【学生ボランティア(龍谷大学)】ドイツ・ハレ大学との合同討論会に参加しました!

報告するドイツ人学生

 3月26日、龍谷大学とドイツ・ハレ大学学生との合同討論会「Students Dialogue between Japan and Germany」が開催され、龍谷大学IPJ学生ボランティアからは2人が参加しました。「死刑」をテーマとして、両大学の学生が様々な論点について英語で報告、議論をしました。

 私は「The Death Penalty and Wrongful Convictions」というタイトルで、死刑とえん罪について報告をしました。
 人の生命権を侵害する死刑の判決を出すには、通常よりも厳しい手続が取られなければなりません。例えば、アメリカの死刑事件での手続には、事実認定と量刑判断の二分化や自動上訴など特別な制度が設けられており、それらは「スーパー・デュー・プロセス」と呼ばれています。しかし、日本には死刑事件に特別な手続はありません。
 袴田事件についても紹介しました。袴田事件は、日本で現在最も注目を集めている死刑えん罪事件とも言われており、まさに今、再審が進行しています。この事件では、捏造証拠の利用や長時間の取調べによる虚偽自白などが疑われています。また、袴田さんは世界で最も長く拘置されていた死刑確定者としても知られており、死刑とえん罪の問題を多く抱えているように思われます。

 ドイツの学生さんは、日本に自動上訴制度がないことや、袴田さんの拘置期間などに驚いておられる様子でした。他に日本人学生からは、火あぶりなどのかつての死刑執行方法や、日本人の死刑に対する考え方などについて報告を行い、ドイツの方々は興味を持ってたくさん質問をしてくださいました。
 また、私たちもドイツの学生の報告から学ぶことが多々ありました。例えば、ドイツの多くの方は、大学入学までに、学校の教育の一環として裁判傍聴に行く機会があるそうです。私は大学生になるまで裁判所に足を踏み入れたことはありませんでしたし、もし法学部でなかったら未だに行ったことがなかったと思います。
 さらに、死刑をドイツに復活させようという世論があるということにも驚きました。死刑は、日本でもドイツでも重要な問題であり、常に皆が考え続けなければならないトピックだと感じました。

 討論会の後には懇親会があり、ドイツのお話をたくさん聞くことができました。私は、英語で報告をしたりコミュニケーションを取ったりすることは今回が初めてだったためとても緊張していましたが、先生方や仲間のサポートもあり、成功させることができました。互いの国の死刑制度や考え方を知る、良い機会となりました。

(⿓⾕⼤学4年生 K・S)