンのメンバーで、「 今西事件弁護団の湯浅彩香です。
 2023年5月11日14時から大阪高等裁判所にて、ついに控訴審の公判期日が開催されることになりました。これまでに検察官、弁護人が提出した書面の内容が公開の法廷で説明される予定です。大きな法廷ではありませんが、IPJのメンバーを含めた今西貴大さんを支援する会のメンバーが今西貴大さんを傍聴席から見守り、応援する予定です。
   公判期日終了後は、報告集会を予定しています。ぜひご参加ください。

 今後も継続して公判期日が開催されます。最新情報は適宜HPにアップしていきますので、チェックしてみてください。今西事件の概要が分かるリーフレットをご希望の方は、 IPJ事務局までお知らせください。今西貴大さんを支援する会:お申込みは こちら(※IPJとは別の任意団体です。)

編集後記

・「法人化への道」を終えて:はじめは志を同じくした数人の集まりが、全国の皆様からの支援も受けて、法人化といった成長を遂げることができました。引き続き体制を整備し、冤罪救済に尽力して参りたいと思いますので、応援のほどどうぞよろしくお願いいたします。(西 愛礼)

・IPJでは広報活動を手伝ってくださるボランティアを募集しています! 動画や音声の編集、ライティング、デザインができる方など、IPJにお力を貸していただける方はぜひ ご連絡ください。

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